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人参(ニンジン)とは?花や葉の特徴、種類は?

人参は、ビタミンやカロテンといった栄養素をたっぷりと含んだ根菜です。キッチンに常備されていて使い勝手もよいですが、特有の風味が苦手という人も多くいます。ただ、近年は品種改良が進み、甘さや食べやすさを追求した品種がたくさん登場しているんですよ。今回は、花や葉っぱの特徴、種類など、人参とはどんな野菜なのかを詳しくご紹介します。

人参(にんじん)の花言葉

『幼い夢』

人参といえば、カレーやクリームシチューなど、子供が喜ぶレシピには欠かせない食材です。花言葉の「幼い夢」は、そうした幼少期の幸せな記憶を呼び覚ますことに由来すると考えられています。茎の先に集まって咲く小花の可憐な雰囲気も、胸いっぱいに夢を見た幼い頃を思い出させますね。

人参(にんじん)の学名・原産国・英語

学名
Daucus carota subsp. sativus
科・属名
セリ科・ニンジン属
英名
Carrot
原産地
アフガニスタン
開花期
4~6月
収穫期
5~6月/10~2月
別名

人参(にんじん)とは?どんな野菜?

人参 ニンジン

人参は、アフガニスタン原産のセリ科の緑黄色野菜です。国内で栽培されているものは、ヨーロッパから入ってきた「西洋系」と、中国で改良された「東洋系」の2種類に分類されます。西洋系は現在の日本で主流の人参で、北海道が総生産量の8割以上を占めています。

地中に伸びるオレンジ色の根が野菜として食べられます。長い円錐形や円筒形をしており、ほかにも黄色、白、紅紫色、黒紫色などがあります。葉っぱは鮮やかな緑色で、羽状に細かく切れ込みが入ります。さわやかな風味で栄養価も高いことから、関西では「にんじん菜」「葉にんじん」と呼ばれ、夏の葉物野菜として親しまれているんですよ。そして、高温で日が長くなるとトウ立ちして花茎を伸ばし、レースフラワーに似た白い花を咲かせます。

人参(にんじん)の栄養、効果・効能は?

人参はβ-カロテンの宝庫といわれ、緑黄色野菜の中でもトップクラスの含有量を誇ります。β-カロテンはカロテノイドの一種で、強力な抗酸化作用をもつ成分です。摂取すると体内でビタミンAに変わり、活性酸素を取り除き、皮膚や粘膜、目の健康維持を助けます。そのため、加齢による生活習慣病や風邪・インフルエンザの予防、アンチエイジング、視力回復など、さまざまな効果が期待できます。また、血液の流れを改善するクマリンや、余分な塩分を体外へ排出するカリウムも含まれるので、乾燥肌、貧血、冷え症、便秘、むくみの改善にも役立ちます。

人参(にんじん)の種類や品種は?

ニンジン にんじん 人参

五寸人参

国内で一般的に流通している西洋系の短根種です。直径4~5cm 、長さ15~20cmほどで、先端が丸くつまっているのが特徴。鮮やかなオレンジ色はβカロテンによるもので、長さによって「三寸人参」「四寸人参」とも呼ばれます。煮崩れしにくく、煮込み料理や炒めもの、生食まで幅広く利用できます。

金時人参(京人参)

江戸時代初期に中国から伝わった中根種です。日本に現存する数少ない東洋系の品種で、ブランド京野菜に指定されています。長さ30cm前後で細長く、リコピンによって鮮やかな紅色をしています。煮るとやわらかくなり甘みも強いため、筑前煮などの煮物や正月料理の彩りに使われます。

ミニキャロット

直径1~1.5cm、長さ10cmほどの一口サイズの人参。「ベビーキャロット」や「ピッコロ」などの品種があり、種まき後70~80日で収穫できることから家庭菜園でも人気となっています。甘みが強く皮が薄いので、サラダや料理の付け合せ、ピクルスなどにぴったりです。

紫人参(パープルスティック)

ポリフェノールの一種アントシアニンが豊富に含まれていることで、外側が紫色、中心部が黄色やオレンジ色をした品種です。ゆでたり酢に浸したりすると色素が抜けるため、生のまま野菜スティックやサラダに使うのがおすすめです。

リコピン人参

トマトの約2倍のリコピンが含まれるリコピン人参。色は五寸人参と金時人参の中間くらいのオレンジ色で、「京くれない」「こいくれない」などの品種があります。五寸人参より甘く、金時人参よりさっぱりした味わいをしています。

熊本長人参

熊本県の伝統野菜「肥後野菜」に指定されている東洋系の長根種。直径1.5〜2.5cm、長いもので1mを超えるごぼうのような見た目で、独特の青臭さが少なく、甘みが強くなっています。細長く切り口が丸いことから、長寿や物事が丸く収まることを願う縁起物として、正月料理に利用されます。

黄人参

その名の通り皮も中身も黄色の人参です。沖縄産の「島人参」、中国系の人参と交配した「金美人参」、芯が黄白色の「ゴールデンラビット」などがあります。クセがなく、甘みがとても強いので野菜ジュースに向いています。

国分大長人参

フランス原産の「仏国大長人参」から育成された長さ60~70cmの西洋系長人参。肉質がやわらかく、甘みが強いものの、栽培に手間がかかるため生産量は年々減少しています。

彩誉(あやほまれ)

「常識を超えた人参」として、2006年あたりから注目を集めている早生種です。長さ15~20cmほどをした鮮やかな濃紅色で、色つやがとてもよく、尻までしっかりと実がつまっています。流通量は少ないですが、100%ジュースは一度飲んだら忘れられないおいしさだといわれています。

人参(ニンジン)体によい栄養がつまった野菜

ニンジン にんじん 人参

人参の魅力は、なんといってもカロテンの含有量です。1/2本食べるだけで、成人1日分の必要量が摂れてしまいます。「カロテン」という成分名も、人参の英名「carrot」が由来となっているくらいなんですよ。カロテンは皮の近くに多いので、なるべく皮を剥かずに、まるごと食べるようにすると効率よく摂取できますね。

更新日: 2016年06月22日

初回公開日: 2016年06月22日

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