藍染めの染料として知られる藍(アイ)。藍によって染められた深い青色は美しく、安らぎを与える効果もあるのだとか。ただ、染料の元となっているのがどんな植物なのかはあまり知られていませんよね。そこで今回は、藍とはどんな植物なのか、花言葉や見頃の季節などをご紹介します。
藍(アイ)の花言葉とは?
『美しく装う』『あなた次第』
紀元前の古くから、衣服の染料として利用されてきたことにちなんで、「美しく装う」という花言葉が付けられました。また、藍染めは、染め方次第で仕上がりが変化し、様々な模様が彩られることから、「あなた次第」という花言葉が付けられたと考えられています。
藍(アイ)の花の色や別名は?
- 学名
- Persicaria tinctoria
- 科・属名
- タデ科・イヌタデ属
- 英名
- Indigo plant
- 原産地
- インドシナ半島、東南アジア、中国
- 開花期
- 8~10月
- 花の色
- 紫、ピンク
- 別名
- 蓼藍(タデアイ)
藍蓼(アイダテ)
藍(アイ)とはどんな植物?花の特徴は?
藍は、タデ科・イヌタデ属に分類される一年草です。紀元前より世界各地で青色の染料として利用されてきました。日本では奈良時代から藍染めがはじまり、広く栽培されていました。ただ、現在は化学合成による染料が開発されたことで、染料として利用されることはほとんどなくなってしまいました。
草丈は60~90cmに生長し、たくさん枝分かれしながら楕円形の葉っぱが茎を抱くように茂ります。そして、秋になると、茎の先に花びらのない米粒のようなピンク色の花を枝先にたくさん付けます。中には、白い花を付ける品種もありますよ。
藍(アイ)の開花時期と見頃の季節は?
8~10月頃に花を咲かせ、特に9月中旬頃見頃を迎えます。古くから日本で栽培されていたことから、育てやすいとされていますよ。また、小さな花は独特で、野性味が感じられます。
藍(アイ)の種類や品種は?
藍染めの染料として利用されてきた植物は、藍以外にもたくさんあります。そこで、以下にそれぞれの種類を特徴とともにご紹介します。
琉球藍
キツネノマゴ科に分類される多年草で、中国から沖縄にかけて分布しています。沖縄の琉球染めの染料として琉球王朝時代から利用されてきました。草丈が70~100cmほどに生長したものを、夏と秋に驟雨隠します。夏になると、茎に淡い紫色の唇形の花をつけるのが特徴です。
インド藍
インドを原産とするマメ科・ゴマツナギ属の植物で、「木藍(キアイ)」とも呼ばれます。紀元前2000年以上前から染料として使われ、大航海時代には一大ブームとなりました。
ウォード
アブラナ科・タイセイ属に分類される、中央アジアを原産とする植物です。ヨーロッパで藍色の染料として広く普及していましたが、インド藍の導入とともに衰退していきました。
大青(タイセイ)
ウォードの近縁種で、アイヌ民族が藍染めの染料として使っていたことで知らrています。原産地は西アジアからヨーロッパにかけての広範囲で、見た目は菜の花に似ています。草丈は90cmほどで、初夏に黄色い花を咲かせます。
藍(アイ)の花言葉は「美しく装う」
染料として広く知られている藍ですが、現在では一部の地域をのぞいてあまり見る機会はありませんよね。ただ、伝統芸能として近年藍染めが注目され、学校の教材として育てられることも増えてきたそうです。
「美しく装う」などの花言葉を持つ藍は、愛でるだけでなく、染め物としても楽しめる植物です。丈夫な性質で育てやすく、お家のベランダでも簡単に栽培できますよ。自宅で育てた藍で、藍染めを楽しんでみてくださいね。
更新日: 2023年03月15日
初回公開日: 2016年02月26日