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エビネの育て方|植え替えの時期や方法、肥料は?

地下に生える根茎が海老のようにみえることから名づけられたエビネ。日本に自生するラン(蘭)の仲間で、古くから観賞用の植物として親しまれてきました。現在では、品種改良によってさまざまな園芸品種が生み出され、ヨーロッパではカラフルなガーデンオーキッドとして注目を高めていますよ。今回は、そんなエビネの育て方について、栽培のポイントや植え替えの方法などをご紹介します。

エビネの栽培のポイントは?

エビネ 海老根

エビネは、一年を通じて風通しのよい半日陰で育てるのがポイントです。直射日光は葉焼けの原因となり、枯れてしまうことがあります。ただし、日があまりに当たらないと花付きが悪くなるので、ときどき日光が差し込むような明るい日陰が理想的です。また、蒸れや暑さが苦手なので、真夏は風通しのよい涼しい環境を心がけましょう。

エビネ(海老根)の苗植えの時期と方法は?

エビネの植え付けは、花後の5月中旬か、9月中旬~10月上旬、または開花前の3月頃が適しています。

鉢植え

5~7号の深鉢に1株を目安に植え付けます。水はけのよい環境にするため、市販のエビネの培養土や東洋蘭の培養土を使うか、日向土4:赤玉土4:腐葉土2を混ぜた土にバークチップやヤシ殻を入れたものを自作して、育てていきましょう。

1. 鉢に1/4ほどの鉢底石を敷く
2. 土を鉢の1/3ほど入れる
3. 根に付いた土をもみほぐして落とす
4. 根を水に浸して土をきれいに洗い落とす
5. 黒ずみ、傷んだ根を切り落とす
6. 新芽を中心にし、株元の膨らみ(バルブ)が半分ほど地表にみえるように浅植えにする

地植え

風通しがよく、明るい日陰を選んで植え付けていきます。木洩れ日が差すような常緑樹の下などであれば、生育が安定しますよ。庭土に腐葉土をよく混ぜ、根鉢を崩さないようにしてそのまま浅植えにしてください。

エビネ(海老根)の水やり、肥料の時期と方法は?

水やり

エビネは乾燥に弱く、水をたくさん必要とする植物です。鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。ただ、いつも土が湿っていると根腐れを起こしてしまいます。また、冬は休眠しているので、水やりの回数は控えめにすると安心です。

地植えは、生育期間中に雨が1週間以上なく、暑く乾燥していれば水やりをしてください。

肥料の与え方

夏場は暑さで生育がにぶるので、与える必要はありません。ただ、それ以外の季節は、1~2回ゆっくりと効く緩効性化成肥料を株元にばらまいていきます。生育の状況に合わせて5~6月と9~10月の間、追加で液体肥料を7~10日に1回与えてもかまいません。

エビネ(海老根)の剪定の時期と方法は?

エビネの花は、下から上へと咲き進んでいきます。全ての花を咲かせてしまうと株が消耗するので、花が半分以上終わったら、株の根元をしっかり押さえつつ茎を握り、ねじるように回しながら上へ引っ張ってとりましょう。

この作業によって、生長が抑制されていた新芽の活動が活発になり、新しい葉っぱや根が生えてきます。これ以外に、黄色く変色してしまった葉っぱは順次切り落としてください。

エビネ(海老根)の植え替えの時期と方法は?

エビネは、根が伸びて鉢がいっぱいになると、新芽の伸びるスペースがなくなるのでそれ以上の生育ができなくなります。1~2年を目安に、植え付けと同じ要領で新しい土に植え替えを行いましょう。5~6月に行うのが最適です。

エビネ(海老根)の増やし方!株分けやバックバルブ吹きの時期と方法は?

エビネ 海老根

株分け

株分けは、植え替えと同時に行うのが適しています。新芽1つにつき、古いバルブが2~3個付くよう根茎を切り分けていきます。元気な根まで切り落とさないように注意し、切り口に殺菌剤などを付けて腐らないようにしたら、植え付けと同じ手順で植えて育てていきます。

バックバルブ吹き

葉っぱの付いていないバルブを2~3個ずつに切り分けます。切り口に殺菌剤を付け、湿らせた水ゴケに半分ほど埋めておきましょう。すると、3~6ヶ月で新芽が開き、小苗へと生長していきます。

エビネ(海老根)の栽培で注意する病気や害虫は?

ウイルス病

最も恐ろしく、発生する確率が高いのがウイルス性の病気です。新芽や葉っぱに濃淡のあるまだら模様が出るほか、株の生育が弱って花が咲かなくなります。治療することはできないので、発病した場合は被害の拡大を防ぐため、株と用土を処分し、周辺の株も隔離する必要があります。

アブラムシなどの害虫が媒介となることが多いので、風通しのよい環境を作り、害虫はそれぞれ見つけ次第こまめに駆除していきましょう。

エビネ(海老根)の育て方のコツは風通しのよい環境を作ること

エビネ 海老根

エビネは、同じ品種であっても個体差があり、2つとして同じ見た目をしていません。また、品種改良によってパステルカラーなどかわいらしい花色も多く出回っています。

オモト鉢で和風な雰囲気や、洋風の鉢でカラフルに彩るなど、さまざまなエビネの姿を楽しんでください。風通しのよい環境を作り、乾燥しないよう水やりをすれば、それほど栽培はむずかしくありませんよ。

更新日: 2022年06月08日

初回公開日: 2016年03月29日

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