コアラの食べ物として知られるユーカリ。銀色がかった緑色の葉っぱがアンティークな風合いで、飾るとお部屋のなかがすっきりとした印象になります。また、最近ではドライフラワーで見かけたことがある方も多いはず。今回は、剪定や挿し木、苗を鉢植えにする方法など、ユーカリの育て方をまとめました。
ユーカリとは?どんな観葉植物?
ユーカリは水を吸い上げる力が強く、乾燥した場所で元気に育ちます。砂漠の緑化にも利用されているんですよ。
そのまま飾れる観葉植物として30cmから150cmのサイズのものがよく出回っています。でも、せっかくなら苗を買って自分好みの鉢と合わせて楽しんでみませんか。
ユーカリの育て方のポイントは?
ユーカリの原産地オーストラリアは、気温が5度以下にならない、あたたかく乾燥した地域です。栽培環境も、この自然で育った環境に近づけることが、元気に育つ近道です。
栽培するなら、ベランダやリビングの窓辺など日当たりのよい場所を用意してあげましょう。
ただし、湿度の高い環境や冷たい風、霜は枯れる原因になるので、梅雨の時期や真冬は置き場所を変えます。窓辺より室内の少し内側に置くのがベストですよ。
ユーカリの苗を鉢植えするときに準備するものは?
- ユーカリの苗
- 植木鉢
- ハーブ用か観葉植物用培養土
- 鉢底ネット
- 軽石か鉢底石
- ハサミ
- 新聞紙かビニールシート
ユーカリは年間を通して苗が販売されていますが、特に3〜8月によく出回ります。苗を購入すると同時に必要なグッズを揃え、鉢植えにしていきましょう。
グッズの中で迷うのが、鉢の大きさ。苗が入っているビニール製の鉢よりも1〜2回り大きなものを準備します。5号の苗なら、6〜7号といった具合です。
小さすぎると苗が植えられませんし、大きすぎると苗に対して土の量が多すぎて根が腐りやすくなるので注意してくださいね。
ユーカリの苗を鉢植えにする方法は?
準備が整ったら、いよいよユーカリの苗を鉢へ植えます。はじめてだと失敗しないかと心配になりますが、ユーカリは丈夫な木で多少おおざっぱに扱っても元気に育つので、安心して作業してくださいね。
■ 鉢に植える手順
- 新聞紙かビニールシートを広げて作業スペースを作る
- 鉢の底穴に鉢底ネットを被せる
- 鉢の底に軽石か鉢底石を敷きつめる
- 鉢の1/3~1/2くらいまで土を入れる
- ビニール製の鉢からユーカリの苗を取り出す
- 根についた土を手で揉みながら落とす
- 傷んで黒ずんでいる根があればハサミで切り落とす
- 根を広げながら、ユーカリの苗を鉢の中心に置く
- 鉢の縁から下2〜3cmのところまで土を入れる
- たっぷりと水やりをする
鉢植えにしたユーカリの育て方は?
鉢に植えられたユーカリは、日々お手入れをして育てます。とはいっても大げさなものではなく、必要なぶん水やりをするだけです。他の観葉植物と比べて早く大きくなるので、肥料を与える必要はありません。
ユーカリは、土が完全に乾いてから水やりをします。土の乾き具合は、根が水を吸収するスピードによって変わり、季節に左右されるので、「何日に1回」という決まりはありません。
目安は、土の表面が白っぽく乾いているかどうか。不安な方は土へ割りばしや竹串をさし、ときどき引き抜いて湿っていないようなら水やりのタイミングです。
ユーカリの剪定の時期は?
気づかないうちにとても大きくなってしまうほど生長スピードが早いユーカリの木。自宅で楽しむときは、ちょうどよいサイズになるよう毎年3〜5月か9月に枝を切ります。
この作業を園芸では「剪定(せんてい)」といいます。むずかしそうに感じますが、決まった樹形があるわけではないので、好きな形にして楽しみましょう。
ユーカリの剪定の方法は?
まずは枝先につく芽を切り取る「摘心(てきしん)」をします。これでユーカリが上へ伸びる力が弱まり、コンパクトな木になります。
あとは、内側に伸びる枝や絡まっている枝、伸びすぎている枝をバッサリと付け根から切り落とします。こんなに切って大丈夫?と思うほど大胆に切るのがポイントです。
剪定の後は、水やりや肥料を与えず、過酷な環境で育てる方が小さめに育てられますよ。
ユーカリの育て方で気をつける病害虫は?
ユーカリは病気や害虫の被害をうけづらい観葉植物です。葉っぱがシワシワになって枯れているなら、育ちすぎて根を生やすスペースが土の中にない「根づまり」を起こしている可能性があります。
今植えている鉢から植え替えて対処します。準備するものや手順は、苗を植えるのと同じです。2〜3年に1回、3〜8月に定期的に植え替えをして栽培環境をリセットしましょう。
ユーカリの挿し木の時期と方法は?
キレイな葉っぱがどんなテイストのインテリアともなじむユーカリは、どこに飾っても楽しめる観葉植物です。ただ、苗であってもけっして安くはないので、いくつも買うのはむずかしいもの。
そんなときにおすすめなのが、「挿し木(さしき)」という増やし方です。
聞きなれない言葉ですが、剪定で切った枝を土へ挿すだけと作業は簡単。枯れそうなユーカリを増やす際も応用できるので、興味のある方はチャレンジしてみてください。とはいえユーカリの揷し木は成功率が低いので、予備を何本か揷し木しておくといいかもしれません。
■ 挿し木の手順
- その年に伸びた枝を10~15cm切り取る
- 先端の葉っぱを2〜3枚残し、ほかを全ての葉を切り落とす
- 枝の切り口を数時間以上水につける
- ビニール製の小さな鉢に挿し木用の土を入れ、湿らせる
- 土の中心に割りばしで穴を空ける
- 枝を土に挿す
- 倒れないよう指先で土を軽く押さえる
- 土が乾燥しないように水やりをして管理する
- 2~3ヶ月たち、根と新芽が生えてきたら新しい鉢へ植え替える
ユーカリの育て方を楽しもう
ユーカリは、白っぽい緑色の葉がアンティークな印象を与える観葉植物です。種類によって葉の形は違い、中にはよい香りをさせるものあり、育てている人の気持ちを癒してくれます。
もっとその魅力を楽しむなら、切り取った枝をドライフラワーにしてみてください。美しさがさらに際立ち、花瓶に挿したり、リースにしたりして楽しめますよ。
更新日: 2023年04月18日
初回公開日: 2015年09月13日