残暑の厳しい9月。日差しもまだまだ強い日が多いですね。9月に咲く花をご紹介しますが、花壇づくりではヒガンバナやセンニチコウなどこれから深まる秋の季節にぴったりな色合いの花が見つかります。また熱帯地方の花もまだまだ元気に育ちますよ。ケイトウやビンカ(ニチニチソウ)など鮮やかでビビットカラーな寄せ植えもいかがでしょうか?
9月に咲く花の特徴とは?
9月に咲く花の特徴としては、比較的暑さや日照りに強いということがあげられます。9月から咲きだすというよりも、初夏に植え付け、10月頃まで咲き続けるというものも多いかもしれません。暑い夏にも耐えられるということで、9月に咲く花の中には、熱帯地方原産の花や大陸から入ってきた丈夫な種類も多いです。
その中には鮮やかな花色をしたものも多く、赤や黄色や濃い紅色など9月以降も花壇に秋らしい色合いを添えてくれます。その他、国内では菊やリンドウなど日本固有種や和の要素を取り入れた花も出回ります。9月に咲く花の中でもお彼岸やお月見などのイメージに合いそうな花もご紹介しています。
9月に咲く花 和風の花
ヒガンバナ
日本では別名「マンジュシャゲ」とも呼ばれ、田んぼの畔や墓地などに咲く花というイメージがあります。球根草ですが、球根には毒があります。
この球根の毒は、昔土葬がおこなわれていた時代に埋葬した遺体を、犬やネズミなどから守るために植えられたといわれています。大輪の赤い花は美しくも妖しげな雰囲気が感じられる花です。
- 科・属名
- ヒガンバナ科ヒガンバナ属
- 原産地
- 中国
- 開花時期
- 9月下旬頃(7月~10月頃)
- 品種
- シロバナマンジュシャゲ よく似た品種:キツネノカミソリ、リコリスなど
- 花言葉
- 「情熱」「独立」「再会」「あきらめ」など
センニチコウ
小さなポンポンのような形をしており、ドライフラワーのような質感の花が特徴です。春から秋に花を咲かせる1年草です。
「千日紅=千日(せんにち)長い間、紅い色を保ち続ける」というイメージからこの名がつきましたが、耐暑性が強く、花色が長い間色あせないので真夏の花壇にも最適です。種を採取して増やせます。
- 科・属名
- ヒユ科センニチコウ属
- 原産地
- 熱帯アメリカ
- 開花時期
- 5月~11月
- 品種
- ストロベリー・フィールズ、ファイヤーワークス、バディーなど
- 花言葉
- 「色あせぬ愛」「不朽」など
シラタマホシクサ
日本の固有種で、湿地に生える1年草です。茎の先に白い金平糖のような花をつけるのですが、自生地で一面に咲く姿は、まるで数えきれないほどの小さな星が広がる天の川のようで、とてもファンタジックです。弱酸性の水を好む植物で、普通の水道水の水やりでは弱りやすく栽培難易度は高めです。
- 科・属名
- ホシクサ科ホシクサ属
- 原産地
- 日本
- 開花時期
- 8月下旬~10月
- 品種
- –
- 花言葉
- 「純粋な心」
イワシャジン
関東地方南西部~中部地方南東部の岩場などでよくみられる花です。やや大型の多年草ですが、キキョウ科で最も美しいとされ、日本の風情を感じられる花です。山野草として種やポット苗も出回っており鉢植えで育てることもできます。
高温多湿が苦手ですので、雨が続く場合は水やりを控え、葉や株を休ませるようにします。
- 科・属名
- キキョウ科ツリガネニンジン属
- 原産地
- 日本
- 開花時期
- 9月中旬~10月上旬
- 品種
- 地位異変としてホウオウシャジン、ツクイシシャジン、ヒナシャジンなどがある
- 花言葉
- 「感謝」、「誠実」
ユウゼンギク
北アメリカで、日本には明治時代になってから入ってきました。花は小さめですが、花付きはよく株の足元が見えなくなるほど、こんもりと花を咲かせます。
開花時期は一般的に秋ですが、早生種では6月頃から花を咲かせます。青みがかった淡い紫色が美しく秋の花壇を彩ります。
- 科・属名
- キク科
- 原産地
- 北アメリカ
- 開花時期
- 6月~11月
- 品種
- 「フレッド・バラード」「バイオレットキュート」他
- 花言葉
- 「後知恵」、「老いても元気で」
シュウメイギク
名前に「菊」とついていますが、実はアネモネの仲間です。漢字では「秋明菊」とも書き、白やピンクの花が特徴です。彼岸頃になると咲き始め、切り花をはじめ、鉢植えや花壇の花として用いられています。
半常緑性の大型の多年草で、地中に深く根を張るので、1度植えると植え付けた個所からどんどん広がります。
- 科・属名
- アネモネ科
- 原産地
- 中国
- 開花時期
- 9月~11月
- 品種
- 「まつり」「ルフィア(矮性)
- 花言葉
- 「薄れゆく愛」「忍耐」など
9月に咲く花 鮮やかな花色を秋の花壇に
ダリア
大輪の花を咲かせるのが特徴で、中には25cm以上の大きさの花を咲かせるものもあります。ダリアの品種の多くは八重咲で、先がとがった花びらが中心部まであったり、先が少しねじれていたりと少しずつ花形が異なります。
日本ではボタンの花に似ていることから「天竺牡丹」とも呼ばれています。寄せ植えでは、同じ9月に咲く花でもある「セロシア」や「センニチコウ」など日なたを好み、加湿を嫌う植物との相性がいいです。
- 科・属名
- キク科ダリア属
- 原産地
- メキシコ
- 開花時期
- 7月~10月頃
- 品種
- ミッドナイトムーン、インカローズ、F1ハローシリーズなど
- 花言葉
- 「華麗」「優雅」「移り気」など
セロシア(ケイトウ)
ふさふさとした平たい帯状の花房部分がニワトリの鶏冠のような形をしていることから「鶏頭(ケイトウ)」と名付けられました。赤や黄色、濃いピンクといった鮮やかな花色が特徴です。夏ごろから秋にかけて咲くので、秋の花壇を彩るにはぴったりの植物です。
- 科・属名
- ヒユ科セロシア属
- 原産地
- 熱帯アジア、インドなど
- 開花時期
- 6月~11月頃
- 品種
- ファイヤーダンス、キモノシリーズ、キャッスルシリーズなど
- 花言葉
- 「おしゃれ」「風変り」など
コレオプシス
ハルシャギクやキンケイギクの仲間で、コスモスに似た花を咲かせます。一般的によく知られているのは、明るい黄色の花色ですが、栽培用品種として改良されたものではピンクやオレンジ、白などがあります。中心部が茶褐色や紫色になっているものもあります。丈夫で育てやすいのも特徴です。
- 科・属名
- キク科
- 原産地
- 北アメリカ中西部
- 開花時期
- 5月~9月
- 品種
- グランディフローラ、ロゼア、ホワイトグレースなど
- 花言葉
- 夏の思い出、陽気、愛の始まり、上機嫌
日々草(ニチニチソウ)
花は3~5日と短命ですが、毎日(日々)のように花を次々と咲かせる印象があります。花色は白、赤、ピンクなどが鮮やかな色合いが多いのが特徴です。
暑さや日照りに比較的強く夏の花壇でよく知られている花ですが、冬の寒さに弱いので冬は枯れてしまいます。咲き終わった花は自然に落ちるので、手入れもしやすい花です。
- 科・属名
- キョウチクトウ科ニチニチソウ属
- 原産地
- アフリカ マダガスカル
- 開花時期
- 5月~10月
- 品種
- サンダーレッド、パシフィカシリーズ、トコナツシリーズなど
- 花言葉
- 楽しい思い出
9月の花を楽しもう
9月に咲く花をご紹介しましたが、9月の咲く花の特徴としては開花時期が「5月~10月」と初夏から秋まで続く植物も多いです。
花壇で花色を出したい場合は、まだ気温がそれほど上がらない初夏頃から苗の植え付けや種まきを済ませておくのもポイントです。暑さには強いものの、日本の夏のように高温多湿の環境下には弱いものもあるので、雨がよく降る梅雨時期や台風の多い時期などは水やりの頻度に気を付けましょう。
また色鮮やかな種類が多いですが、寄せ植えする場合は、花の大きさや色合いなどのほか、育つ環境がよく似ているものを選びましょう。そうすると手入れも楽ですし、植物同士も互いに成育し合います。
更新日: 2021年09月27日
初回公開日: 2020年05月29日