肉巻きやサラダ、パスタの具材として食卓を彩るアスパラガス。食材としてだけでなく、薬としても利用され、紀元前の古代ギリシアではすでに栽培されていました。日本へは江戸時代に渡ってきましたが、食材として利用されはじめたのは明治時代に入ってからで、最初は観賞用の植物だったんですよ。今回は、花言葉や旬の時期、ゆで方や食べ方などアスパラガスとはどんな植物なのかについてご紹介します。
アスパラガスの花言葉とは?
『何も変わらない』『無変化』『普遍』『我が勝利』『私が勝つ』『耐える恋』『敵を除く』
アスパラガスは常緑で、いつも緑色をしていることにちなんで、「何も変わらない」「無変化」「普遍」という花言葉が付けられました。「我が勝利」「私が勝つ」という力強い花言葉は、地上部にトゲがあることに由来します。
アスパラガスの学名・原産国・英語
- 学名
- Asparagus officinalis
- 科・属名
- ユリ科・アスパラガス属
- 英名
- Asparagus
- 原産地
- 地中海沿岸
- 開花期
- 5~7月
- 収穫期
- 4~6月
- 別名
- オランダキジカクシ
マツバウド
オランダウド
アスパラガスとは?どんな花を咲かせる?
アスパラガスは、ユリ科・アスパラガス属に分類される多年草です。地中海東部を原産とし、古代ギリシアの時代から栽培されてきました。語源は、ギリシア語で強調を意味する強制語「a」と、引き裂く意味の「sparasso」が合わさっており、新芽という意味を指しています。日本には江戸時代に観賞用として入ってきましたが、明治時代に食用として栽培がはじまり、昭和に入って食卓でも馴染みのある野菜となりました。
花や葉の特徴は?
草丈は80~200cmほどに生長します。葉っぱは退化しており、糸状の「葉状枝」という偽葉が節に1枚ずつ交互に付いています。開花期になると、細長い花枝の先にクリーム色や黄緑色の釣鐘型をした1cmに満たない小さな花を咲かせます。また、雄株と雌株があり、雌株には7~8mmの秋に赤く熟す実を付け、中には黒い種が4個ほど入っています。
日頃食べられているのは、発芽した直後の若い芽の部分なんですよ。栽培期間が長く、種まきから収穫まで2~3年ほどかかります。ただ、一度植え付けてしまえば、10年くらいは同じ株で収穫を楽しめます。
アスパラガスの栄養と効果・効能は?
アスパラガスに含まれるアスパラギンというアミノ酸は、疲労回復の効果が期待できるとされ、近年注目を集めています。多くの栄養ドリンクにも利用されているので、目にしたことのある人もいるかもしれませんね。また、アスパラギン酸は、うま味成分でもあるため、さまざまな食品にも含まれています。
アスパラガスの種類や品種は?
グリーンアスパラガス
年間を通して多く流通するアスパラガスの種類です。ただ単にアスパラガスというと、本種を指します。芽が出た後、日光に当てて育てることで緑葉素がたくさん作られて色が付いています。やや青臭さはありますが甘みがあり、加熱することで苦みが少なくなるので、パスタや和えものなど和洋問わず色々なレシピに利用されます。
ホワイトアスパラガス
ヨーロッパなどでは、通常アスパラガスといえばホワイトアスパラガスを指します。グリーンアスパラガスと同じ植物ですが、芽が出る春先に、土を盛って株へ日が当たらないよう育て、軟白栽培したものとなっています。やわらかな食感とほのかな甘みをもち、青臭さはありません。缶詰などに加工されることが多く、グリーンアスパラガスよりも栄養面では劣ります。
パープルアスパラガス(紫アスパラガス)
表皮にアントシアニン系の色素を多く含むアスパラガスです。南ヨーロッパでは一般的に流通しており、日本では北海道や長野県で作られていますが、生産量がとても少ないため見かける機会は少なくなっています。収穫のタイミングを逃してしまうとグリーンになってしまうことから、収穫量と収穫時期が限られる貴重なアスパラガスです。グリーンアスパラガスと比べるとやややわらかで、甘みが強くなります。
ミニアスパラガス
長さ10cmほどの小さなアスパラガスで、主にタイやフィリピンなどから輸入されています。グリーンアスパラガスを小さなうちに早取りしたものなので、栄養成分の違いはさほどありません。基本的に、通常のアスパラガスと同じ料理に使えるので、家庭菜園でも人気が出てきています。
アスパラガスの食べ方!下処理のゆで方の方法は?
下処理
アスパラガスは、根本の皮が硬く、下処理をしないとスジっぽくなって食べづらくなっています。ゆでたり、炒めたりする前に一手間かけることで、アスパラガスのおいしさを堪能できますよ。
まず、根本の硬い部分とやわらかい部分の間あたりを手でポキッと折り取ります。そして、残った硬い部分の皮をピーラーや包丁でそぎ落としていきます。
ゆで方
アスパラガスのシンプルな食べ方は塩ゆでです。フライパンと少量のお湯でさっとゆがいて、自然な甘さを味わえますよ。フライパンにアスパラガスが浸かるくらいの水を張り、多めの塩を入れてゆでていきましょう。水1Lに対して、小さじ2杯ほどの塩が適量です。ゆで時間は1分30秒~2分を目安に、指で押して少しへこむくらいになったら、キッチンペーパーやザルに上げて水気をきりましょう。
食べ方
アスパラガスはゆでる以外にも、焼いて食べることもできます。フライパンに油を敷いて、ゆっくり焦げ目が付くまで焼きあげると、凝縮された甘みとコリコリの歯ごたえを楽しめますよ。また、ゆでたものは、ハムと一緒にあえたサラダや、オリーブオイルベースのパスタの具材、お味噌汁の具材など、幅広い料理にアレンジできます。
アスパラガスは栄養豊富な万能野菜
アスパラガスには、疲労回復や美肌効果、免疫力低下を防ぐアスパラギン酸のほかにも、貧血予防によい葉酸、抗酸化作用や美肌効果によいビタミン群、血管の若返りが期待できるルチン、便秘解消によい食物繊維をはじめに、パントテン酸、ナイアシン、ミネラルなどさまざまな健康によい栄養素が含まれています。健康と美容を食生活に取り入れたい人には、ぜひおすすめしたい野菜です。栽培期間が長いので、じっくり家庭菜園を楽しみたい人にもおすすめです。
更新日: 2016年06月05日
初回公開日: 2016年06月05日