ネギやニンニクの仲間で、独特な風味があるチャイブ。ヨーロッパでは古くからハーブとして栽培され、サラダやオムレツ、スープなどの料理に加えて味わわれてきました。また、20~30cmほど伸ばした葉っぱの先に、ポンポンのようなかわいらしい花を咲かせることから、花壇の縁取りとしても活躍してくれますよ。今回は、そんなチャイブの育て方について、栽培のポイントや種まきの時期と方法などをご紹介します。
チャイブの栽培のポイントは?
中性~弱アルカリ性の土に、株を多めに植え付けることがポイントです。日本は酸性雨が降ることから土質が酸性に傾いています。植え付ける前に、土のpHを調節しておきましょう。また、1つの種から1本しか葉っぱを生やさず、1本では倒れやすいので、密生させて植え付けましょう。
チャイブの種まき、苗植えの時期と方法は?
チャイブは、種まきや苗植えともに、3~5月または9~10月頃が植え付けの適期です。種からでも簡単に育てられますが、花が咲くのは2年目以降、収穫が安定するのに3年ほどかかります。早く収穫したいときは、苗の購入がおすすめです。最近は取り扱いも多く、春になるとハーブコーナーなどにポット苗が出回っていますよ。
種まき
1. 鉢や地面に種をばらまく
2. 薄く土をかぶせ、上を新聞紙で覆う
3. 発芽するまで土が乾かないよう水やりをして管理する
4. 発芽したら、葉っぱ同士が触れ合わない程度に適宜、間引く
5. 草丈が10cmほどに生長したら、鉢か地面に植え替える
苗植え
苗を入手したら、鉢や地面に早めに植え付けていきます。鉢植えは、3株ほどをまとめて、1回り大きな素焼鉢に植えます。底には鉢底石を敷いて水はけをよくしておきましょう。
地植えは、4~5株をまとめて、15~25cmほど間隔をとって植えていきます。植えた後は、すぐに水やりはせず、葉っぱがしおれてきたら与えるようにしてください。
チャイブの土作り、水やり、肥料の与え方は?
土作り
チャイブは、中性~弱アルカリ性で、水もちのよい土を好みます。鉢植えは、赤玉土(小粒)7:腐葉土2:堆肥1の割合で混ぜた土か、ハーブ用培養土を使いましょう。地植えは、植え付ける1~2週間前に、一握りの苦土石灰を土に混ぜ込んでおき、その後しばらく寝かせてから腐葉土や堆肥を混ぜたものに植えます。
水やり
チャイブは湿り気のある土を好み、乾燥を嫌います。鉢植え・地植え問わず、葉っぱがしおれてきたら、たっぷりと水を与えましょう。地下茎で繁殖し、地上部が枯れても休眠はしないので、冬も水やりは忘れずに行ってください。
肥料の与え方
チャイブの株を植え付けるとき、株元に油かすやゆっくりと効く緩効性化成肥料を与えます。その後は、春~秋の間は1~2ヶ月に1回、1株につき小さじ1杯ほどの緩効性化成肥料を施せば十分です。
チャイブの剪定、収穫の時期と方法は?
葉っぱが20cm以上になったら、収穫を兼ねて根元から3~5cm残して切り戻します。開花させると茎葉がかたくなるので、葉っぱをメインに収穫する場合は、つぼみのうちに摘み取ってしまいましょう。
チャイブの植え替えの時期と方法は?
チャイブは、窮屈にならない限りは、植えっぱなしでもかまいません。株が混み合ってきたら、3~5月または9~10月頃に掘り上げ、適度に株分けをして植え直します。
チャイブの増やし方!株分けの時期と方法は?
3~5月または9~10月頃、株分けや種まきで数を増やすことができます。種まきは、植え付け時にご紹介した手順の通りです。
株分け
株のまわりをやさしく掘り上げ、根についた土を落とし、腐った根や枯れた根を切り落とします。そして、残った根を傷つけないよう4~5個に手で分け、15~20cmの株間をとってそれぞれ植え付けましょう。
チャイブの育て方で注意する病害虫は?
ネギアブラムシ
チャイブを含むネギ類を好む、黒いアブラムシです。繁殖サイクルが早く、放っておくと大量に発生してしまいます。晴れた日に牛乳スプレーをしたり、殺虫剤を散布したりして駆除していきましょう。
チャイブは育て方が簡単なハーブ
アブラムシに好まれるチャイブをあえて他の植物の近くに植え、チャイブをおとりにすることで害虫の被害を抑える方法があります。
トマトやレタスなど、害虫の被害が多い植物にとっては嬉しいコンパニオンプランツなんですよ。また、野菜の生育を促進し、風味をよくする効果もあります。ぜひ、他の植物と一緒にチャイブを育ててみてくださいね。
更新日: 2022年08月24日
初回公開日: 2016年01月29日