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葛(クズ)の花言葉|花の咲く時期や見頃の季節は?

秋の七草の1つとして、日本人に古くから親しまれている葛。くずきりの材料として知っている人も多いのではないでしょうか?日本全国から中国、アジア全域の広い範囲に分布し、その繁殖力の強さから、一部の国では有害植物として扱われています。今回は、そんな葛とはどんな花なのかや、花言葉についてご紹介します。

葛(クズ)の花言葉は?

『芯の強さ』『恋の溜息』『活力』『治癒』『根気』『努力』『思慮深い』

葛は、根茎で増殖するため、つるの部分を刈りとってもすぐに再生します。荒れた厳しい地でも育つことや、薬として使われることから、『芯の強さ』『活力』『治癒』『根気』といった力強い花言葉が付けられたとされています。

葛(クズ)の学名・原産国・英語

学名
Pueraria lobata
科・属名
マメ科・クズ属
英名
kudzu
原産地
日本、中国、朝鮮半島
開花期
8~9月
花の色
紅紫色
別名
裏見草

葛(クズ)とはどんな花?

クズ 葛 (7)

葛は、マメ科・クズ属に分類されるつる性植物です。秋の七草の1つとして万葉集にも歌が詠まれ、古くから観賞用の植物として日本人に親しまれてきました。また、漢方薬の葛根湯や、くずきりや葛餅など和菓子の材料としても利用されています。

周りの木々をつるでおおってしまうほどの生命力を持ち、一夏に10mぐらい生長することもあります。地下には長さが1.5m、直径は20cmほどの塊根があります。3つの小さな葉っぱが合わさって1つの葉になっており、つるに互い違いになって生えています。

裏に細かい白い毛が生えていることが特徴です。夏から秋にかけて、紅紫色の花が穂のように咲き、その後結実してエダマメのような実を付けます。この実は、かつて牛馬の飼料として利用されていたんですよ。

葛(クズ)の種類や品種は?

ときおり変異種が見られます。花の白いものは「シロバナクズ」、淡いピンク色の花を咲かせるものは「トキイロクズ」と呼ばれていますよ。また、沖縄には同属のタイワンクズが分布しています。

葛(クズ)は何に使われる?

葛は、日本では古くから食料や漢方薬として使われてきました。大きく肥大した根に含まれるデンプンから葛粉が作られ、和菓子や料理のとろみ付けに利用されます。

また、根を乾燥させたものは、「葛根(かっこん)」という生薬になります。風邪のひきはじめに飲む「葛根湯」の原料で、発汗や鎮痛、解熱作用が期待できます。また、中国では古くから、「葛の花は酒を消す」と伝えられ、二日酔いの予防などに利用されてきたんですよ。日本でも元禄時代に、水戸光圀が二日酔いへの効果を知ったと伝えられているそうです。

葛は古くから利用されてきたつる植物

クズ 葛

葛のつるは、長いことから切り取った後、乾燥して固くなる前に編んで籠が作られていたそうです。また、葛布というつるを煮てから発酵させ、とりだした繊維を編んだ布は、平安時代から作られ、衣服や壁紙など幅広く使われました。さらには万葉集などの歌に秋の七草として詠まれ、落語や家紋といった文化的な題材としても広く取り入れられています。

欧米では、繁殖力が強すぎて侵略的外来種に指定されていますが、日本人にとってはなくては身近な存在の植物となっていますよ。何気なく口にしている植物ですが、歴史を知ると、あらためて感心してしまうことも多くありますね。

更新日: 2022年07月27日

初回公開日: 2016年02月27日

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