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冬桜(フユザクラ)とは?花言葉や名所、種類や見頃の時期は?

冬桜は、冬に咲く桜のことです。桜といえば、3~4月の入学式や卒業式、花見などのイベントに合わせて咲く植物というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。今回は、そんなイメージとは異なる冬桜について、花言葉や名所、種類や見頃の時期をご紹介します。

フユザクラ(冬桜)の花言葉は?

冬桜 フユザクラ

『冷静』

冬の寒く澄み切った空に、凛とした姿で咲くことが由来となりました。

フユザクラ(冬桜)の学名・原産国・英語

学名
Cerasus × parvifolia
Prunus × parvifolia
科・属名
バラ科・サクラ属
英名
原産地
日本 ※品種によっては台湾、中国
開花期
10~1月
花の色
白、薄ピンク
別名
小葉桜(コバザクラ)
四季桜(シキザクラ)
十月桜(ジュウガツザクラ)
寒緋桜(カンヒザクラ)
緋寒桜(ヒカンザクラ)
寒桜(カンザクラ)
緋桜(ヒザクラ)

フユザクラ(冬桜)とは?どんな花を咲かせる?

冬桜 フユザクラ

冬桜とは、山桜(ヤマザクラ)と豆桜(マメザクラ)が交配して生まれた雑種のことを指します。ただ、最近では名前の通り、冬(10月~1月頃)に咲く桜の総称としても使われるようになりました。

花は中輪サイズで、白から淡いピンク色の小さな花びらを咲かせます。葉っぱが小さいことから、小葉桜(コバザクラ)、10月~12月と4月の2回開花期があることから、四季桜(シキザクラ)と呼ばれることもあります。

フユザクラ(冬桜)の開花時期や見頃の季節は?

冬桜 フユザクラ

開花期が2回あり、1回目は、10~1月頃です。桜の中では早咲き品種で、10月頃から開花し始め、11~12月にピークを迎えます。2回目の開花期は3~4月頃で、この頃には葉っぱをつけているのが特徴です。

冬に咲く他の桜

十月桜や四季桜は、冬桜と同じで10~12月頃、暖地の緋寒桜や寒桜などは、1~2月頃に開花期を迎えます。

フユザクラ(冬桜)の種類は?

広い意味での冬桜は1種類だけでなく、複数の早咲きの種類や品種も含むので、今回はその中の代表品種をいくつかご紹介します。

冬桜(小葉桜/コバザクラ)

冬桜 フユザクラ

本来、冬桜というと本種のことを指します。大島桜(オオシマザクラ)と豆桜の交配によって生まれた雑種と考えられていて、10月~1月、4月の2回開花期を迎えることから、四季桜と呼ばれることがあります。

四季桜(シキザクラ)

シキザクラ サクラ

彼岸桜(ヒガンザクラ)の園芸品種の1つで、豆桜と江戸彼岸(エドヒガン)の交配によって生まれた雑種といわれています。10月末頃と、4月上旬の2回開花期があることから四季桜と、10月に咲くことから、十月桜と呼ばれることがあります。

一重咲きで、白色または淡いピンク色の花びらを咲かせます。冬よりも春に咲く花びらの方が大きくなる特徴があります。

十月桜(ジュウガツザクラ)

ジュウガツザクラ サクラ

豆桜と小彼岸桜(コヒガンザクラ)の交配によって生まれた雑種といわれています。10~12月と、4月頃の2回、開花期があり、開花期が近いことから、よく四季桜のことを十月桜、十月桜を四季桜と呼ぶことがあります。

ただ、正確には別種で、十月桜の方が花色が濃いピンク色で、八重咲きになります。

子福桜(コブクザクラ)

1つの花から複数個の果実をつけることが名前の由来です。小彼岸桜と、中国原産の支那実桜(シナミザクラ)が交配して生まれました。

10月中旬~12月下旬と4月上旬に咲く二季咲きの桜で、花は小~中輪サイズで、白色の八重咲きの花を咲かせます。花が散るときに芯が赤く変化したり、釣鐘状の花の中におしべが約7個あるのが特徴です。

寒緋桜(カンヒザクラ/緋寒桜/元日桜/台湾桜)

カンヒザクラ ヒカンザクラ タイワンザクラ ヒザクラ

台湾、中国南部から東南アジア、沖縄などに自生している早咲きの原種です。沖縄では1月頃、本州では3月頃に開花期を迎えます。小輪で一重咲きの花びらは、下向きで濃い紅紫色をしています。

正式には、ヒカンザクラ(緋寒桜)ですが、ヒガンザクラ(彼岸桜)と読み違えることが多いため、最近では寒緋桜と呼ばれることが多くなってきました。

フユザクラ(冬桜)の名所は?

1. 城峯公園(埼玉県児玉郡神川町矢納1277)

冬桜の名所と呼ばれる場所です。10月末頃から冬桜のライトアップが行われ、紅葉と冬桜を同時に楽しむことができますよ。

2. 桜山公園(群馬県藤岡市三波川2166-1)

約7,000本の冬桜が植樹されており、11月から行われるライトアップされた姿は圧巻です。日露戦争後、村民が桜を1,000本植えたのが始まりといわれています。

当時は冬桜の存在があまり知られておらず、冬に桜が咲いたことで評判になって徐々に植える数が増えていったそうです。

フユザクラ(冬桜)の育て方は?

植え付け

10~1月頃、種まきか、苗植えでの栽培が可能です。ただ、種からでは時間がかかるため、苗を植え付けのが一般的です。

日当たりと風通しのよい場所で、水はけと水もちのバランスのとれた土に植え付けます。植え替えを嫌うので、植え替えが不要な広い場所はおすすめです。

土作り、水やり、肥料

鉢植えは、赤玉土(小粒)4~5:腐葉土2~3:黒土か川砂3~4を配合した土がおすすめです。地植えは、植え付け2週間前に腐葉土を混ぜ込んで寝かせておきましょう。

庭植えにしたら、特に乾燥した日が続かない限りは水やりは不要です。鉢植えは、表土が乾いたらたっぷりとあげてください。開花する前に、寒肥として油かすと腐葉土、堆肥を、株の周りに何か所か穴を掘って施します。

フユザクラ(冬桜)の剪定と増やし方!時期と方法は?

冬桜は、開花前に太い枝を付け根から切り取ります。切り口はきれいに切り落とし、トップジンMなどの癒合剤やつぎロウ、石灰硫黄合剤を塗っておきましょう。冬桜だけではなく、桜は基本的に剪定を嫌うので、不要な剪定は極力避けます。

剪定した枝を使って、接ぎ木や挿し木で数を増やすことができます。接ぎ木は1月中旬~2月上旬、挿し木は2~3月頃に行いましょう。

フユザクラ(冬桜)の栽培では毛虫や病気に注意!

モンクロシャチホコ(桜毛虫)やコスカシバの幼虫に注意してください。落葉期の2月頃に発生しやすく、葉っぱを食べて樹形を乱します。見つけたら、石灰硫黄合剤を散布して退治しましょう。5~9月まで害虫駆除の消毒を定期的に散布するようにするとよいですよ。

フユザクラ(冬桜)は冬と春に楽しむ植物

冬桜 フユザクラ

桜というと、日本の春を代表する花ですが、寒い冬に咲く冬桜にも凛とした美しさや儚さがあります。寒くなってきたこの時期に、一足早く、桜を楽しむのはいかがでしょうか。春の桜とは、また違った趣がありますよ。

更新日: 2022年02月09日

初回公開日: 2015年11月07日

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