カリンと見た目が似ていることから、混同されることも多いマルメロ。黄色い実は、ジャムやお酒に加工されて楽しまれます。見かける機会は少ないですが、ヨーロッパやアジアでは古くから栽培されてきた果樹で、日本や中国でも民間療法や漢方薬に利用されてきたんですよ。今回は、そんなマルメロとはどんな果樹なのか、食べ方や花言葉などをご紹介します。
マルメロの花言葉とは?
『魅惑』『魅力』『誘惑』
ギリシャ神話で、愛と美の女神アフロディーテに捧げられた黄金のリンゴは、実はマルメロであったという説があります。このことから、マルメロには「魅惑」や「魅惑」といった女性的な花言葉が付けられています。
マルメロの学名・原産国・英語
- 学名
- Cydonia oblonga
- 科・属名
- バラ科・マルメロ属
- 英名
- Marmelo
- 原産地
- 西~中央アジア
- 開花期
- 4~5月 ※収穫期は10月
- 花の色
- 白、ピンク
- 別名
- 木瓜(カリン)
鎌倉海棠(カマクラカイドウ)
西洋花梨(セイヨウカリン)
クインス
マルメロとは?どんな花を咲かせる植物?
マルメロは、バラ科・マルメロ属に分類される落葉高木です。西~中央アジアを原産とし、古くからジャムや砂糖漬けにして楽しまれてきました。実は、ジャムを意味する「ママレード」の語源だとされているんですよ。日本へは江戸時代に渡来しました。東北・信州地方では「木瓜(カリン)」と呼ばれ、特に長野県諏訪市を中心に特産品として盛んに栽培されています。
樹高は、1.5~8mほどに生長し、枝には楕円形の葉っぱを互い違いに生やします。表面が細かな毛で覆われているのが特徴です。春になると、5cmほどの白やピンクの花を咲かせ、結実するとカリンや洋梨に似た黄色い実を付けます。ただし、1本だけで実を付けることはできないので、実を収穫したいなら、違う品種を近くに植えなければなりません。
マルメロとカリンの違いは?
マルメロとカリンは見た目が似ていることに加え、一部地域ではマルメロをカリンと呼ぶことから、よく混同されます。以下にそれぞれの違いをまとめました。
名前 | マルメロ | カリン |
葉 | 楕円形で縁にギザギザがない | 縁に細かいギザギザがある |
花 | 白色、淡いピンク色 | 紅色 |
実 | ● 黄色 ● 皮に細かい産毛がある ● 実が硬い |
● 黄色 ● 皮がつるつる ● 実がやわらかい |
マルメロの食べ方は?
マルメロの実は、とても甘い香りがし、果肉がやわらかいことが特徴です。そのため、カリンよりも加工しやすくなっていますが、生のままだと渋くて食べられません。厚さ5~10mmほどで輪切りにし、砂糖やはちみつ、お酒に漬けて楽しみましょう。はちみつなら3ヶ月ほど、お酒なら6~12ヶ月漬け込んでおくと、甘い香りが味わえますよ。また、カリン同様、風邪予防や咳止めに効果があるのもうれしい効能ですね。
マルメロの種類や品種は?
マルメロは、明治・大正時代を境に、もともとあった「本かりん」と、その後欧米からもたらされたスミルナなどの「洋かりん」の2種に大きく分けることができます。洋かりんの方が、実が大きくやわらかさがあり、たくさんの収穫を見込めます。そのため、本かりんは、年々その栽培数が減少しています。
マルメロは栽培しやすい果樹
マルメロは、東北地方では特産品として知られる果樹です。海外でも、ママレードの語源となるほど古くから利用されてきました。また、実を楽しむだけでなく、ピンクや白の花も可憐で美しいですよ。季節ごとの変化を観賞しながら、マルメロの栽培を楽しんでみてくださいね。
更新日: 2016年02月03日
初回公開日: 2016年02月03日