ところによってはまだまだ寒い日が続く2月ですが、今回は2月に咲く花をご紹介します。庭木では梅やロウバイなどが見ごろを迎えます。また花壇の植え替えなどの準備を始める方もいらっしゃるでしょう。また花壇にもスイセンや菜の花などの花が咲き始め、少しずつ花色が加わる時期です。この時期に合わせて咲くように球根などを植え付けておくといいかもしれません。
2月に咲く花といえば?特徴は?
2月になると少しずつ日が長くなり、立春を過ぎると春らしい暖かな日差しを感じます。2月に時期の花の特徴は4月~5月頃に実を結ぶ庭木や野菜の花などが咲き始めます。
花壇の花では宿根草のほか、寒性球根と呼ばれるアネモネや山野草類などを前年の秋ぐらいから植え付けておくと、ちょうど2月頃に花が咲きます。
2月に咲く花10選
ロウバイ
【原産地】
中国
【科名】
ロウバイ科ロウバイ属
【開花時期】
12月~2月
【品種】
ソシンロウバイ、マンゲツロウバイ、トウロウバイなど
【花の特徴】
新春になると芳香な香りをさせる花を咲かせます。樹高が2~3mほどの落葉低木樹で庭木のほか、生け花や茶花として用いられてきました。
現在一般的に出回っている品種は「ソシンロウバイ」と呼ばれるもので花びらが黄色のものです。漢字では「蝋梅」と書きますが梅の仲間ではありません。中国では、「ツバキ」、「ウメ」、「スイセン」とともに「雪中の四花(四友)」として数えられています。
マンサク
【原産地】
アメリカ
【科名】
マンサク科 マンサク属
【開花時期】
2月~3月
【品種】
アカバナマンサク、トキワマンサク、オオバマンサクなど
【花の特徴】
早春に他の草花に先駆けて咲く「まず咲く」「真っ先」という言葉が変化して、「マンサク」と呼ばれるようになったそうです。黄色や濃紅色のチラチラとリボンがねじれたような印象の花を咲かせます。11月頃には紅葉も楽しめ、いずれの品種も耐寒性が強く栽培しやすい植物です。
菜の花
【原産地】
地中海沿岸
【科名】
アブラナ科アブラナ属
【開花時期】
2月~5月
【品種】
セイヨウカラシナ、セイヨウアブラナ
【花の特徴】
鮮やかな黄色い花が畑を覆う光景に春の訪れを感じます。菜の花とは「セイヨウカラシナ」「セイヨウアブラナ」などをすべて総称したものを指します。
種がはじけると広がりやすいので、河川敷や畔などに野生化して咲いているのをよく見かけますが、スーパーの野菜売り場などで売られているものとは種類が異なります。花や茎を食べる菜の花はあくまでも「食用」として品種改良されたものです。
デンドロビウム
【原産地】
タイ北部、インド北東部、中国南部など
【科名】
ラン科セッコク属
【開花時期】
2月~5月
【品種】
オリエンタルスマイルファンタジー、イエローソングレモンケーキ、デンドロビウム・ノビル
【花の特徴】
オレンジやピンクなど鮮やかな花色が特徴で開花時は芳香な香りが漂います。ラン科の中では寒さに強く育てやすい品種ですので、デンドロビウムの株そのものが凍らない限り枯死したりはしません。
通常の開花期は春ですが、園芸店では冬に満開になるよう株の生育を人工的に調整して販売されてています。
スイセン
【原産地】
地中海沿岸
【科名】
ユリ科 スイセン属
【開花時期】
3月~4月、早いものは11月下旬~
【品種】
二ホンスイセン、ピンクチャーム、ディセンバーレモンなど
【花の特徴】
原産地はスペインやポルトガルなど地中海沿岸、冬から春にかけて咲くラッパ型の花です。花色の少ない冬に花を咲かせるのが魅力で、球根性で1度球根を植え付けたら毎年美しい花を咲かせてくれます。
ヨーロッパでのスイセンの歴史は古く、紀元前800年にはホメロスの詩に読まれていたようです。鮮やかな黄色のスイセンは青系統のムスカリやパンジーと寄せ植えするととても色が映えます。
ユキワリソウ
【原産地】
東アジア
【科名】
キンポウゲ科
【開花時期】
2月下旬~4月
【品種】
ミスミソウ、スハマソウなど
【花の特徴】
普段は地面にロゼット状になっていますが、2月下旬~雪解けとともにかわいい可憐な花が咲き出します。花のバリエーションも豊富で人気のある山野草です。ユキワリソウは、花色や形の変異も豊かです。
白、赤、紫と花色だけでなく、おしべやめしべが花弁化したような千重咲きや、一部のみが花弁化した二段咲きや三段咲きなど、一見して同じ花とは思えないぐらいの変化が見られます。これらは人工的に作られたものではなく、自然界に昔から存在していたものだといわれています。
アネモネ
【原産地】
ヨーロッパ南部から地中海沿岸
【科名】
キンポウゲ科 イチリンソウ属
【開花時期】
2月~5月
【品種】
セントブリッジ、アンアリス、ポルトなど
【花の特徴】
一茎に一花6~10枚の大きな花びらをもつ大輪の花を咲かせます。品種には一重咲きや八重咲、矮性(わいせい)といって茎が長く伸びずに鉢植えや花壇の寄せ植えに用いやすいタイプもあります。ポピーと雰囲気が少し似ていますが、クリスマスローズやラナンキュラスなどと同じキンポウゲ科で、球根性の植物です。
プリムラ
【原産地】
ヨーロッパ
【科名】
サクラソウ科 サクラソウ属
【開花時期】
12月頃~4月頃
【品種】
ジュリアン、ポリアンサ、マラコイデスなど
【花の特徴】
個性的な色合いの種類が多く早春の花壇を華やかにしてくれます。耐寒性があり日本では「ジュリアン」や「マイコイデス」などが人気の品種です。ビビットカラーなイメージがありますが、ふんわりとしたパステル調の色合いの花色も出回っています。
フクジュソウ
【原産地】
北海道~本州
【科名】
キンポウゲ科 フクジュソウ属
【開花時期】
2月~4月
【品種】
キタミフクジュソウ、ミチノクフクジュソウ、福寿海(フクジュカイ)など
【花の特徴】
北海道から本州に見られる春の野草です。「福を招く」というおめでたい名前がついているいることから、お正月の鉢植えの花としても人気があります。
根茎が短く、やや太い根を持ちます。早春につぼみを持ち上げ花を咲かせますが、春過ぎには葉が自然と枯れて秋まで休眠します。歴史が古く、古典園芸品種も多く見られることから近年はマニアの収集欲をさらに高めています。
スノードロップ(マツユキソウ)
【原産地】
東ヨーロッパ
【科名】
ヒガンバナ科
【開花時期】
2月~3月
【品種】
ニヴァリス、エルウェシーなど
【花の特徴】
春を告げる花としてよく知られ、人気の高い球根植物です。
寒さの中でうつむき加減に咲く白い花姿が可憐でかわいらしいのが特徴です。スノードロップという名前は、17世紀のヨーロッパ女性の間で付けられていた耳飾りに由来しているそうです。
日本には明治時代ごろに入ってきており、和名では「マツユキソウ」というのですがこの呼び方は今はあまり使われていません。スノードロップの有名な園芸品種の中には秋咲きの亜種も含まれています。
冬を彩る、2月に咲く花を楽しもう!
2月はまだまだ寒い時期ですが、他の植物に先駆けて花を咲かせ私たちに春の訪れを告げてくれます。花壇にはプリムラやスイセンなど鮮やかな色の花も少しずつ加わりますので、寄せ植えなどがお好きな方はぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?
スイセンやスノードロップなど球根性の植物は地上部が枯れてしまっても植えたままにしておくとまた翌年の冬にも花を咲かせてくれます。
更新日: 2021年06月03日
初回公開日: 2020年05月29日