蓮の実は、栄養価が高く、中国や東南アジアではおしるこに入れたり、かき氷のトッピングにしたり広く食用にされています。最近では日本でも少しずつ見かけるようになってきました。ただ、実際に蓮に実がついている様子は、蜂の巣のようで、少し不気味な印象を受けるかもしれません。
今回は、蓮の実が気持ち悪いと感じる理由や、効能、食べ方についてご紹介します。
蓮(ハス)の実とは?
蓮は花が枯れた後に実をつけます。秋になると花が枯れて、茎が分厚くなった花托(かたく)が大きくなり、その中に実をつけます。
花托はだんだんと肥大化し、表面にたくさんの通気口となる穴が空いてきます。この穴の中で、どんぐりのような緑色の実が育ちます。これが蓮の実です。
蓮の実は、でんぷん質が豊富で、トウモロコシのような食感があります。また、ビタミンB1、カルシウム、カリウム、食物繊維も含まれています。
蓮(ハス)の実の穴が気持ち悪い!なぜ穴が空いているの?
蓮の実がなる花托に穴が空いているのは、空気を吸うためです。根が水中にあるため、花托を通して外から酸素を取り込みます。そのため、花托の穴はそのまま根に直結してつながっているのです。
蓮(ハス)の実の効能は?
1. すべすべ肌と疲労回復効果
ビタミンB1には、糖質からエネルギーを作り出し、皮膚や粘膜の状態をよくし、脳神経を正常に働くように導く働きがあります。これによって美肌や口内炎の解消が期待できます。
また、糖質の分解を助けてくれることから、疲労回復にも効果的です。
2. 骨と筋肉を強くする
カルシウムは骨を構成するための大切な成分として知られています。血液中や筋肉にも存在し、筋肉の働きを促し、精神を安定させる効果もあります。
3. デトックス効果
カリウムには、体内の余分な塩分を体外に排出する働きがあります。体内の水分調節がうまくいくようになり、高血圧やむくみを予防、改善する効果が期待できます。
4. 便秘の解消
食物繊維は蝶のぜんどう運動を促し、胃腸の機能を高める働きがあり、便秘解消に効果的です。また、胃腸の働きがうまくいくことで、自律神経を安定させる効果も。
ただし、食べ過ぎると下痢になってしまうので注意が必要です。
蓮(ハス)の実の収穫!実を取り出す時期と方法は?
適期は7~8月上旬で、花が咲いてから3週間ほどで収穫できるようになります。花托に空いた穴から1つ1つ、緑色の実を取り出していきます。
収穫した実は、日陰干しで乾燥させ、密閉容器に入れて常温、または冷蔵してください。1ヶ月くらいは保存できますよ。
ただ、収穫できる期間が短く収穫すると根である蓮根を傷つける恐れがあることから、日本では蓮根の栽培が盛んな徳島県と愛知県ので収穫されることが多いといわれています。
蓮(ハス)の実の食べ方は?
東南アジアでは生で食べられます。ナイフで外皮をむき、白い実が出てきます。白い実の周りにある、薄く半透明な皮を取れば、あとは食べられる実の完成です。
実を押しつぶして取り出せる中心の芽の部分が苦いため、芽を取り除いてから食べる方法もありますよ。ナッツのような食感で、味は少しえぐみがあります。
ただ、日本で販売されているものは海外産の乾燥されたものがほとんどです。乾燥させた実もそのまま食べることができますが、炊き込みご飯に入れたりシロップ漬けにしたりすると旨味が増しますよ。
蓮(ハス)の実には効能がたくさん
蓮の実は、見た目こそ気持ち悪いといわれるものですが、栄養価が高い食品でもあります。料理サイトなどにはたくさんの調理方法が掲載されており、隠れたファンもたくさんいます。
乾燥させた実を手に入れて、一度料理してみるのも楽しそうですね。
更新日: 2021年09月27日
初回公開日: 2015年11月06日