その爽やかな香りから、歯磨き粉やガムのフレーバーやお茶、精油にと楽しまれるミント。品種同士の交配が簡単にできることから、今では数えきれないほどあります。中には、甘くフルーツのような香りをするものもあるんですよ。今回は、ミントの種類とそれぞれの葉の特徴をまとめました。
ミントの種類や品種は?
ミントの原種は20~40種で、変種ができやすいことから今では600~3,500もの品種が存在しているといわれています。
大きく分けると、香りの強い「ペパーミント系」と、ほんのりと甘い香りがする「スペアミント系」の2種になり、使われ方も様々です。以下に、いくつかの種類や品種をご紹介します。
ミントの種類10選
1. スペアミント
「ミドリハッカ」や「カーリーミント」などの総称で、ペパーミントよりも先にハーブとして用いられてきました。葉が槍の先(spear)のような形をしていることが名前の由来です。紅茶やお菓子に添えられる他、精油は歯磨き粉やチューインガムの味付けに利用されています。
2. ペパーミント
「セイヨウハッカ」「コショウハッカ」とも呼ばれる種類です。スペアミントとウォーターミントが交配して生まれました。香りが強く、殺菌や防虫効果に優れていることから、コンパニオンプランツとしてもよく栽培されます。
3. アップルミント
「マルバハッカ」「ウーリーミント」とも呼ばれ、産毛を生やした丸型の葉っぱを持ちます。リンゴとミントを合わせたような甘みのある香りが特徴です。草丈は60~100cmほどと大きめで、穂状の白や淡いピンクの花を咲かせます。
4. パイナップルミント
アップルミントを親に持つ品種で、やわらかい毛の生えた卵形の葉の縁に、白やクリーム色の斑が入ります。ほんのりとパイナップルのような香りがあり、ハーブティーや魚料理に使われますよ。
5. ペニーロイヤルミント
「目草薄荷(メグサハッカ)」という和名で知られ、ペパーミントよりも強い香りがします。草丈は10~40cmと低く、丸い葉の付いた茎を横にどんどんはわせて生長します。アリ、ノミ、カメムシなどの害虫を退ける効果があり、ヨーロッパではベッドの脇に置いて虫よけに使われていました。
6. ニホンハッカ
単にハッカともいわれ、別名を「ジャパニーズミント」「和種薄荷(ワシュハッカ)」という品種です。メントールが豊富でバランスのよい香りが特徴。草丈は50~60cmほどで、葉の横がギザギザの卵形をしており、淡い紫色の小花がかたまって葉の付け根に咲きます。
7. ウォーターミント
ヨーロッパから北アメリカ、アジアなど北半球の広い範囲に分布している品種です。沼地に生えることから、「沼薄荷(ヌマハッカ)」「水薄荷(ミズハッカ)」という和名が付けられました。ペパーミントの親に当たり、強い香りがあることから、サラダや香辛料に使われます。
8. ヒメハッカ
日本に自生するミントの1つで、開拓当時の北海道で発見されました。株は全体的にコンパクトにまとまっていますが、抽出できる精油の量は多めです。葉は細かく、スペアミントに比べてやわらかな香りを放ちます。自生している姿はなかなか見られず、環境省のレッドリストでは準絶滅危惧種に指定されています。
9. ボウルズミント
アップルミントとスペアミントの交雑種です。ミントの中でも最大級のサイズで、150~200cmほどに生長します。葉はやわらかな毛で覆われており、甘く優しい香りを放ちます。特にハーブティーにするとおいしいとされています。
10. カーリーミント
スペアミントの仲間で、ヨーロッパの中部から地中海沿岸に自生しています。縮れた葉が特徴的で、「縮緬薄荷(チリメンハッカ)」という和名を持っています。初夏から真夏に淡いピンクの花を咲かせ、葉はハーブティーや料理の臭み消しに使われます。
用途に合わせたミントの種類を楽しもう
ミントは、突然変異や品種改良が行われやすいことから、今では数えきれないほどの品種が存在します。ただ、それぞれに特徴があり、香りの強さや用途も様々です。
自分の好みに合った香りを選んで、ミントティーや料理の風味付け、ポプリや入浴剤など色々な使い方で楽しんでみてください。殺菌や防虫効果もあるので、ハッカ油を使って虫よけを手作りするのも楽しいですよ。
更新日: 2021年12月03日
初回公開日: 2015年09月30日