北海道のラベンダー畑でおなじみのラベンダー。その中でも特に香りがよく代表的な種類といわれるのがイングリッシュラベンダーです。
今回はそんなイングリッシュラベンダーについて他の種類との違いや剪定方法など育て方をご紹介します。
イングリッシュラベンダーとは?他の種類と何が違うの?
イングリッシュラベンダーはスペイン北部が原産の多年草です。別名「真正ラベンダー」「コモンラベンダー」と呼ばれるラベンダーの一種になります。
ラベンダーは見た目や香りの違いから5つの系統に分けられ、その中でイングリッシュラベンダーは流通数も多く最も有名な種類として知られています。
1番の特徴はなんといってもラベンダーの香りが強いこと。花からとれる精油の量が最も多く香料としてよく利用されています。
イングリッシュラベンダーの香りを楽しみたい方は鉢植えがおすすめ
イングリッシュラベンダーは庭に直接植えても、鉢に植えても育てられますが、今回は手軽に栽培がはじめられる鉢植えについてご紹介します。
イングリッシュラベンダーは「湿気が多くならないように気をつけること」、「剪定の時期と方法」に注意して育てると、キレイな花や上品な香りが長く楽しめますよ。
イングリッシュラベンダーの育て方!鉢植えに必要なグッズは?
イングリッシュラベンダーを鉢に植えて育てるならまずはグッズを用意しましょう。4〜5月の間にラベンダーは専用の培養土や、苗を植え替える用に苗よりもワンサイズ大きな鉢を準備してください。
■ 準備するグッズ
- イングリッシュラベンダーの苗(ポット苗、小ポットなどと呼ばれる)
- 植木鉢
- ラベンダー用の培養土か、ハーブ用の培養土
- 鉢底石
- 鉢底ネット
イングリッシュラベンダーの育て方!苗を鉢に植え付ける手順は?
■ ラベンダーの植え付け手順
- 4〜5月頃に植える日を決める
- 新しい鉢の底へ鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れる
- 培養土を鉢の1/3ほどまで入れる
- 苗をポットから取り出す
- 根を傷つけないように優しくもみほぐして軽く土を落とす
- 苗を鉢の中心に置いて周りを土で埋める
- 鉢の縁から4cmほどまで土を入れて苗を固定する
- 水やりをして風通しのよい日陰で管理する
- 1週間ほどたったらカーテン越しの窓辺など明るい日陰に移す
イングリッシュラベンダーの育て方のポイント!
鉢植え用のグッズが揃ったら苗を新しい鉢に植えましょう。市販で購入した容器のまま育てていると根がギュウギュウ詰めになって、ラベンダーが弱り枯れてしまいます。根が傷つくと枯れやすいので、できるだけ早く植えるのがポイントです。
イングリッシュラベンダーのお手入れ!水やりや肥料の量、与え方は?
イングリッシュラベンダーは水やりや肥料を与えて大きく生長します。水やりと肥料の与え方についてそれぞれの手順や量をご説明します。
水やりの量や与え方
鉢植えは、土が完全に乾ききってから朝方か夕方水やりをしてください。イングリッシュラベンダーは蒸れた状態が長続きすると枯れてしまいます。
水やりの前に指で土の中まで乾燥しているか確かめたり、前回の水やりのときに割りばしを挿しておき、割りばしを引き抜いたとき先っぽが濡れないようなら水やりのタイミングです。
肥料の量や与え方
3〜7月の間だけ追加で肥料を与えましょう。月に1回ゆっくりと効く固形の緩効性化成肥料を土にのせるか、液体肥料を10日に1回水やりの代わりに与えます。
イングリッシュラベンダーを室内から出す時の注意点は?
イングリッシュラベンダーをベランダで管理しているなら、冬に雪が積もらないよう屋根をつけるなど注意してください。雪が積もると雪の重みで茎が折れたり凍ったりして、イングリッシュラベンダーが枯れてしまします。
イングリッシュラベンダーを収穫しよう!剪定の方法は?
イングリッシュラベンダーの花が咲きはじめたら収穫のタイミングです。そのまま鉢で花を咲かせてもよいのですが、切り花でも香りは楽しめるうえ、開花後早めに切り取ったほうが来年も花をつけやすくなります。
園芸では茎を切る行為を剪定(せんてい)といい、イングリッシュラベンダーは5月下旬〜7月上旬の間に収穫をかねた剪定を行います。
他にも剪定には風通しをよくしたり見た目を整える目的もあり、それらのための剪定は3月、5月下旬〜7月上旬、9月、12月のタイミングで行いましょう。根元から5cmほどを目安に茎を切ってください。
イングリッシュラベンダーの植え替えの時期は?
イングリッシュラベンダーを鉢に植えて1〜3年ほどたったら、新しい鉢に植え替えましょう。鉢の中で根がギュウギュウ詰めになっているかもしれません。
3〜5月、9〜11月の間が植え替えの時期なので、その時期に鉢の裏をのぞいてみて根がはみ出ていたり、水やり後の吸収や浸透に時間がかかるようになったら植え替えのタイミングです。
イングリッシュラベンダーの鉢への植え替え方法は?
■ 用意するグッズ
- 一回り大きな植木鉢
- ハーブ用の培養土か、ラベンダー用の培養土
- 鉢底石
- 鉢底ネット
■ 植え替え手順
- 水やりを控えてイングリッシュラベンダーの鉢の土を乾燥させる
- 新しい植木鉢に鉢底ネットをしき、鉢底石を入れる
- 土を鉢の1/3ほどまで入れる
- 鉢をひっくり返してラベンダーを抜く
- 根を傷つけないようやさしく根についた土をもみ落とす
- 黒ずんだ根があれば清潔なハサミで切り取る
- レースラベンダーを新しい鉢に入れて土ですき間をなくす
- 水やりをして日陰で1週間ほど管理する
イングリッシュラベンダーは増やし方!挿し木の時期と方法は?
イングリッシュラベンダーは種まきや挿し木といった繁殖方法で簡単に数を増やせます。栽培に慣れてきたら、ぜひチャレンジしてみてください。
まずは、茎を土にさして根を生やさせる「挿し木」という方法です。4〜6月または9月の間に挿し木用のグッズを用意して手順の通りに進めましょう。
■ 用意するグッズ
- 新しい植木鉢(プランターや小鉢など)
- 無菌のバーミキュライトなどの土か、挿し木用培養土
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 清潔な剪定バサミ
- 茎の切り口に塗って根の生長をサポートする薬剤(発根促進剤)
■ 挿し木手順
- コップに水を入れる
- 新しい鉢の底へ鉢底ネット、鉢底石、無菌の土を順に入れる
- 5〜6cmだけイングリッシュラベンダーの茎を切り取る
- 葉っぱを下半分だけ取り除く
- コップに茎を入れて切り口を水に1時間ほどつける
- 切り口に発根促進剤を塗る
- 鉢の土に指や割り箸で穴を空けてそこへ茎を挿し込む
- 土が乾燥しないよう定期的に水やりや霧吹きを続ける
- 直射日光の当たらない窓辺など明るい日陰で管理する
- 3週間ほどたって根が生えたら新しい苗として植え直す
香りのよいイングリッシュラベンダーでお部屋を飾ろう
イングリッシュラベンダーはラベンダーの中で1番香りが強い種類です。香料の原料として利用されるように精油が最も多く含まれるので、香りが楽しみたい方にはピッタリ。
お部屋に一鉢あるだけで自然な雰囲気が楽しめるので、これからインテリアや何か植物を探している方は、ぜひイングリッシュラベンダーを育ててみてください。
更新日: 2018年08月08日
初回公開日: 2016年04月08日