てっぺんがポコッと膨らんでいる姿をしたデコポン。ミカンのように薄皮ごと食べられるジューシーな果実が魅力です。1本でも授粉して実を付けるので、家庭用の果樹として栽培して楽しめますよ。今回は、そんなデコポンとはどんな植物なのか、果実の旬の時期や育て方などをご紹介します。
デコポン(不知火)の花言葉は?
『あなたは純潔』
デコポンの花言葉の由来ははっきりとはしていません。ただ、ミカンの花言葉が「花嫁の喜び」「清純」となっており、これに由来していると考えられます。
デコポン(不知火)の学名・原産国・英語
- 学名
- Citrus reticulata ‘Shiranui’
- 科・属名
- ミカン科・ミカン属
- 英名
- Siranuhi
- 原産地
- 日本
- 収穫期
- 1~2月
- 別名
- 不知火(シラヌイ)
フジポン
ヒメポン
キヨポン
ポンダリン
デコポン(不知火)とは?どんな果樹?
デコポンとは、ミカン科・ミカン属に分類される常緑樹です。ミカンの品種の「清見タンゴール」と「中野3号(ポンカン)」を交配して作られました。正式名称は「不知火(シラヌイ)」で、デコポンとは熊本県果実農業共同組合連合会が持つし登録商標です。ただ、現在は全国で出荷される不知火のほとんどはデコポンという名前で出荷してよいとされ、商品名の方が一般化しました。ほかにも、地域ごとに色々な別名を持っています。
てっぺんがポコッと盛り上がっている姿が特徴です。樹高は、2.5~3mほどに生長し、ツヤのある濃い緑色の葉っぱを1年中茂らせます。
デコポン(不知火)の栄養や効果・効能は?
デコポンの主な栄養素はカリウム、ビタミンC、クエン酸、シネフィリン、カロテン、ペクチンです。中でもカロテンに含まれるβクリプトキサンチン(橙色の色素)は、ガン予防への効果が期待できます。これは、喫煙や飲酒、肥満などによって減少した体内のβ-クリプトキサンチンを補うことで、体内の活性酸素に対抗できるからだと考えられているからです。さらに、骨粗しょう症の予防、免疫力の向上、美肌といった女性にうれしい効能があります。
デコポン(不知火)の育て方のポイントは?
日当たりのよい場所に植え付け、摘果をすることが毎年おいしい実を収穫するコツです。最低気温が3度以上、平均気温が16度前後の地域が栽培に適しているので、関東より西の地域が地植えには適しています。
デコポン(不知火)の苗植えの時期と方法は?
3~4月が苗木の植え付けの適期ですが、6月頃までは植え付けることができます。
鉢植え
- 7~8号鉢の底に鉢底石を敷く
- 鉢の1/3~1/2くらいまで果樹用培養土を入れる
- 根に付いた土をほぐし、鉢の中心に置く
- 株の周りに土を入れて安定させる
- 高さ50~60cmのところで幹を切り戻す
- たっぷりと水やりをして日当たりのよい場所で管理する
地植え
- 日当たりのよい場所を選んで、苗よりも1回り大きな植え穴を掘る
- 半分くらいの土に堆肥や鶏糞、ヨウリンを混ぜて穴に戻す
- 掘りあげた土を少量埋め戻した土の上に被せる
- 苗の根に付いた土をほぐして穴の中心に置く
- 土を全て埋め戻してしっかり踏み固める
- 高さ50~60cmのところで幹を切り戻す
- たっぷりと水やりをする
デコポン(不知火)の水やり、肥料の与え方
水やり
鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。地植えは、植え付け時と夏の乾燥しているとき以外水やりは不要です。
肥料
3月に油かすなどの有機質肥料、8月と10~11月に速効性の化成肥料を毎年施します。
デコポン(不知火)の剪定の時期と方法は?
植え付けから3年の間は、剪定不要です。その後は、毎年3月に混み合っている枝や伸びすぎた枝、内側に伸びている枝などを間引いて幹に日が当たるようにします。
デコポン(不知火)の摘果の時期と方法は?
デコポンは、植え付けから4~5年くらいで実を付けるようになります。ただ、全ての実を大きくしてしまうと、株が消耗して翌年実を付けなくなってしまいます。そのため、7~8月頃に実が付きはじめたら、葉っぱ80枚に対して果実1個の割合で残し、上向きや傷のある実小さい実は全て取り除いていきます。枝には小さなトゲが生えているので、軍手をして作業にあたるとよいですよ。
デコポン(不知火)の収穫の時期と方法は?
1月下旬~2月上旬がデコポンの収穫の適期です。実のポコッとしたところの上を、ハサミで切り取っていきます。収穫した果実はすぐに食べず、3~4月まで貯蔵すると糖度が高まっておいしくなります。
デコポン(不知火)の栽培で注意する病気や害虫は?
アゲハチョウの幼虫が付くことがあります。早めに駆除しないと、葉が全部みんな食べられて丸坊主になってしまうので、見つけたらすぐに木から取り除いていきます。
デコポン(不知火)の栽培方法は意外と簡単
果樹は育てるのがむずかしいと思われがちです。特にデコポンなど見慣れない果実ならなおさら。ただ、実際に育ててみると、案外手間がかからず、簡単に大きくなってくれます。なにより、果樹を育て醍醐味は、甘くておいしい実を収穫できることです。常緑性で、冬の庭も彩ってくれるので、ぜひ庭の仲間にくわえてみてください。
更新日: 2016年06月23日
初回公開日: 2016年06月23日