エアプランツは空気中の水分を吸って育つ、土のいらない不思議な植物です。育てる手間がかからないことや、100円ショップなど身近なところで手に入ることから、インテリアプランツとして近年人気が高まっています。今回はエアプランツの育て方について、失敗しない水やりの方法や枯れる原因と対策、増やし方などをご紹介します。
エアプランツの育て方は簡単?土がいらないの?
エアプランツとは、パイナップル科・チランジア属に分類される植物の総称です。
常緑の多年草で、山中や砂漠にある岩や木にくっついて生長していきます。土に根を張らずに育つことができるのは、葉っぱが空気中の水分を吸収するからです。
ただ、だからといって水やりが不要なわけではありません。頻度は少ないですが、ちゃんと水やりをしてあげてくださいね。
植える手間がなく、オシャレなインテリアアイテムとして色々な場所に飾って楽しめますよ。
エアプランツの育て方 5ステップ
5ステップ
- 3~10月は2~3日に1回ミスティング(霧吹き)をする
- 3~10月は1ヶ月に1回ソーキング(水に6時間ほど浸す)をする
- 元気がないようなら、ミスティングをする水に肥料を混ぜて与える
- 11~2月はソーキングを控える
- 大きくなったら3~10月に株分けをする
準備するもの
- エアプランツを飾る容器
- 吊り下げ用、容器に株をくくりつける用のワイヤーや針金
- 霧吹き
- バケツやボウルなど水がためられるもの
エアプランツの育て方!どんな容器で育てる?
エアプランツは土に根を生やすわけではなく、空気中の水分を取り込んで生長します。そのため、土に植える必要はありません。むしろ土に植えてしまうと、蒸れて枯れやすくなってしまう植物です。
エアプランツは周年出回っているので、室内であればいつでも育てはじめられます。
ただ、夏の暑さは苦手なので、気温が15度以上になる春か秋にはじめると失敗が少なくすみますよ。以下に、メジャーな育て方の例をご紹介します。
ヒンメリやガラス容器を使って吊るす
ストローや木の棒、アイアンで作ったヒンメリや、ガラスの容器にエアプランツを入れます。インテリアになるので、天井から吊るすとオシャレに見えますよ。
ガラスの容器を使うときは、グリーンモスと呼ばれるプリザーブド処理がされた苔を一緒に飾って、和風でナチュラルな雰囲気をプラスするのもおすすめです。
ヘゴ板や流木に固定する
エアプランツは木や岩にへばりついて生長する着生植物です。そのため、くっつけるところを用意してあげると、根を生やして生長も促されます。
- ヘゴ板、水苔、アルミの針金を準備する
- 水苔を水に浸して湿らせる
- 水苔をよく絞って余分な水分を抜く
- エアプランツの根を水苔で包む
- 葉っぱの間に針金を通しながら、水苔とヘゴ板を縛り付けていく
- エアプランツが落ちないように安定したら完成
カラーストーンを入れた容器に置く
適度に水を吸収していれば元気に育つので、ただ容器に入れるだけでもエアプランツを栽培できます。
オシャレなインテリアにするなら、軽石やカラーサンド、カラーストーンなどをうまく活用しながら飾っていきましょう。お気に入りのお皿の上に載せるだけでもかわいいですよ。
エアプランツの水やり!「ミスティング」や「ソーキング」の方法は?
エアプランツは、日中は水分の蒸発を防ぐために気孔を閉じて活動をやめています。一方、夜になると気孔を開いて空気中の水分を取り込んでいきます。
週に1〜2回のミスティングとは?
ミスティングとは、霧吹きで葉全体に水を吹きかける水やりの方法です。週に1~2回を基本に、気孔の開いている夜間に行ってください。
乾燥する季節は回数を少し増やし、湿度が高い梅雨や活動が鈍る冬の時期は回数を減らしてもかまいません。
月に1回のソーキングとは?
洗面台やバケツなどに水を張り、エアプランツをまるごと浸す水やりの方法です。1ヶ月に1回ほど4~6時間浸してあげましょう。
室温とほぼ同じ水温にするのが理想なので、冬は水温を調節してあげてください。また、梅雨の時期は室内の湿度が十分あるので、おこなわないようにしましょう。
また、エアプランツを長く水に浸しすぎると、弱ってしまいます。ソーキングの後は、逆さに吊るして乾燥させると、株の中心に水がたまらず、腐らせる心配が減りますよ。
エアプランツが枯れる原因と対策は?
水が足りずに枯れる
エアプランツは水をほとんど必要としない手間いらずの観葉植物です。雑貨のような感覚で購入することが多いですが、生きていることを忘れないようにしましょう。
変化がわかりづらいですが、水やりをサボっていると枯れてしまいます。
気づいたときにはミイラのようにシワシワ…ということのないように、ミスティングとソーキングで必要な分の水は与えてあげてくださいね。
また、乾燥しやすいエアコンの空気の当たる場所には置かないようにしましょう。
水が多すぎて根腐れを起こし、枯れる
エアプランツは、そのフォルムのかわいらしさから多くの方に愛されています。
ただ、その愛情が強すぎて、毎日水やりをしていませんか?水が足りないのもよくありませんが、水が多すぎてもエアプランツは枯れてしまいます。
気温が上がりやすい夏は、1日で根腐れをすることも珍しくありません。蒸れないよう風通しのよい場所で管理しながら、ミスティングは1週間に1回、ソーキングと1ヶ月に1回くらいにとどめてくださいね。
エアプランツを元気に育てる肥料の与え方は?
肥料がなくてもエアプランツは育っていきます。
ただ、元気がないときは生育期である春と秋の夜に、液体肥料を2,000~3,000倍に薄めたものを与えてください。ミスティングやソーキングをする水に肥料を混ぜるとよいですよ。
エアプランツの育て方で注意する病気や害虫は?
エアプランツは病害虫の心配がない丈夫な観葉植物です。ただ、まれにカイガラムシが発生するときがあるので、見つけたときはピンセットやブラシなどで取り除きましょう。
放っておくと、エアプランツの汁が吸われて枯れてしまうだけでなく、すす病などウィルス病を誘発する恐れがあります。
エアプランツの増やし方!株分けの時期と方法は?
エアプランツは、株分けと種まきで数を増やします。
ただ、4~5年もの長い時間をかけて育てないと花を咲かせないことから種はめったに手に入りません。はじめての方は、まず株分けで数を増やすのが簡単なのでおすすめです。
株が大きく生長し、花が咲いた後にできる子株を手で分けていきます。株分けした後の親株は、花が咲いて1~2年後に枯れてしまうので、取り除いてください。
あとは、通常の株と同じように育てます。
エアプランツの育て方のポイントは2つ
風通しのよい明るい日陰で育てる
エアプランツは、風通しのよい明るい日陰が育つのに適した環境です。日光をこまめに当てれば生長が促されますが、強い日差しは枯れる原因になってしまうので注意してください。
また、極端な気温の変化が苦手なので、一年を通して同じ環境の室内で育てていきましょう。
定期的に水やりをする
毎日水やりをする必要はありませんが、定期的に水分補給をしないとエアプランツは干からびてしまいます。乾燥しても見た目の変化があまりなくつい忘れがちになってしまうので、気をつけてくださいね。
育て方が簡単なエアプランツをたくさん飾ろう
エアプランツは水をほとんど必要としない、育て方の簡単な観葉植物です。土に植えることもなく、アイデア次第でオリジナリティのある飾り方を楽しむことができますよ。
大切に育てていると鮮やかで花を咲かせることがありますよ。100均でも販売されているので、たくさん飾って楽しんでみてくださいね。
更新日: 2022年12月07日
初回公開日: 2015年08月24日