ネメシアは、寄せ植えに活躍する春の花の1つです。寒さに強くて育てやすく、一年草と宿根草のタイプがあり、育て方を選べるのも魅力です。パステルカラーの花びらが、春風に揺れる姿はかわいらしいですよ。今回は、そんなネメシアの花言葉や種類と、育て方をまとめました。
ネメシアの花言葉
『包容力』『偽りのない心』『過去の思い出』『正直』
「包容力」という花言葉は、小さな花を次々と咲かせ、こんもりとした花姿をしていることにちなんで付けられました。
ネメシアの学名・原産国・英語
- 学名
- Nemesia
- 科・属名
- ゴマノハグサ科・ネメシア属
- 英名
- Nemesia
- 原産地
- 南アフリカ
- 開花期
- 3~6月
※宿根草は、10~12月に咲くものもある
- 花の色
- 赤、白、青、黄、紫、ピンク、オレンジ
- 別名
- 海蘭擬(ウンランモドキ)
ネメシアとはどんな花?名前の由来は?
ネメシアは、南アフリカに自生する1年草もしくは宿根草です。草丈は15~40cmほどで、葉はギザギザしており、伸びた茎の先に小さな花を連なって咲かせます。赤や白、青をしたパステルカラーの花色が特徴で、花壇の寄せ植えによく用いられます。
学名は、花姿が似ている金魚草の1種に付けられたものが由来となっています。
ネメシアの種類や品種は?
南アフリカを中心に約60種が自生しています。日本では暑さに弱い一年草のものが広く普及していましたが、近年は耐寒性があり、涼しいところであれば夏越しができる宿根草が出回るようになりました。
1年草は、ストルモサ(N.strumosa)を元に作られた品種群を指します。花色が豊富な反面、暑さにも寒さにも弱いことが特徴です。
宿根草は、カエルレア(N.caerulea)やデンティキュラータ(N.denticulata)から品種改良されたものを指します。開花期が長く、3度以上の気温があれば、真夏以外は花を楽しむことができます。ただし、宿根草といっても2~3年で枯れてしまいます。
ネメシア メロウ
丈夫な宿根草タイプの品種です。他の品種よりも高価な代わりに育てやすく、ピンクや薄紫色のきれいな花を咲かせます。
ネメシア メーテル
(株)ゲブラナガトヨは開発した品種で、次世代ネメシアと呼んでいます。特徴は、1~2年草で育てやすく、シトラス、バニラ、パティスリーミュールなどの強い香りがすることです。
ネメシア ブルー
濃青色や水色の花びらをした品種です。植物の中でも数少ない貴重な青色系統の花びらで、1~2年草タイプになります。ただ、翌年にはほとんど残っていないことが多いので、1年草として育てるのが一般的です。
ネメシア ニモ
色とりどりの花色が特徴の品種です。暑さに少し耐性があり、開花期が長く、小さな花をたくさん咲かせます。場所によっては冬越しもできますよ。
ネメシアの育て方のポイントは?
日当たりと風通しのよい場所で育て、花がピークを過ぎた頃に剪定するのがポイントです。暑さに弱いですが、日に当たらない場所で育てると、茎が間延びして倒れやすくなってしまいます。また、花を1/3ほど切ることで、茎が横に伸びて花数を増やすことができますよ。
ネメシアの種まきや苗植えの時期と方法は?
種まき
気温が高いと発芽しにくいので、涼しくなる9~10月に種まきをします。
1. 赤玉土(小粒)を育苗箱など薄い容器に入れ、種を重ならないようばらまく
2. 薄く土をかけ、種が流れないよう水やりをする
3. 土が乾かないよう受け皿に水をため、容器の底から土に吸水する
4. 発芽し、本葉が4~5枚になったら、生育のいいものを育苗ポットに移す
5. 育苗ポットのまま冬を越し、4~5月に鉢や地面に植え替える
苗植え
気温が穏やかになった4~5月に鉢植えか地植えにします。鉢植えは、5号鉢に1株を目安に、水はけのよい土に植え付け、日当たりのよい屋外で育てます。
地植えは、日当たり、水はけ、風通しのよい場所を選び、耕した土に植え付けます。株同士の間隔を15~20cmほどあけ、蒸れないようにすると安心です。宿根草は、霜に当たらないよう冬は軒下で管理しましょう。
ネメシアの土作り・水やり・肥料の与え方
土作り
水はけのよい土が適しています。鉢植えは、赤玉土(小粒)6:腐葉土4か、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:川砂2の割合で混ぜあわせたものか、市販の草花用培養土がおすすめです。地植えは、植え付ける1週間前に地面を耕し、2~3割ほど腐葉土を土に混ぜ込んでおきます。
水やり
土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。元々乾燥した場所で育つ植物なので、湿気が多いと枯れてしまいます。また、冬は生育が鈍るので、水やりの回数を減らします。また、水が花にかかるとしぼんでしまうので、株元に水を施すようにしてください。
肥料の与え方
植え付けるときにゆっくりと効く緩効性化成肥料を水に混ぜ込んでおきます。そして、9~10月と、3~6月の間は10~15日に1回液体肥料を与えるか、植え付け時と同様の肥料を1ヶ月に1回与えます。花をたくさん咲かせるために、リン酸の多く含まれた肥料を与えるのがおすすめです。
ネメシアの剪定!切り戻しの時期と方法は?
ネメシアは、満開期を過ぎた花の茎をカットすることで、新芽を増やし、花数を増やすことができます。花が咲き終わったら、草丈を2/3~1/2の長さに剪定しましょう。
また、枯れた花をそのままにしておくと、病気や害虫が発生する原因となってしまいます。色がくすんできた花は、すぐに手で摘み取っていきます。
ネメシアの植え替えの時期と方法は?
1年草のものは、夏を過ぎると枯れてしまうので、植え替えの必要はありません。宿根草のものは、1年に1回新しい土を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。植え替えの手順や時期は、植え付け時と同様です。株が弱っていると感じたときは、同時に挿し木をして数を増やしておくのがおすすめです。
ネメシアの増やし方!挿し木の時期と方法は?
ネメシアは、種まきと挿し木で数を増やすことができます。種まきは、上述した方法の通りです。挿し木は、気候が穏やかな3~6月か、9~10月に行います。
丈夫な茎を10~15cmの長さに切り、赤玉土(小粒)を入れた育苗ポットに挿せば完成です。20~30日ほどして、根が十分に生えたら、鉢や地面に植え替えていきます。
ネメシアの育て方で注意する病害虫は?
アブラムシ
3~11月に発生しやすい害虫で、葉や茎に寄生して株の栄養を吸い取ります。数が少ないときはガムテープなどで剥がし、大量に発生したときは市販の殺虫剤で駆除していきましょう。根から成分が吸収され、植物自体が殺虫効果をもつようになる浸透移行性の殺虫剤をあらかじめまいておくと被害にあいにくくなりますよ。
ハダニ
ハダニは植物の葉っぱに寄生し、栄養を吸い取る害虫です。葉に点々がでたり、かすりがでたりしているときは、ハダニの被害を疑い、薬剤を散布して駆除します。
灰色カビ病・ウイルス病
湿気の多い環境で育てていると、灰色カビ病やウイルス病に感染する可能性があります。特に3~7月と10~11月の雨が多い時期は注意が必要です。一度発生すると治療ができないので、風通しがよく、雨の当たらない場所で育てることで予防していきましょう。
ネメシアの寄せ植えでガーデニングを楽しもう!
ネメシアは豊富な花色と、開花期が長いという特徴をもちます。違った花色の株を寄せ植えにすると、庭が明るい印象になりますよ。また、こまめに茎を剪定することで、花数を増やすことができます。庭を明るく華やかにしたいときは、ネメシアを取り入れてみてください。
更新日: 2022年07月27日
初回公開日: 2015年10月08日