マメザクラは、露地植えにされるソメイヨシノなど他の桜に比べて樹高の低い種類です。富士山や箱根周辺に名所があり、天気のよい日は多くの観光客が訪れます。日本の固有種で、控えめな印象から奥ゆかしさを感じさせられますよ。
今回は、マメザクラの花言葉や見頃の季節、名所、種類、育て方についてご紹介します。
マメザクラ(富士桜)はどんな花を咲かせる桜?
マメザクラは、日本に自生している桜の原種の1つです。関東~中部地方の低山から亜高山に分布し、富士山周辺から箱根を中心に多く見られることから「富士桜」「箱根桜」という別名がつけられました。3~10mほどに生長し、他の桜に比べて樹高が低いことが特徴です。
また、樹高1mほどでも花を咲かせることから庭木や盆栽によく利用されています。
マメザクラ(富士桜)の花の色や別名は?
- 学名
- Prunus incisa
- 科・属名
- バラ科・サクラ属
- 英名
- ー
- 原産地
- 日本
- 開花期
- 3月下旬~5月上旬
- 花の色
- 白、淡いピンク
- 別名
- 豆桜(マメザクラ)
富士桜(フジザクラ)
箱根桜(ハコネザクラ)
マメザクラ(富士桜)の名前の由来は?
樹高や花びらが小ぶりなことがマメザクラ(豆桜)の由来です。また、富士山や箱根の近くに自生していることから、富士桜(フジザクラ)、箱根桜(ハコネザクラ)とも呼ばれるようになりました。
マメザクラ(富士桜)の花言葉は?
『優れた美人』
山の中にひっそりと咲くマメザクラ。日本的な控えめなたたずまいと、やさしい花色から、「優れた美人」という花言葉がつけられました。
マメザクラ(富士桜)の花の見頃の季節や開花時期は?
マメザクラは、3月下旬~5月上旬に開花期を迎えます。1~2cmほどの小さな花を下向きに咲かせ、白から薄いピンク色で控えめな花色が美しい桜です。満開の時期となる5月上旬には、名所に多くの観光客が足を運びます。
ソメイヨシノからは2週間遅れて見頃を迎え、ヤマザクラと同じ時期に咲きますが、マメザクラの方が樹高や花びらが小さいので、すぐに見分けられますよ。
マメザクラ(富士桜)の名所は?
西天城峠高原(静岡県伊豆市持越付近)
富士山と駿河湾の大パノラマに、山々を染めるマメザクラが鑑賞できる名所です。3月下旬~4月上旬に見頃を迎えます。晴れた日のドライブにおすすめです。
だるま山公園(静岡県伊豆市大沢1018-1)
だるま山高原レストハウスから金冠山へ向かうハイキングコース周辺は、マメザクラの名所として知られています。手頃なハイキングコースで、お子さんや年配の方でも十分に楽しめるコースですよ。
戸田峠の北側にある金冠山にはマメザクラがたくさん植えられており、ピンク色の雪が積もったような景色を眺めることができます。
マメザクラ(富士桜)の育て方!苗の鉢植えの方法は?
乾燥を避け、日当たりと風通しのよい場所で育てるのがポイントです。土の浅いところに根をはるので、株元を落ち葉や腐葉土で覆っておくと乾燥を防ぐことができます。
植え付け、植え替え
種まきからも育てられますが、生長するまでに時間がかかることから、苗から育てるのが一般的です。12月か2~3月頃、鉢や庭に植え付けていきましょう。
根をよくはり、樹高1mでも花を咲かせるので、鉢植え・地植えのどちらでも育てやすいのが特徴です。鉢植えは、根を傷つけないよう注意しながら、1~2年に1回植え替えをしてください。
土作り・水やり・肥料の与え方
赤玉土(小粒)7:川砂3か、そこに腐葉土を2割ほど足した土がおすすめです。鉢植えは、市販の花木用培養土でも構いません。
地植えは水やり不要ですが、鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。
肥料は、植え付けるときにゆっくりと効く緩効性肥料を施します。そして、2月、5月下旬、9月の3回、固形の骨粉入り油かすを株の周りに埋めていきます。
マメザクラ(富士桜)の剪定と増やし方!時期と方法は?
花が咲き終わった後、ひこばえや細い枝を間引く剪定をします。切り口から雑菌が入ると枯れてしまうので、剪定後は枝に癒合剤やつぎロウを塗って保護してあげましょう。
マメザクラは、剪定に弱いので、よほど樹形を損なわないかぎり、剪定をする必要はありません。剪定した枝は、接ぎ木や挿し木で数を増やすことができます。接ぎ木は1月中旬~2月上旬、挿し木は2~3月頃が適期です。
マメザクラ(富士桜)の育て方で注意する病害虫は?
桜は全般的に毛虫がつきやすい樹木です。特に、アメリカシロヒトリの毛虫がつきやすいので、注意が必要です。落ち葉の下にさなぎが住みつくので、見つけたら、すぐに取り除いて駆除しましょう。
幼虫を発見したら、1週間おきに2~3回、オルトランやスミチオンなどの薬剤を散布します。地植えより、鉢植えの方が毛虫が寄り付きにくいので、管理しやすくおすすめです。
マメザクラ(富士桜)は庭木にもおすすめ
桜は日本人が愛する花の1つ。今でこそ、様々な園芸品種が開発されて、色が美しく、大きく華やかな桜が増えましたが、平安時代までの日本人は、野生の桜を鑑賞していました。マメザクラはそうした野生の桜の1つです。
樹高が高くならなくても花を咲かせるので、庭の地植えや鉢植えで育てて、そのままお花見ができたらすてきですね。
更新日: 2020年03月04日
初回公開日: 2015年11月11日