秋から冬へと移り変わる11月。それまですくすく育っていた植物たちの生長が、気温の低下とともにゆっくりになってくる頃です。秋や冬の時期は、寒い冬を越えようと植物たちが花を散らし、葉っぱを落とすようになり、ちょっとお庭が寂しくなりがち。
今回は、そんな11月でも元気に花を咲かせ、冬でも枯れずに花や葉っぱをつけ続ける花や庭木について、花言葉や特徴などを交えて10種ご紹介します。
11月に咲く花や庭木の特徴は?
11月に咲く花は、11月以前から咲いている種類がほとんどです。中には、11月から咲きはじめる花の種類もいくつかあり、その多くは低木または秋冬咲きといって寒い時期だけ開花する植物たちです。
また、秋冬に花を咲かせる植物に「一年草」は少なめです。気温の低い時期に花を咲かせるということは、寒さに耐えて行き無垢力が必要になるので、多年草や低木など生命力の強さが必要になるのかもしれません。
11月に咲く花や庭木を枯らさないコツは?
水やりの調整と剪定の時期を間違えない
11月に咲く花や庭木を枯らさないコツは、水やりの頻度を減らすことと、剪定の時期を間違えないことです。気温が下がると、土の自然乾燥が遅くなり、植物の吸水量も落ちていきます。
結果、土の乾燥に時間がかかって水やりの頻度が下がるので、土の表面が乾燥しても土の中は十分に乾燥していない可能性があります。水やりの前に、指で軽く掘るか割り箸などで土の中まで乾燥しているか確認しましょう。
また、11月は休眠期に剪定をして翌春に新しい枝を生やす植物、そもそも剪定が苦手な植物、11月以降につぼみを生長させて翌春に花を咲かせるため枝を切ってはいけない植物などがあるので、剪定のするタイミングは注意が必要です。
11月に咲く花や庭木10選!花言葉や育て方は?
1. コスモス(秋桜)
■ 花言葉:『乙女の真心』『調和』『愛情』
コスモスは、6〜11月に花を咲かせる一年草です。キクの仲間でもあるコスモスは、夏から初冬までの長い間、白や赤、ピンクや黄色など鮮やかな花びらを付けます。
コスモスは生命力が強くどんどん生長するので、花壇の足元や空いている広いスペースに植えて、コスモスゾーンを作ってみてはいかがでしょうか。
2. パンジー/ビオラ
■ 花言葉:『もの思い』『私を思って』
秋冬の花壇に欠かせない花といえば、必ず出てくるのがパンジーやビオラです。パンジーとビオラは、花びらの大きさくらいでしか見分けがつかなほど姿がよく似ています。育て方もほとんど同じなので、よく同じ植物として扱われます。
パンジーやビオラの特徴は、どの花にも負けないくらい花色が豊富なことや丈夫で育てやすい点です。庭や花壇だけではなく、鉢植えで育てても楽しいお花なので、ガーデニング初心者の方は、まずパンジーやビオラの栽培にチャレンジしてみてくださいね。
3. バラ(薔薇)
■ 花言葉:『愛』『美』
「愛」や「美」といった告白にふさわしい花言葉をもっているため、プロポーズと結びつきの強い花の印象があるバラ。実は5〜11月頃までの長い間、花を咲かせる植物なんです。
1年で枯れる種類や枯れずから毎年花を咲かせる種類までタイプは様々です。一方で、病害虫の被害にあいやすい植物でもあるので、ガーデニングの仲間に入れるときは、土作りや病害虫の対策など枯らさないポイントを事前に抑えておきましょう。
4. ベゴニア
■ 花言葉:『親切』『片想い』『愛の告白』『幸せな日々』
ベゴニアは、シュウカイドウ科・シュウカイドウ属(別名ベゴニア属)の植物全体の呼び名です。ベゴニアは種類が多く、さまざまな種類が1年を通して時期をずらしながら花を咲かせます。
ベゴニアは、毎年花を咲かせる多年草、木のようにしっかりとした幹をもつ木立性、根っこが肥大した球根系など性質が多様です。また、赤やピンク、白、オレンジなど花色も豊富なので、花壇やプランター、鉢植えなど色んな育て方が選べます。
その他に観葉植物として育てられる品種もあるので、1つの花を深く楽しみたい方にベゴニアはおすすめです。
5. ゼラニウム
■ 花言葉:『真の友情』『尊敬』『信頼』
ゼラニウムは、アジサイにもよく似た花を咲かせる植物です。3〜11月と真冬以外の時期を除いて1年中花を咲かせているため、長期間花を鑑賞したい方に向いています。
花びら1枚は小さいのですが、密集して咲くため遠目からはボンボンのような花姿をしています。赤やピンク白やオレンジなど鮮やかな花色に加え、ほぼ1年中花を咲かせていることからガーデニングや花壇作りに重宝しますよ。
6. シクラメン
■ 花言葉:『内気』『はにかみ』『清純』『きずな』『愛情』
シクラメンは、11月から春先の4月頃まで花を咲かせる多年草です。色の濃い葉っぱの間から細長い茎をまっすぐ空に向かって伸ばし、白やピンク、赤などはっきりした花びらを4〜5枚ほど茎先につけます。
本来は四方に茎を伸ばして花を咲かせるのですが、流通しているシクラメンは、意図的に茎がまっすぐ空に向かって伸びるように育てられています。そのため、同じような姿に自宅で育てるときは、コツやポイントをお花屋さんであらかじめ聞いておきましょう。
管理場所が狭い方には、一周り小さなガーデニンシクラメン(ミニシクラメン)がおすすめです。
7. ケイトウ(鶏頭)
■ 花言葉:『おしゃれ』『気取り屋』『風変り』『個性』『色あせぬ恋』
ケイトウは、にわとりの頭のようなトサカ状の花を咲かせる植物です。この花姿が「鶏の頭」に見えることから名付けられました。
ケイトウは7〜11月頃まで花を咲かせる秋・冬咲きの一年草で、赤やオレンジなど暖色系の花色を多くもっています。冬は開花する花が少なくなることや、花色が寂しくなりがちなので、冬の鮮やかな庭造りには欠かせない存在です。
8. 十月桜(四季桜/冬桜)
■ 花言葉:『冷静』
十月桜とは、名前の通り10月から花を咲かせる桜です。冬に開花する桜をまとめて「冬桜」と呼ぶのですが、十月桜は冬桜の1つになります。
正確には、豆桜と小彼岸桜(コヒガンザクラ)の交配によって生まれた雑種といわれ、10〜11月の早い段階に1回、春に1回の計2回開花することから四季桜とも呼ばれます。秋冬の時期に咲く、珍しいサクラを育ててみたい方におすすめです。
9. カンツバキ(寒椿)
■ 花言葉:『控えめの優しさ』『誇り』
カンツバキは、11〜2月の寒い時期にだけ花を咲かせる植物です。カンツバキには大きく2つあり、中国産の「ツバキ」、サザンカとの交配雑種で生まれた「ツバキ群」の2種をまとめてカンツバキと呼びます。
特徴としては、サザンカとツバキの両方の性質を受け継いでおり、ツバキが3〜5月に花を咲かせるのに対し、カンツバキは秋冬に開花期を迎え、八重咲きなど豪華な花姿をしています。
11月など寒い時期に花を咲かせる庭木を探している方におすすめです。
10. サザンカ(山茶花)
■ 花言葉:『困難に打ち克つ』『ひたむきさ』『理想の恋』
サザンカは、10〜2月頃まで花を咲かせる冬咲きの低木です。ツバキによく似た花を咲かせることからよく見間違えられることがあります。
中国でツバキ科を意味する「サザン(山茶)」が語源となって名付けられ、開花期にはピンクや赤、白色の花びらを咲かせます。
ツバキと違って、花が咲くとよい香りがただよい、花びらがまるごと落ちるツバキに比べてサザンカはバラバラと花が散ります。
和洋のどちらの雰囲気にも合わせられるので、「控えめすぎず目立ちすぎない」庭木を探している方におすすめです。
11月に咲く花や庭木で冬の室内や庭を彩ろう
ガーデニングを楽しむ方にとっては、花が散って寂しくなりがちな11月。しかし、世間では紅葉シーズン真っ只中です。もし、花でなくてもよいのであれば秋に紅葉する庭木を植えてみても季節を感じられてよいかもしれませんね。
更新日: 2021年06月02日
初回公開日: 2016年11月15日