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柳の木(シダレヤナギ)の花言葉|種類や季節、別名は?

柳は、「柳の下のどじょう」「柳に風」などのことわざや、「柳腰」など美女のたとえとして使われる、私達に身近な木ですよね。風にそよぐしだれた枝や細い葉っぱは涼しげ。今回は、花言葉や見頃の季節など、柳とはどんな植物なのかについてご紹介します。

柳(シダレヤナギ)の花言葉は?

シダレヤナギ 柳

『わが胸の悲しみ』『愛の悲しみ』『従順』『自由』

「従順」「自由」という正反対の花言葉は、いずれも柳の枝や葉っぱが、風に揺れる姿に由来します。弱い風にも素直にそよぐところから「従順」、強い風によって枝や葉がまるで羽ばたいているように大きく揺れ動くところから「自由」と付けられたそうです。

柳(シダレヤナギ)の花の色や別名は?

学名
Salix babylonica
科・属名
ヤナギ科・ヤナギ属
英名
Weeping willow
原産地
中国
開花期
3~4月
花の色
黄緑
別名
垂り柳(シダリヤナギ)
糸柳(イトヤナギ)
大枝垂(オオシダレ)

柳(シダレヤナギ)とは?どんな花を咲かせる?

ヤナギ 柳

柳は、ヤナギ科・ヤナギ属に分類される落葉樹です。ヤナギ属に分類される樹木約300種の総称が本来の意味ですが、一般にシダレヤナギのことを指します。日本へは奈良時代に中国から伝わってきており、古くから街路樹や花材として利用されてきました。

樹高は10~20mほどと大きくなり、細い枝を長くしだれさせていることが特徴です。葉っぱは笹のように細長く、風が吹くとカサカサ音がしてきますよ。そして、春先から初夏にかけて、細い円柱状の花が咲きます。

雄株と雌株があり、いずれも小さい花が集まって穂になり、咲き終わると全体がぽろりと落ちます。雄株の花は雄しべが数本、雌株の花には雌しべがあるだけで、花びらはありません。代わりに綿毛のある小さい苞や腺体というものがあり、花穂全体が銀白色の綿毛に包まれたように見えます。

名前の由来

ヤナギの漢字表記には「柳」と「楊」があります。枝が垂れているものを「柳」、枝が立ち上がっているものを「楊」といって区別しているんですよ。また、属名の「Salix」はケトル語の「Sal(近い)」と「Lis(水)」が合わさったもので、湿地に好む性質に由来します。

柳(シダレヤナギ)の開花時期や見頃の季節は?

柳の開花時期は、3~4月です。ただ、種類によっては、春先にまず若葉を出し初夏になった5月頃に花を咲かせるものもあります。

柳(シダレヤナギ)の種類は?

世界には300種を超えるヤナギ属が分布し、自然界では簡単に雑種ができてしまうことから、調べてみたら実は柳の仲間だったということもよくあるようです。今回は、ヤナギ属に分類される樹木の中でも代表的なものをいくつかご紹介します。

ウンリュウヤナギ(雲竜柳)

中国原産の落葉高木で、観賞用に栽培されることが多い種類です。葉や花よりも面白い枝ぶりが好まれ、生け花によく利用されます。枝がグネグネ曲がり、下垂する姿が龍に見えることから名付けられ、近年は「ドラゴンヤナギ」とも呼ばれます。

ネコヤナギ

ネコヤナギ 猫柳 ヤナギ

枝がしだれずに上向きに生える種類で、3mほどに生長する落葉低木です。水辺に自生し、庭木として利用されることも多いですよ。

春になるとやわらかな銀白色の綿毛に包まれた蕾を付けます。これが、猫の尾っぽに似ていることから、名付けられました。また、子犬の尾に似ているという意味の「エノコロヤナギ」という別名も持っています。

マルバヤナギ

細長い葉が多い柳の中で、丸みのある楕円形の葉を付ける種類です。東北地方から南の河辺や池の周りに自生し、生長すると10〜20mほどに生長します。花期はヤナギ科の中で最も遅く、春に葉を茂らせた後、初夏に花が咲きます。新芽が赤いのが特徴で、「アカメヤナギ」とも呼ばれます。

コリヤナギ

朝鮮半島が原産で、昔はなくてはならない道具だった行李(こうり)を作るために、畑などに植えられ栽培されていました。行李とは、皮を剥いだ幹で編まれたもので、軽くて風通しがよく殺菌性があることから、衣装入れやお弁当箱に使われました。樹高2〜3mの落葉広葉低木で、 灰緑色の樹皮をした幹を根元からたくさん生やします。

セイヨウハコヤナギ

ヤナギ科の落葉高木で、別名「ポプラ」とも呼ばれます。ヨーロッパや西アジア原産で、明治の初期に日本へわたってきました。耐寒性が強く、丈夫で育てやすいことから、庭木や並木として植えられていますよ。

花が終わると綿毛付きの種子をたくさん付け、風に飛ばされると地面が真っ白になることから、英語では「Cotton wood(綿の木)」ともいうそうです。

柳(シダレヤナギ)は背の高い樹木

シダレヤナギ 柳

日本では古くから街路樹として親しまれてきた柳。井戸や畑などに生えていたことや、しだれた枝が神秘的で怖い雰囲気を持つことから、昔話の中では、柳の下にお化けはつきものですよね。

現代でも公園樹や街路樹として親しまれています。背の高い木なので、ガーデニングに取り入れるには広いスペースが必要ですが、色々な種類があるので、自分にあったものを探すのも楽しいかもしれませんね。

更新日: 2022年05月18日

初回公開日: 2016年03月21日

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