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熊童子(熊の手)の育て方|挿し木での増やし方や花言葉は?

ユニークな姿が魅力の多肉植物。中でも熊童子は、ぷっくりとふくらんだ葉っぱがかわいらしく、人気がありますよ。長く育てていくと、茎が立ち上がって違った姿も楽しめます。今回は、熊童子の育て方や花言葉、挿し木での増やし方についてご紹介します。

熊童子(熊の手)の花言葉は?

『枯れない愛』

かわいらしい姿と、手間がかからず枯れにくい性質が花言葉の由来です。ただ、もともと花言葉はなく、最近になってつけられたといわれています。

熊童子(熊の手)の花の色や別名は?

クマドウジ 熊童子 熊の手
学名
Cotyledon tomentosa spp. ladismithensis
科・属名
ベンケイソウ科・コチレドン属
英名
Bear’s Paw
kumadouji
原産地
南アフリカ
開花期
9~11月
花の色
黄、オレンジ、ピンクなど
別名
熊の手(クマノテ)
コチレドン
コティレドン

熊童子(熊の手)とは?どんな多肉植物?

クマドウジ 熊童子 熊の手

熊童子は、南アフリカ原産の多肉植物です。カランコエと同じベンケイソウ科に属し、肉厚の葉っぱが特徴的です。葉の先端には、爪のような突起が3~5個ついており、茶色くなっています。秋になると、紅葉して、葉の先端の赤みが増します。

株がまだ幼いうちはこんもりと茂っていますが、生長すると茎が立ち上がり、枝も増えて樹木のようになって違う姿を楽しむことができます。また、大きな株は、9月下旬〜11月中旬頃に、葉っぱの間から細い茎を伸ばし、釣り鐘型の小さな花を4~6個咲かせます。花びらは5~6枚で、ピンクやオレンジ、黄色をしています。

名前の由来

学名のtomentosa(トメントサ)は、「ビロード毛のある」「 密に細綿毛がある 」という意味で、葉の表面が産毛で覆われていることに由来します。触れると、とても気持ちよい肌触りをしています。また、和名の「熊童子」や別名「熊の手」は、葉っぱの姿が熊の子供(童子)の手のように見えることにちなんでつけられました。

熊童子(熊の手)の種類や品種は?

コチレドン 子猫の爪

ベンケイソウ科コチドレン属の1品種である熊童子には、約3亜科1400品種仲間がいます。葉に黄色や白の斑のあるクマドウジニシキ(熊童子錦)や細身でギザギザも少ないコネコノツメ(子猫の爪)などの種類が知られていますよ。今回は、熊童子と同じ南アフリカのケープ地方が原産地の、ベンケイソウ科・コチレドン属の代表品種をいくつかご紹介します。

熊童子錦(クマドウジニシキ)

熊童子の品種で、葉っぱに白やクリーム色の斑が入ります。斑の入り方が株によって違うので、複数揃えて楽しめます。

子猫の爪(コネコノツメ)

葉先が3つほどに分かれ、熊童子に比べて小さいことから名付けられた品種です。生長が遅く、じっくりと育てることができます。

聖塔・大型白美人(せいとう/おおがたはくびじん/デクッサラ)

1933~34年頃に渡来した品種で、草丈75cmほどに生長します。細長く先の尖った葉っぱをつけ、先端が赤みを帯びているのが特徴です。3cmほどの赤縞の入った黄色いを咲かせます。

輪廻(りんね/福娘/オルビキュラータ)

草丈50〜90cmの低木で、細長く直立した葉っぱが特徴です。全体的に灰白色をしており、先端や縁が紅色を帯びています。花の長さは20mm前後で、オレンジ色です。日本には、1934年頃に渡来してきました。

熊童子(熊の手)の育て方のポイントは?

適度な水やりが重要なポイントで、日当たりと風通しのよい場所で元気に育ちます。熊童子は、春と秋に活動し、夏と冬に休眠する「春秋型」の多肉植物です。休眠期は、生育期よりも水やりの頻度を下げ、乾燥気味に育てます。

置き場所

日当たりと風通しのよい場所を好みます。多湿に弱いため、鉢の中の水が乾きやすい環境に置きましょう。梅雨や盛夏など高温多湿になりやすい時期は、冷房の風が直接当たらないよう気をつけ、風通しをよくするとよいですよ。

冬越し

最低でも、気温0~5度が保てる環境であれば、冬越しができます。冷たい風や霜に当たると葉が枯れることがあります。もし、土が凍っても、根がダメージを受けていなければ、春に新芽が出てくることもありますよ。

夏越し

関東・関西の大都市圏では、夏越し対策が重要になります。朝夕の涼しい時間に水やりを行い、直射日光や気温が高くなる場所には置かないようにしてください。昼間の水やりは、土が温まって蒸し風呂のような状態になり、株がダメージを受けます。

熊童子(熊の手)の植え方!鉢植えの時期と方法は?

クマドウジ 熊童子 熊の手

苗を購入して鉢植えで育てるのが一般的です。鉢植えや地植えともに、3〜6月中旬、9月中旬〜11月中旬頃が植え付けの適期です。

鉢植え

1. 黒ポットや素焼き鉢に土を入れる
2. 中央に割り箸などで穴をあけ、中に苗を植え付ける
3. 苗がぐらつかないよう、手で優しく土を押さえる
4. 半日陰で管理し、3〜4日後に水やりをする

地植え

年間を通して、最低でも5度が保てる環境あれば、地植えは可能です。風通しと水はけのよい場所に植えましょう。植え付けの2週間前、土を掘り上げ、苦土石灰を混ぜて酸性濃度を中和します。そして、1週間前に腐葉土や川砂を混ぜて寝かせておきます。苗を植え付けたら、1週間ほどは水やり不要です。

雪、霜、凍結によって枯れる場合があるので、冬は鉢植えに植え替えて室内に入れるか、暖地で育てるようにしてください。

熊童子(熊の手)の土作り・水やり・肥料の時期と方法は?

土作り

水はけと通気性のよい土を好みます。市販の多肉植物専用土をそのまま使ってもかまいませんが、日向砂や軽石、バーミキュライト、川砂を加えると水はけがよくなりますよ。自作するときは、赤玉土(小粒)か鹿沼土(小粒)3:軽石2:腐葉土2の割合で混ぜた土がおすすめです。

水やり

1年を通して、乾燥気味に育てます。土が乾き、葉がしわしわになった頃が水やりの目安です。

肥料

3〜6月中旬と9月中旬〜10月下旬頃、ゆっくりと効く緩効性化成肥料を2ヶ月に1回施すか、液肥を10~15日に1回与えてください。真夏と真冬の肥料は不要です。

熊童子(熊の手)の剪定の時期や方法は?

日照不足で茎が伸びすぎ、葉も枯れ出したら、時期にかかわらず切り戻しをします。3〜6月中旬、9月中旬〜11月中旬頃であれば、切り取った葉を葉挿しに利用できますよ。

方法

1. 伸びすぎた茎を清潔なハサミでカットする
2. 全体の高さを新芽に揃えるように切りそろえる
3. 日当たりがよい場所で管理する
4. 2ヶ月ぐらい経つと親株の部分に新芽が出てくる
5. 種を必要としないときは、花柄を摘みとる

熊童子(熊の手)の植え替えの時期や方法は?

適期は、3〜6月中旬と9月中旬〜11月中旬頃です。小さな鉢の場合、生育が早いので春と秋の2回の植え替える場合もあります。3〜5年育ったものは1年に1回、それ以上のものは2年に1回を目安に植え替えましょう。

1. 鉢から株を抜き、根についた古い土を丁寧に落とす
2. 傷んだ根を清潔なハサミでカットする ※軽く引っ張って取れてしまう根は傷んでいる
3. 1回り大きな鉢に、乾いた土を入れる
4. 株がぐらつかないように根を広げながら植え付ける
5. 半日陰で管理して、1週間後に水をやる

熊童子(熊の手)の増やし方!挿し木(葉挿し、挿し芽)の時期と方法は?

熊童子 熊の手 コチレドン

適期は3〜6月中旬、9月中旬〜11月中旬頃です。

挿し木(葉挿し、挿し芽)

1. 葉を数枚つけた状態で、株元の少し上あたりをカット
2. 切り口を数時間乾かす
3. 底の浅い容器に土を入れ、茎を挿す、または、土の上に置く
4. 発根するまで水やりをせずに管理する
5. 発根と同時に、小さな新芽が出る
6. 明るい日陰で管理し、葉がしわしわになったら霧吹きで水を吹きかける

熊童子(熊の手)の寄せ植えの時期や方法は?

3〜6月中旬、9月中旬〜11月中旬頃、同じ春秋型の多肉植物を寄せ植えにして楽しめます。ただ、別々に育てた方が長持ちするので、ある程度寄せ植えを楽しんだら、それぞれを別の鉢に植え替えてあげましょう。

おすすめ多肉植物

ガステリアリリプターナ/クラッスラ”綺麗”/クラッスラ・クラバータ/ドドランタス/ヘレイ/天錦章(てんきんしょう)/パーティードレス/レインドロップ/チワワエンシス/リラシナ/ボンビシナ/高砂の翁/大和錦/紅司(こうじ)など

寄せ植えのアレンジ例

● 葉の色彩や品種、大きさなどで立体感を演出
● 色づく大きな葉をメインに、薄い色の小さな葉を植えてメリハリを出す
● 左右に濃い色を配置して互いを引き立てる
● 白~黄緑色などと、グラデーションをつける

熊童子(熊の手)の育て方で注意する病害虫は?

特に病害虫の心配はありませんが、まれにカビ類が土に発生し、根腐れを引き起こすことがあります。風通しのよい窓辺に鉢を移動させましょう。カビや害虫を見つけたら、被害を受けた箇所を取り除き、薬剤を散布するか植え替えをしてください。

おすすめの薬剤

酢と焼酎を同量で混ぜ、ニンニクの絞り汁や乾燥した唐辛子、木酢液などを加え、水で500倍に薄めたものを霧吹きで植物に散布します。ほとんどの害虫に効果があり、色々な殺虫剤を揃える必要がないので経済的です。

熊童子(熊の手)を育てよう

クマドウジ 熊童子 熊の手

水苔を使ってバスケットやブリキに植えてみたり、ハイドロカルチャーで育ててみたり、好みのアレンジが楽しめる熊童子。和風のお部屋であれば、苔玉で仕立ててみると、植木鉢とは違った雰囲気を味わうことができますよ。

更新日: 2020年12月16日

初回公開日: 2015年11月14日

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