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葉焼けとは?観葉植物が葉やけしたらどうする?

お家の中で観葉植物を育てている方も多いと思いますが、外に出した途端に葉が茶色くなったり白く色が抜けてしまったりして枯れてしまった方も多いのではないでしょうか。こうした現象を「葉焼け」といいますが、葉焼けには大きく分けて日当たりと温度という2つの原因があります。今回は葉焼けの原因とその対策法についてまとめてみました。

葉焼けとは?

パキラ

「葉焼け」とは、園芸用語で植物の葉の色が通常時とは異なり変色した部分ができる現象のことを指します。簡単にいうと、直射日光が当たりすぎることによって葉が変色してしまうことです。この現象は観葉植物だけに限らず、野菜や花など他の植物にも見られます。

よくある症状としては、緑色をしていた葉の色が白っぽく抜けてしまったり、葉の周辺が褐色化して部分的に枯死してしまったりします。

また葉焼けは何日も日光に晒している間に徐々に葉が変色していくイメージがあるかもしれませんが、実は植物によっては短時間で起こる場合もあります。

観葉植物の葉焼けの原因と対策 観葉植物が葉焼けしてしまう原因には日当たりや水分不足などいくつか原因がありますが、その他にもよくある原因と対策法についてみていきましょう。

日当たり

観葉植物 日当たり

まず、葉焼けと聞いて一般的に思い浮かぶのが日当たりです。葉焼けで一番多い原因が日当たりによる原因です。観葉植物は種類や品種によって間接的な光や弱い光に適応するものが多くあります。

【原因】
よくある原因としては
1.弱い光を好む植物を真夏の屋外など強い光が当たる場所に出した
2.屋外で育てている植物ではあったが、曇りの日のあとに晴天の日が続き、急に直射日光を浴びてしまった場合など…

がよく挙げられます。

原因1で葉焼けが起こる仕組みとしては、植物は強い光のもとにおかれると光合成に利用される光エネルギー以外の光エネルギーが余ることとなり、そのエネルギーにより活性酸素を発生させます。

活性酸素は細胞にとって悪い影響を及ぼすもので、植物にとっては、葉緑素を分解したり、細胞内の遺伝子に変化を起こしたりと、細胞を破壊させるような働きがあります。

このような働きにより、葉が部分的に変色したり、壊死してしまう「葉焼け」が起こるのです。

また原因2も起こりうる現象としては1とあまり変わらず、やはり急に強い日差しを浴びてしまったことによる原因です。特に夏場の直射日光や西日は弱い光を好む植物にとってこのようなことが起こるのは好ましくありません。

【対策】
普段から室内で育てている植物を急に強烈な直射日光が当たるような場所に置いてはいけません。もし日光不足であると感じたら、窓際→面積の大きな屋根のある軒下→屋根のある庭やベランダや木陰…などというふうに、徐々に日光の当たる場所に慣らしていくことが大事です。

1日や2日置いたところではすぐに順応しませんので、できれば1週間~2週間ぐらいのスパンでゆっくりと環境に馴染ませるようにしましょう。

葉の温度

モンステラ

観葉植物に限らず、生物の細胞は高い温度に弱く、耐えられる限界の温度というものがあります。この限界の温度を超えるような高温に晒されたときに「葉焼け」が起こるといわれています。

細胞が弱ったり、ひどい時にはそのまま細胞が死んでしまったりすることがあります。もとは暑い熱帯地方の野生で育ってきた植物ですが、なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

【原因】
外気温の自然な上昇に関係なく、急に温度が高い場所に出したため

実は地球上の大半の場所では最低気温と最高気温があり、通常熱帯地方でも、夜から早朝にかけての低めの気温から、正午にかけて徐々に高温になっていくような環境になっています。

このように徐々に温度が上がっていくことで、植物自体も高温耐性が得られ、日中は高温になるような場所でも葉やけを起こすことなく生育していくことができるのです。

【対策】
徐々に日当たりの良い場所に慣らしていくのと同じように、外気温も徐々に高い場所へ(もしくは低い場所へ)順応させられるようにしましょう。

また葉の温度に少し関連することとして、「夏の強い日差しのもとで、植物の葉に水をかけると葉焼けすることがある」とあります。どの植物にも言えることですが、園芸では一般的に夏場や昼間の強い日差しのもとで植物の葉に水をかけることはやってはいけないとされています。

人間も暑い真夏の日に冷たい水の中に入ると、冷たくて体が縮こまることがあるように、外気温が高くても冷水をかけることで、細胞や光合成活動が急激に低下します。

そのため、急に光合成活性が低下することで、余った光エネルギーで活性酸素を発生させ葉を傷めてしまうことがあるのです。

水分不足

葉水

熱帯雨林で育つ植物は湿り気のある場所で育ったものが多く、何もしなくても夜露や霧などで葉が常に湿っているような環境で育ってきました。

その代わりに室内で育てる場合は霧吹きなどを使って葉水をかけますが、葉水をまめに行わず葉が乾燥しすぎてしまうと、葉焼けしやすくなることがあります。葉水を行うときは、必ず早朝か夕方など涼しく太陽の光が直接当たらないような時間帯を見つけて行いましょう。

観葉植物を葉焼けさせないポイント

観葉植物を葉焼けさせないポイントをまとめてみますと、

・急に直射日光に当てたり、急に高温下もしくは低温下に出したりしない
・葉にほどよく湿り気を持たせる
ということです。

観葉植物も人間と同じです。人間も涼しい部屋の中から急に真夏の暑い炎天下に出ると、歩くスピードが鈍ったり、呼吸が早くなったりするように植物も急な環境の変化に適応するには時間がかかります。

また日本で育てられる観葉植物は、1年中暖かい熱帯地方から四季のある日本の気候になれるまでに時間を要します。特に日本では真冬の気温が10℃を下回る場所が多いので、低温に順応できるものとなかなか難しいものが存在します。

観葉植物を元気に育てよう

観葉植物

いかがでしたか。観葉植物の葉焼けについては、急な環境変化によることが大半であるということがわかりました。

観葉植物は同じ品種であっても、環境にすぐ慣れるものと時間がかかるものと、各々の差もあるので、一概にはいえませんが、私たちの体と同様大切に扱ってあげたいですね。

更新日: 2023年03月29日

初回公開日: 2020年08月03日

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