ハイゴケは、公園や空き地など私たちの身近な場所で見かけることのできる苔の1種です。華やかさにはかけますが、扱いやすいことから、日本庭園など和の雰囲気を庭などで作り出したいときに活躍してくれます。生長が早いことから、苔玉の材料にもよく利用されていますよ。今回は、そんなハイゴケとはどんな植物なのかや、育て方、増やし方などをご紹介します。
ハイゴケ(這苔)の学名・原産国・英語
- 学名
- Hypnum plumaeforme Wilson
- 科・属名
- ハイゴケ科・ハイゴケ属
- 英名
- springy turf-moss
- 原産地
- シベリア、東アジア、東南アジア、ハワイなど
- 別名
- カバーモス
ハイゴケ(這苔)とは?
ハイゴケとは、ハイゴケ科・ハイゴケ属に分類されるシダ植物です。北半球の広い範囲に分布し、日本でも日常的に目にします。地面を這うように生長することから、名付けられました。
黄緑や茶色っぽい色合いをしていることが特徴で、湿度さえあればどんな環境でも育つ丈夫な性質から、日本庭園から苔玉、盆栽、テラリウムなど幅広い用途で利用されます。
ハイゴケ(這苔)の育て方のポイントは?
直射日光の当たらない半日陰で、湿度を保って育てることがポイントです。乾燥には強いですが、あまりにも乾いてしまうと生育が鈍ってしまいます。
ハイゴケ(這苔)の植え付け時期と方法は?
年中植え付けできますが、3~6月や9~11月といった穏やかな気候の頃が植えるには最適です。「はり苔法」か「まき苔法」が適しています。
はり苔法
はり苔法とは、マット状になっている苔を庭や培養土にそのまま植え付ける方法です。地面を平らにならしたら、マットごと土の上に敷いていきます。土と苔が密着するよう、目土を入れ、たっぷりと水やりをします。
まき苔法
ハイゴケを細かくほぐし、種をまくようにして植え付けていきます。浅い鉢や育苗箱に水はけのよい土を入れ、重なり合わないようにハイゴケを散りばめてください。たっぷりと水やりをした後は、キッチンペーパーなどを表面に被せて、乾燥しないように注意します。
ハイゴケ(這苔)の土作り、水やり、肥料の与え方
土作り
水はけと水もちのバランスがよい土を好みます。ただ、土がなくても育つくらい丈夫なので、土の性質に対して神経質になる必要はありません。赤球土か鹿沼土(細粒)3:川砂2:黒土2:ピートモス2:バーミキュライト1の割合で混ぜた土がおすすめです。
水やり
乾燥には強いですが、乾燥しすぎると弱ってしまいます。土が乾いていたらたっぷりと水やりをしていくほか、毎日霧吹きで水をやるときれいに育ちます。
肥料の与え方
肥料を与える必要はありません。かえって肥料を与えると弱って枯れてしまいます。
ハイゴケの手入れの方法は?
除草
密に茂るまでは、苔の間から雑草が生えてきます。植え付けて3ヶ月くらいたつまでは、生えてきた雑草をこまめに摘みとってください。ハイゴケは地面から剥がれやすいので、雑草は真上に引き抜くとよいですよ。
目土
目土とは、苔同士や地面とのすき間を覆う土のことで、植え付けたときやその後定期的に苔の間にまいていきます。土の乾燥を防ぐ、地面のでこぼこを直す、日光の量を調節するといった役割があります。植え付け直後と、年に1回施すと生育がよくなります。土の配合は、植え付け時のものと同じでかまいません。
剪定
ハイゴケは横に広がって生長することから、茂って蒸れやすくなってしまいます。あまりに蒸れると枯れて美観が損なわれるので、気づいたときにハサミで切ってすき間を空け、風通しをよくしていきます。また、数年に1回、草丈が5cmくらいになるよう切りそろえてもよいですよ。強い刈り込みは、3~6月か9~11日に行ってください。
ハイゴケの増やし方は?
ハイゴケは、まき苔法で簡単に増やすことができます。手順や時期は、植え付け時に紹介した通りです。まき苔法は、小型~中型の苔に向く増やし方なので、一度覚えておくと他の苔の栽培でも活用できますよ。
ハイゴケは苔玉にも使える便利な苔
苔というと、ジメジメとした場所に生えているイメージがありますよね。ハイゴケは、乾燥に強く、日光を好むことから、ガーデニングに気軽に取り入れて楽しめます。特に、最近人気の苔玉に使われる機会が多いですよ。苔玉を育てるポイントは、苔や苔玉に植えている植物がもともと生活していた環境に近づけてあげること。毎日霧吹きで水を吹きかけてあげるだけで、きれいな姿を保つことができますよ。
更新日: 2022年01月05日
初回公開日: 2016年06月21日