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沙羅双樹(シャラの木)の花言葉|花の色や意味は?

沙羅双樹といえば、「祗園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必滅の 理をあらはす」という平家物語の一節を思い出す人も多いのではないでしょうか。ただ、名前は聞いたことがあっても、なかなか見かける機会はないですよね。

今回は、そんな沙羅双樹とはどんな樹木なのか、花言葉や見頃の季節などについてご紹介します。

沙羅双樹(シャラの木)の花言葉は?

沙羅双樹には、花言葉は付けられていません。ときおり、『愛らしい』という花言葉が付けられているとされていますが、これは日本で沙羅双樹と混同される「夏椿(ナツツバキ)」の花言葉となっています。

沙羅双樹(シャラの木)とは?仏教ではどんな意味を持つ?

沙羅双樹は、インドの高地に自生するフタバガキ科・コディアエウム属の落葉性高木です。樹高は30mほどに生長し、幹は硬く、建材として利用されます。枝には楕円形をした幅広の葉っぱをたくさん茂らせます。

仏教では、釈迦が生まれたところにあった「無憂樹(ムユウジュ)」、釈迦が悟りを開いたところにあった「印度菩提樹(インドボダイジュ)」と並んで三大聖木の1つに数えられます。釈迦が亡くなったときに、2本の沙羅双樹が近くに植えられたことにちなんで名付けられたとされています。

沙羅双樹(シャラの木)や花の色や開花時期は?

学名
Shorea robusta
科・属名
フタバガキ科・コディアエウム属(ショレア属)
英名
Sal Tree
原産地
インド
開花期
5~7月
花の色
白、クリーム
別名
沙羅双樹(サラソウジュ・シャラソウジュ)
沙羅の木(シャラノキ)

沙羅双樹(シャラの木)の花の見頃の季節は?

5~7月には、枝の先端に白やクリーム色の小さな花を咲かせます。寒さに弱いことから、日本では植物園などの温室でしか見ることができません。開花するのはとてもめずらしいことで、ジャスミンのような香りがするとされています。

沙羅双樹(シャラの木)とは夏椿のこと?

沙羅双樹とは、夏椿のことではありません。沙羅双樹は、寒さに弱く、日本で育てることはできないのです。

では、平家物語の一節に読まれている沙羅双樹とは何の木のことなのでしょう。実は、沙羅双樹の代用として、日本では「夏椿」が植えられていました。どうして夏椿が代用とされたかという理由には、1日しか花を咲かせない性質に人生の儚さが感じられるからや、葉っぱが沙羅双樹と似ているからなど、諸説あります。

一方、タイやミャンマー、スリランカといった小乗仏教を信仰する国では、沙羅双樹は「ホウガンノキ」であるとされています。ホウガンノキとは、サガリバナ科・ホウガンノキ属に分類される常緑高木で、丸い砲丸のような実を付けることから名付けられました。どうしてホウガンノキが沙羅双樹とされているか、詳しいことはわかっていません。

沙羅双樹(シャラの木)の花を日本で見られる場所は?

沙羅双樹 シャラノキ

草津市立 水性植物公園みずの森

住所 滋賀県草津市下物町1091番地Map

日本で唯一、開花する沙羅双樹を見られるスポットが「水生植物公園 みずの森」です。例年、4月中旬から下旬にかけて見頃を迎えますよ。仏教三大聖樹を全て園内で観賞できるほか、日本最大級の蓮の群生地でもあります。

沙羅双樹(シャラの木)の花は日本ではめずらしい

日本では、ただ1箇所でしか開花株を見ることのできない沙羅双樹。夏椿をイメージしていると、その花の小ささにびっくりするかもしれません。

ただ、とても香りがよく、バラやオレンジ、ぶどうなどにも含まれる香り成分を含有しているとされていますよ。釈迦が、安らかに最後を迎えられたのは、この花の香りが合ったからなのだとか。ぜひ、ご自身でその香りを確かめてみてください。

更新日: 2021年02月24日

初回公開日: 2016年02月08日

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