ユッカは、太い幹と上を向いた葉っぱが特徴の観葉植物です。生長期の青年のようにどんどんと盛んに葉っぱを出すことから「青年の木」という別名でも親しまれ、男性へのプレゼントにもよく利用されています今回はそんなユッカの育て方について、植え替えや挿し木の方法もまとめてご紹介します。
ユッカ(青年の木)ってどんな観葉植物?
ユッカはキジカクシ科・イトラン属(別名ユッカ属)の植物です。
日本よりも雨の少ない地域に生えているため、水やりの頻度が他の植物よりも少なくてすみます。また多少乾燥した状態が続いても枯れない「育てやすさ」から観葉植物として親しまれるようになりました。
ユッカは細長く先が尖った葉っぱを上向きに生やすので、横向きに伸び続ける植物に比べて狭いスペースで育てられます。リビングや広間の隅に飾る観葉植物を探している方におすすめですよ。
ユッカ(青年の木)を鉢に植えて育てよう!栽培に必要なグッズは?
- 鉢に植えられたユッカ
- ジョウロ
- 剪定バサミ
ユッカを初めて育てるなら、購入後そのまま育てられる「鉢に植えられたタイプ」を用意するのがおすすめです。あとは、水やり用のジョウロ、枝を切るための剪定バサミも用意しておきましょう。
ユッカ(青年の木)は日当たりのよい窓辺に置いて育てよう
ユッカは日当たりのよいところに置くとよく生長します。置き場所としては、午前中に日光が当たる窓辺がおすすめです。
5〜10月は窓ガラス + レースカーテン越しで日光が当たるように、11〜4月は窓ガラス越しの日光が当たるように管理すると生長が促進されますよ。
ユッカ(青年の木)のお手入れ!水やりの仕方や肥料の与え方は?
ユッカは水や肥料などのお手入れを定期的にすることで大きく生長します。特に4〜10月と11〜3月で水やりの仕方が違うので注意してくださいね。
水やりの仕方
水やりの基本は「鉢の底から水が流れ出るくらいたっぷり与える」ことです。
また、土の乾燥具合がわからない人は水やりの前に割りばしを挿しておきましょう。次の水やりの前に割りばしを引き抜いて、土に入れた部分が乾燥していれば「水やりが必要な証」として利用できて便利ですよ。
■4〜10月
鉢の土の表面が乾燥したら水やりのタイミングです。指で土を触ったりして水やり前に乾燥具合を確認しましょう。
■11〜3月
冬になると、気温が下がることやユッカの吸水量が下がるため、鉢の土の乾燥に時間がかかります。鉢の土の表面が乾燥したと思ってから、さらに4〜5日後に水やりをしてください。
乾燥しやすい部屋なら、定期的に霧吹きで葉っぱに水を吹きかけてツヤを保ちましょう。
肥料の与え方
観葉植物屋さんやホームセンターで「鉢植えタイプ」を購入したのなら、すでに肥料は含まれているので追加での肥料は不要です。
植え替えなどで肥料成分のない土を使ったなら、5〜10月の間だけ薄めた液体タイプの肥料を10日に1回の頻度で与えてください。
液体タイプの肥料をその都度与えるのが手間なら、植え替えるときの土へ固形の化成肥料を混ぜておけば2ヶ月の間は肥料成分がもつので手間がかかりません。
ユッカ(青年の木)の植え替えの時期と方法は?
ユッカを鉢で育てて3〜4年たったら植え替えのタイミングです。5〜10月の間、月に1回は鉢の底を確認して根が出ていたら、次のグッズを用意して植え替えを行ってください。
■ 植え替えに必要なグッズ
- 一回り大きなサイズの新しい鉢
- 観葉植物用の培養土
- 鉢底石
- 鉢底ネット
■ 植え替えの手順
- 水やりを控えてユッカの鉢の土を乾燥させる
- 新しい鉢の穴に鉢底ネットをしき鉢底石を入れる
- 鉢の1/3ほどまで土を入れる
- ユッカを鉢から取り出す
- ユッカの根についた土を手で軽くもみほぐして落とす
- 新しい鉢の中心にユッカを置く
- ユッカの周りに土を入れて鉢の縁下4cmまで土を足す
- 水やりをする
- 涼しい日陰で1週間ほど管理する
ユッカ(青年の木)の増やし方!挿し木の時期と方法は?
ユッカは、「挿し木」という方法で数を増やしていける植物です。鉢植えの管理に慣れてきたら、挿し木に挑戦して数を増やしてみましょう。
■ 用意するグッズ
- 新しい鉢
- 鉢底石
- 鉢底ネット
- 土(赤玉土、鹿沼土、バーミキュライトなど)、市販の挿し木用の土
- 根を生やすための薬剤(発根促進剤)
■ 手順
- 5〜8月の間に枝を8cmほど切りとる
- 切り口に発根促進剤を塗る
- 挿し木用の鉢の底から鉢底ネット、鉢底石、土を順に入れる
- 土に水やりをして濡らす
- 鉢の縁に指で穴をあけて切りとった枝を挿す
- 土が乾かないように水やりをして日陰で管理する
- 約4週間で根が生え、さらに芽が出てきたら新しい鉢に植え替える
ユッカ(青年の木)の剪定の時期と方法は?
ユッカの幹から伸びた芽が出てきたら、芽の生えぎわから5~10cm上を切ってください。放っておくと見た目が悪くなってしまうので、5月下旬から8月上旬までの間に芽を切るのがおすすめです。剪定した枝は、そのまま挿し木に使うこともできますよ。
ユッカが枯れる原因と枯らさないコツは?
育て方を間違えたユッカは葉が黄色く変色して枯れていきます。黄色く変色して枯れる原因は「日当たり」や「風通し」、「害虫」です。次にそれぞれの対処法や枯らさないコツについてご説明します。
1. 夏の直射日光に当たりすぎた場合
7〜8月の西日のように、1年で最も日差しが強くなる時期の直射日光に長時間あたるとユッカは葉焼けして黄色く枯れ落ちてしまいます。
どうしても真夏の西日が当たる場所しか置けない場合は、窓とカーテン越しのように日当たりを調節してあげると枯れずにすみますよ。
2. 日当たりや風通しが悪い場合
ユッカは湿気に弱く、水やり後に土が早く乾燥しないと根が腐って葉が枯れ、やがてユッカ本体が枯れてしまいます。
これを「根腐れ」といって、置き場所の日当たりや風通しが悪いことで起こる現象です。また、土が乾燥する前に水やりをするなど、水やりのしすぎも根腐れの原因になります。
軽い根腐れなら一度しっかり乾燥させれば対処できますが、重度の根腐れだと植え替えで腐った根を切り捨てないと腐った部分が広がっていくので注意してください。
3. 害虫による被害をうけた場合
葉っぱがしおれたり枯れ始めたとき、葉っぱの裏や芽、根元に小さな虫がいたらもしかするとカイガラムシなどの害虫かもしれません。放っておくと被害が拡大して次々と葉っぱが枯れ落ちていくので見つけ次第、殺虫剤や殺ダニ剤をまいて退治してください。
ハダニは乾燥した環境で発生しやすいので殺ダニ剤をまいて退治します。その後は霧吹きなどで葉っぱを湿らせて予防に努めましょう。
一方で、カイガラムシは湿気の高い環境で発生しやすい害虫です。カイガラムシは幼虫なら殺虫剤で退治できます。ただ、時間がたって成虫になると殺虫剤が効かなくなるので使い捨ての歯ブラシなどでこすり落としましょう。
ユッカ(青年の木)の育て方を覚えて緑の多いお部屋に
観葉植物として人気のユッカ。置き場所や水やりの方法など、育て方を知っておくと元気な姿が長く楽しめます。細く尖った葉っぱを生かして、緑の多い部屋づくりにユッカを利用してみてはいかがでしょうか。
更新日: 2023年04月23日
初回公開日: 2015年10月10日