アメリカの南側からメキシコに生息しているトルコキキョウ。かわいらしさと上品さを兼ね備えていることから、ブーケや切り花によく用いられていますよね。今回は、そんなトルコキキョウの育て方について、種まきや植え付け、水やりや肥料、かかりやすい病気などをまとめました。
トルコキキョウの育て方!種まきの時期と方法は?
トルコキキョウは、苗と種から育てることができます。春から夏前の期間に育て始めると、夏の間にきれいな花を咲かせてくれますよ。鉢植えや地植えでも育てられるので、好みの環境で育ててみてくださいね。
種まき
トルコキキョウは種からの生育が難しい植物とされています。それは、種や発芽した芽が一般的な植物よりも小さく、鉢や花壇へ移植するタイミングがわかりづらいためです。
発芽温度が20度くらいなので、温暖地は9~10月、寒冷地では3~4月の暖かく感じる時期に種まきをして育てます。新芽や幼苗は、ピンセットなどで丁寧に扱うようにしましょう。1鉢1苗で植え付けると元気に育てってくれますよ。
種を育てる用土はピートバンがおすすめです。ピートバンは、ピートモスを圧縮して乾燥させ板状にしたもので、加熱処理されている清潔な土なので、種まきに向いています。水を含ませておくと、3~4倍に膨れ上がるので、たっぷりと水を含ませましょう。
1. ピートバンやピートモスなどを箱に入れて苗床を準備する
2. 種を重ならないように苗床へばらまき、流れないように静かに水をかける
※このときに覆土はしない
3. 風通しのよい日陰で、乾燥しないように管理する
※土が乾燥してきたら、霧吹きで水を吹きかける
4. 種まきから1~2週間ほどで発芽し、込み合っているところをピンセットで間引きする
5. 芽が蒸れないように、徐々に日光にあてる時間を増やしていく
6. 本葉が3~4枚ほどになったら、ビニールポットか2号鉢へ鉢あげする
※土を十分湿らせ、ピンセットで根を優しく掘りあげて幼苗を移植する
7. 赤玉土(小粒)6:腐葉土4の混合土に幼苗を植え付ける
8. 周りに用土をしっかり詰めて土が乾かないように管理し、冬場は凍らないよう室内に入れる
トルコキキョウの育て方!苗植えの時期と方法は?
苗の植え付け
3~5月を目安に苗を植え付けます。地植えもしくは、鉢植え(4号以上)に種まきで育てた苗か購入した苗を植え付けましょう。鉢植えの場合、鉢の底からネット、鉢底石、用土の順に入れておきます。
用土は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3に緩効性肥料の元肥を混ぜたものを用意しましょう。小鉢から苗を抜いて根土ごと鉢の中央に置き、苗を押さえながら周りに用土を入れて安定させます。
地植えの場合は、日当たりがよく水はけのいい場所を選び、鉢植え同様の用土を用意しておきます。水はけが気になる場合は、腐葉土を多めに混ぜ込むようにするといいですよ。株間を15センチほど空けて、根を傷つけないように苗を植え付けていきましょう。
そして、いずれの場合も最後は静かにたっぷりと水やりをしてください。このときに、葉に水がかからないように注意してください。
トルコキキョウの育て方!土作り・水やり・肥料の方法や時期は?
トルコキキョウは、弱酸性(pH6.5前後)の土質を好みます。鉢植え・地植えにかかわらず、水はけと水もちのよい用土を準備します。赤玉土(小粒)7:腐葉土3や草花用の培養土を利用するのがおすすめです。地植えの土のアルカリ性がもともと強い場合は、パーライトやピートモス、鹿沼土を多めに混ぜ、酸性が強い場合は消石灰や苦土石灰を少量混ぜるようにしてください。
水やりは、過湿を嫌うので土の表面が乾いてから行います。花や芽に水がかかると傷んでしまうので、根元からゆっくりと水やりをするのがポイントです。
肥料は、1~6月の間は緩効性肥料を2ヶ月に1回ほど与え、開花期の7~9月は与えません。10~12月は1,000倍ほどに薄めたハイポネックスなどの液体肥料を、月に1、2回程度与えるようにします。
トルコキキョウは剪定する?摘芯などの手入れをしよう
トルコキキョウは一年草なので、毎年種や苗を植えて育てます。そのため、剪定は必要ありません。ただし、花を元気に咲かせるために苗が5~6節まで育ったら先端を摘芯しましょう。5~6月が適期で、摘芯によってわき芽が増えて花をたくさん咲きますよ。
トルコキキョウの育て方で注意する病害虫は?
トルコキキョウは、立ち枯れ病や灰色カビ病に気をつけましょう。いずれの病気も過湿や風通しの悪さが原因なので、育てる場所の環境や水のあげ過ぎに注意が必要です。
立ち枯れ病に関しては、発病後の対処法はないので、見つけたらすぐに感染している部分を取り除きましょう。灰色カビ病は、早めに殺菌剤をまき、開花後の花がらや枯れ葉をこまめに取り除いて対処してください。
トルコキキョウの育て方のポイントは?
トルコキキョウは、暖かく乾燥した気候を好む一年草です。そのため、水のあげ過ぎや風通しの悪い環境での多湿に注意して育てることで、きれいな花を咲かせてくれます。梅雨の時期は、軒下など雨の当たらない場所で管理してあげましょう。
また、日当たりを好み、暑さには強い方ですが、真夏日は風通しのよい日陰で管理する方が安心です。
まずは苗からトルコキキョウの花を育ててみよう
トルコキキョウはその花の美しさから、きれいに咲いたときに感激してしまう方が多くいます。ただ、種から育てるにはとても難しいので、ガーデニングに慣れていない方はまずは苗から育ててみるようにしましょう。
葉が枯れておらず、茎などの色つやがよい苗を選んで、元気なトルコキキョウの花を咲かせてくださいね。
更新日: 2022年09月07日
初回公開日: 2015年07月06日