棗は、中国やヨーロッパなどで古くより栽培されている果樹です。果実はリンゴに似た風味で、生で食べても甘くておいしいですよ。また、ドライフルーツにしてケーキなどのスイーツによく利用されています。今回は、そんな棗の花言葉や育て方、実の効能などについてご紹介します。
棗(ナツメ)の花言葉とは?
『健康』『若々しさ』『あなたの存在が私の悩みを軽くします』
「健康」という花言葉は、棗の果実に滋養強壮や健胃など様々な薬効があることにちなんでいます。また、「あなたの存在が私の悩みを軽くします」も、不眠やストレスの解消に効果があることから付けられました。
棗(ナツメ)の学名・原産国・英語
- 学名
- Ziziphus jujuba
- 科・属名
- クロウメモドキ科・ナツメ属
- 英名
- Jujube
Chinese dates
- 原産地
- 日本~西アジア
- 開花期
- 5~7月
- 花の色
- 黄
- 別名
- 大棗(タイソウ)
棗(ナツメ)とは?どんな花を咲かせる木?
棗は、日本から中国、西アジアの広い範囲に分布する果樹です。奈良時代より前に日本へと渡来し、古くから漢方薬として親しまれてきました。和名は、「夏芽(なつめ)」の意味で、初夏に新芽を伸ばすことに由来します。
樹高は10~15mと大きく生長します。初夏になると、光沢のある枝を伸ばし、葉っぱの脇に淡い黄色の花を咲かせます。その花が、8~10月にかけて結実し、楕円形をした緑色の実になります。実は成熟するに連れて赤みを増し、最終的には赤褐色になります。この実が、お菓子の材料や漢方薬に利用されてきました。
棗(ナツメ)の実の効能は?
棗には、鉄分・カルシウム・カリウムやマグネシウムなどのミネラル、葉酸、ビタミン、食物繊維といった栄養が豊富に含まれています。古代中国では、「大棗」と呼ばれ、スモモ・アンズ・桃・栗と並んで五臓を養う果物とされ、むくみや貧血、婦人病を治す生薬として用いられました。
近年は、アレルギーの抗体の生成をブロックする働きがあることが発見され、花粉症やアレルギー症状の緩和に効果があると考えられています。また、脂質の代謝を促進し、肥満防止の効能があるとされています。
棗(ナツメ)の育て方のポイントは?
日当たりのよい広い場所に植えることがポイントです。生育旺盛でよく育つので、狭い場所だとたびたび剪定をしなければならず、株が弱ってしまいます。
棗(ナツメ)の種まき・苗植え(鉢植え・地植え別)の時期と方法は?
種まき
実から採取した種を、10~11月にまいて育てていきます。果肉には発芽を抑制する物質が含まれているので、きれいに洗い流すようにしてください。
1. 水洗いして種に付いた果肉を洗い流す
2. 底の浅い鉢に赤玉土(小粒)など清潔な土を入れ、種をまく
3. 薄く土をかぶせ、土が乾かないよう水やりをして管理する
4. 発芽し、十分に株が育ったら、鉢や地面に植え替える
苗植え
3~4月か11~1月初旬に、鉢か地面に植えていきます。鉢植えは、樹高の3倍の深さがある5~7号鉢に1株が目安です。地植えは、日当たりのよい広いスペースに、苗よりも1~2回り大きな植え穴を掘って植えます。
棗(ナツメ)の土作り・水やり・肥料の時期と方法は?
土作り
水はけと水もちのバランスがよい土を好みます。土質は選ばないので、鉢植えは赤玉土(小粒)7~8:腐葉土2の割合で混ぜた土がおすすめです。地植えは、腐葉土や堆肥を2~3割植え穴を掘った土に混ぜておきます。
水やり
地植えは特に水やりは必要ありません。鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
肥料の与え方
たくさんの肥料は必要ありません。鉢植えは、3月に速効性化成肥料を与え、11~12月に有機肥料を与えます。地植えは、11~12月に有機肥料を1回与えれば十分です。
棗(ナツメ)の剪定の時期と方法は?
剪定
葉っぱが枯れ落ちた12~2月の間に行います。たくさんの枝を刈り込む必要はなく、風通しと幹への日当たりを意識して、混み合っている枝を付け根から切り取り、間引いていきましょう。伸びすぎている枝を切り、短い枝は残して樹形を整えるのがポイントです。
ただ、ふっくらとした花芽を切り落とすと実付きが悪くなるので注意してください。このほかに、株元から出るひこばえは、元から切り取ってください。
摘果
果実を付けすぎると、株の栄養が奪われ、翌年の実付きが悪くなります。7月下旬頃の実が未熟なときに、1本の枝に実が3~4個付くよう余計なものは摘みとっていきます。形がよく、病気や害虫の被害にあっていないものを残すようにしてください。残りの実が赤褐色に熟したら、収穫して楽しめます。
棗(ナツメ)の栽培で注意する病気や害虫は?
ナツメコガ
ほとんど病気や害虫の心配はありませんが、8~9月の暑い時期に、ナツメコガに寄生されることがあります。見つけたら、ディプテレックスやスミオチンなどの殺虫剤を散布して駆除していきます。
棗(ナツメ)は育て方の簡単な果樹
棗は、病害虫の被害にあいづらく、生育も旺盛なことから育てやすい果樹の1つです。初心者でも失敗せずに育てることができますよ。また、秋には栄養価が高く、おいしい実を浸けることもポイントです。大切に育てて、おいしい実を色々なレシピに活用できたら楽しそうですね。
更新日: 2023年02月01日
初回公開日: 2016年01月26日