豆のなる木として知られる「コーヒーの木」。一年中濃い緑色の葉っぱを生やし、育てやすいので観葉植物としても楽しめます。今回は、そんなコーヒーの木に関して、剪定や植え替えの方法など育て方をご紹介します。
コーヒーの木はどんな観葉植物?育て方は簡単?
コーヒーの木は、アカネ科・コーヒーノキ属に分類される樹木です。コーヒー豆を収穫するため栽培される一方で、光沢のある葉っぱを一年中茂らせることから観葉植物としても人気です。
乾燥に強く、特別なお手入れも必要ないことから、育て方も簡単です。高さ10cmほどの小さなものから150cmほどの大型のものまで幅広いサイズが、鉢に植えられた状態で出回ります。飾る場所に合わせてサイズを選ぶ楽しみがありますよ。
コーヒーの木の育て方に必要なグッズは?
- 鉢に植えられたコーヒーの木
- ジョウロ、霧吹き
- 液体タイプの肥料
- 緩行性化成肥料
- 剪定バサミ
コーヒーの木はサイズにかかわらず鉢に植えられた状態で販売されているので、購入したらすぐに飾って育てられます。まずは注ぎ口の細いジョウロと、液体肥料を購入しておけば十分。あとは、栽培のステップにあわせてその都度買い足しましょう。
コーヒーの木の育て方は?水やりや肥料の与え方は?
コーヒーの木を購入し、置き場所も決まったら日々、手入れをして育てていきます。手入れといっても特別なものではなく、ちょうどよいタイミングで水と肥料を与えるだけです。ここでは、コーヒーの木に水と肥料を与える方法をご紹介します。
水の与え方
コーヒーの木は春〜秋によく生長し、冬になると休眠します。このサイクルに合わせて水を与えましょう。
春〜秋は鉢の土が乾いたら底穴から流れ出るくらい、たっぷりと水やりをします。葉っぱの先端や新しい芽がしおれていたら、水不足のサインなので注意してください。一方、冬は鉢の土が乾いて、さらに数日おいてから水やりをするくらい乾燥気味に管理します。
肥料の与え方
よく成長する4〜10月の間は、水と土の栄養に加えて、肥料を与えて育ちやすくしてあげます。
2ヶ月に1回、固形の緩行性化成肥料を鉢の縁辺りに置きます。水やりのたびに、肥料成分が少しずつ土へと溶け出し、養分がコーヒーの木へと運ばれます。葉っぱの色があせているときは、水やりがわりに速効性のある液体タイプの肥料を与えると良いですよ。
コーヒーの木の植え替えの時期は?
コーヒーの木を何年も同じ鉢で育てていると、根が鉢の中いっぱいに広がります。この状態を「根づまり」といいます。そのままにしておくと根が先端から腐ってしまうので、1〜2年に1回、5〜8月に植え替えをして予防しましょう。
ここでは次に、植え替えのタイミングで新たに揃えるグッズと、手順をご紹介します。
コーヒーの木の植え替えの方法は?
新たにそろえるグッズ
- 今よりも一回り大きな鉢
- ピンセット
- 観葉植物用培養土
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 割ばし
- 支柱
- 麻ひも
- ゴム手袋か軍手
- 小型のシャベル・スコップ
- ビニールシート
植え替え方法
- 水やりを控えて土を乾燥させる。
- 作業する場所にビニールシートを敷く。
- 新しい鉢の底穴に鉢底ネット、鉢底石を順に敷く。
- 土を鉢の1/3ほどまで入れる。
- コーヒーの木を鉢から引き抜き、根についた土を手でやさしく揉んで落とす。
- 黒ずんでいる腐った根を剪定バサミで切る。
- 鉢の中心に植物を置き、縁から下2〜4cmのところまで土を入れる。
- 支柱を立てて、麻ひもでコーヒーの木と結ぶ。
- 土の表面を割りばしでつつき、根の隙間まで土をなじませる。
- 鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをする。
木を大きく育てたくないときは、枝や幹と根を同じ割合で切って減らします。枝を半分ほど減らしたら、根も半分の長さにカットするといった具合です。コンパクトにして、同じ大きさの鉢に植え直しましょう。植え替えをしたら、根が落ち着くまで明るい日陰で管理するとよいですよ。
コーヒーの木の剪定の時期と方法は?
コーヒーの木は放っておいても枝がきれいに整うので、定期的な剪定は必要ありません。大きくなりすぎたときや、枝が伸びすぎたときだけ、4〜5月に不要な枝を切るくらいで十分です。
他の枝に比べて外に伸びすぎている枝や、絡み合っている枝を生えぎわから切り落とします。そして、土の生え際から伸びる細い枝も切り落としましょう。
コーヒーの木は増やせる?挿し木の時期と方法は?
コーヒーの木を他の場所に飾って楽しみたい。そんなときは新しいものを購入するのではなく、増やすのも1つの手段です。5〜8月に枝を土に挿して増やす「挿し木」という方法をチャレンジしてみましょう。
新たにそろえるグッズ
- コップかボウル
- 挿し木用の土
- 3号鉢
- 割りばし
- 発根促進剤
挿し木の方法
- 枝を先端から10cm前後に切る。
- 切り口がとがるようにV字に切って、吸水面を増やす。
- 先端の葉っぱを2〜3枚残し、ほかを全て取り除く。
- 葉っぱが大きければ半分に切る。
- 水を入れたコップに切り口を数時間つける。
- 植え替え同じく、鉢に鉢底ネット、軽石を入れ、挿し木用の土を入れる。
- 枝の切り口に発根促進剤をつける。
- 土に割りばしか指で穴をあけ、枝を挿す。
- たっぷりと水やりをする。
根が十分に生えたら、植え替えと同じ手順で新しい鉢に植え替えます。管理はいつも通りでかまいません。
コーヒーの木の室内での育て方は?
コーヒーの木を室内に飾るときは、直射日光の当たらない場所を選ぶのが長く楽しむコツです。
本来、コーヒーの木はアジアからアフリカの熱帯地域を中心に分布しています。そのため太陽の光を好みそうですが、強い日差しに当たると葉っぱが焼けて枯れてしまいます。窓辺に置くときは、レースのカーテンやブラインドごしにしてあげましょう。
葉っぱは、圧迫感がなく、多少日光が当たらない場所でも元気に育つので、窓の多いリビングに置くのがおすすめですよ。
コーヒーの木の冬の育て方は?
熱帯地域が原産のコーヒーの木は、寒さが大の苦手。冬になったら、あたたかい場所に鉢を移動しましょう。窓から伝わる外気は、葉っぱを枯れさせてしまいます。
窓からは距離を取るようにお部屋の内側においてください。また、鉢ごとすっぽりダンボールで覆うのも夜間の防寒対策に効果的です。
コーヒーの木の育て方で注意する病気や害虫は?
コーヒーの木の成長が盛んなあたたかい時期は害虫の被害によくあいます。特に気をつけたいのが黄緑や黒い色の「アブラムシ」と硬い殻をもつ「カイガラムシ」です。いずれの害虫も、葉っぱや枝について栄養を吸いとるので、見つけたらすぐに効果のある殺虫剤をまいて駆除しましょう。
ただ、カイガラムシは身にまとう殻のせいで薬剤があまり効きません。歯ブラシなどで直接こすってコーヒーの木から落とした方が確実に退治できます。
コーヒーの木の育て方を楽しもう
鮮やかな緑の葉を一年中楽しめるコーヒーの木は、人気の観葉植物の1つです。ダイソーなどの100円均一でも販売され、気軽に栽培をはじめられます。クセがなく、どこに飾ってもさわやかな印象になるのも、コーヒーの木の魅力。お部屋のインテリアに、ぜひ1本加えてみてください。
更新日: 2023年01月11日
初回公開日: 2015年09月18日