たくさんの花びらを重ね合わせる姿がかわいらしいラナンキュラス。花束やフラワーアレンジメントなど、プレゼント用の花として広く知られていますよね。また、鉢に入った状態でプレゼントに贈られる機会も多く、自宅で飾って楽しむこともできます。
今回は、そんなラナンキュラスの育て方について、掘り上げた球根の植え方や寄せ植えのコツなどをご紹介します。
ラナンキュラスの育て方は簡単?
ラナンキュラスとは、キンポウゲ科・キンポウゲ属に分類される球根植物です。明るい色合いの花びらをいくつも重ね合わせる姿からは繊細な印象を与えますが、実際は病気や害虫の被害を受けにくいので、初心者でも簡単に育てられます。
草丈は15〜30cmと管理がしやすく、大きいものだと直径10cmほどの大きな花を咲かせることから、鉢植えや花壇でいろいろな花を混ぜて植えると見応えがありますよ。
ラナンキュラスは苗の鉢植えがおすすめ
ラナンキュラスは球根と苗が販売されているので、最初はどちらから栽培するか悩みますね。苗は花を咲かせる直前まで育てられた状態なので、初めての方は苗から育てるのがおすすめです。
一方、球根は秋に土へ植え、翌年の春の開花まで長期間の管理をしなければならず、また、球根の植え方にもコツが必要です。まずは苗から始めて、ラナンキュラスの育て方に慣れ、たくさんの花を咲かせたくなったら球根からの栽培にチャレンジしてみてください。
ラナンキュラスの苗を鉢に植えよう!時期や方法は?
ラナンキュラスの苗は、11月末頃から開花期の4月頃に販売されています。特に春先に出回っているものは十分に育てられており、中には芽が出ているものもあるので、開花させるのは簡単ですよ。
準備するもの
- 苗
- 5号鉢(直径約15cm)
- 草花用培養土
- 鉢底ネット
- 鉢底石
苗は「育苗ポット」と呼ばれるビニール製の黒い鉢に入って販売されており、そのまま育て続けることはできません。育ちやすい大きさの鉢へ植え替える必要があるので、苗を購入するタイミングで、5号鉢や土など必要なものを合わせて準備していきましょう。
準備が整ったら、苗を鉢へ植えます。植え替える手順はむずかしくないので、はじめての方でもスムーズに作業が進められますよ。
方法
- 鉢の底穴に鉢底ネットをかぶせる。
- その上に鉢底石や軽石を敷き詰める。
- 土を鉢の1/3ほど入れる。
- 苗を育苗ポットから取り出し、傷んだ根を取り除く。
- 地表から5〜10cmの深さのところに球根がくるよう苗の位置を決める。
- 位置が決まったら、周りに土を入れて苗を安定させる。
※この際に元々の鉢の表面の部分が鉢の縁から2〜3cm下になる様にしましょう。コレをウォータースペースと言い、鉢から水が溢れ出ないようにするものです。
ラナンキュラスのお手入れ!水やりの仕方や肥料の与え方は?
無事に苗を鉢に植えられたら、ラナンキュラスがきれいな花を咲かせるよう日々お手入れをします。具体的には、置き場所、水やりと肥料が大切です。以下にそれぞれのポイントをまとめました。
置き場所
ラナンキュラスは、日当たりのよい乾燥した場所が好きです。ジメジメした場所で育てると、弱って病害虫の被害にあうことがあります。また、屋外だと雨に当たり、球根が腐って枯れる場合があるので、はじめての栽培は室内がおすすめ。日差しの入る明るい窓辺に飾ってください。
水やりの方法
ラナンキュラスの水やりのポイントは、「土の表面が乾いたらたっぷりあげる」です。土が乾燥する前に水やりをすると、球根が腐ってしまいます。土が乾いているか不安…という方は、割り箸を土に挿してみてください。割り箸を引き抜いたとき、土が付いてこないなら乾燥している証拠です。
肥料の与え方
ラナンキュラスは花を咲かせるために栄養をたくさん必要とします。花の蕾ができはじめたら、花が咲いて枯れるまでの間、製品の表示に従った希釈に薄めた液体肥料を10〜15日に1回くらいのペースで与えていきましょう。
または蕾が上がり始めてから緩効性の粒状肥料を与えるのも良いです。一度撒いておけばゆっくりと肥料分が土中に染み込んでいきます。効能は大体1〜2ヶ月ほどですが開花期に合わせる肥料としては丁度良いかもしれませんね。
ラナンキュラスの育て方で注意する病害虫は?
ラナンキュラスの栽培中は、菌核病や灰色カビ病といった病気と、アブラムシやハモグリバエといった害虫の被害に注意が必要です。
菌核病や灰色カビ病はいずれも葉や茎、花などにカビが生える病気で、全体に被害が広がるとラナンキュラスは枯れてしまいます。気温が低く湿度の高い環境で発生しやすく、特に湿気の多い4~6月頃は風通しのよい場所に置いて予防しましょう。発症したときは葉や茎、実を取り除き、殺菌剤を散布して対処します。
アブラムシやハモグリバエは、栄養を吸い取ったり、茎や葉を食べたりしてラナンキュラスを弱らせる害虫です。専用の殺虫剤をまいて駆除していきましょう。
ラナンキュラスの花が散ったら?球根は植えっぱなしで大丈夫?
鉢植えであれば、球根はそのまま植えっぱなしでも翌年まで水やりをし続けていれば、再び花を咲かせることもあります。ただ、地上の部分が枯れている状態だと、水やりの加減がわからず球根を腐らせてしまうケースがほとんどです。花の枯れ始めを合図に球根を堀り起こしてから植え直すことをおすすめします。
まず枯れた花を茎の付け根のところで切り落とします。このとき、花がついている以外の茎と葉っぱは光合成をして栄養を球根に送るので、残しておきましょう。そして残した葉っぱが黄色く枯れてきたら、根っこを傷つけないよう球根を土から掘り上げ、葉や茎は全て取り除きます。
球根に付いた土は手や水洗いなどできれいに落とし、新聞紙の上などに置いて3日ほど天日干しにします。カラカラになるまで乾燥させたら、再び植える秋まで保存しておきましょう。湿度が高くなると腐ることがあるので、ネットなどに入れて風通しのよい涼しい日陰に吊るして管理してください。
室内で球根を管理する場合は新聞紙などに包み、紙袋などの通気性が良い袋で保存しておきましょう。
ラナンキュラスの球根の保管方法や植えるタイミングは?
保管しておいたラナンキュラスの球根は、9〜10月に鉢へ植えましょう。このとき「乾燥させた球根にじっくり水を吸わせる」作業が大切です。
そのまま植えてしまうと、球根が急激に水を吸い上げ、腐ってしまいます。まず乾燥した球根を湿らせたバーミキュライト、キッチンペーパー、ティッシュなどと一緒にラップやビニール袋に入れ、3日ほどかけてゆっくりと水を吸収させます。
そして、日陰の涼しい場所に置いて管理してください。このとき黒く腐ってしまった球根はもう育たないので、捨てておきます。この作業が終わったら、苗植えのときと同じグッズをそろえます。そして球根が土の表面から5〜10cm下にくるよう植えて育てます。
育て方に慣れてきたらラナンキュラスの寄せ植えに挑戦してみよう
栽培に慣れてきた方は、他の植物と合わせて植える「寄せ植え」でもっとラナンキュラスの花のよさを引き出すことができます。チューリップのように上へ真っすぐ伸びる植物と合わせてスッキリ見せるか、パンジーなど背丈の低い小花を咲かせる植物と合わせてボリューム感のあるブーケのように仕上げるのがおすすめです。
木の素材を生かしたウッドやバスケットなどのプランターを利用すると、春らしい雰囲気を高めることができるのでぜひ試してみてください。
ラナンキュラスで球根の育て方を楽しもう
かわいらしいラナンキュラスが1輪あると、お部屋や家の周りが華やかな雰囲気に包まれます。そんな花を長く楽しみたい方は、まず苗を鉢に植えて栽培をはじめてみてください。
ラナンキュラスの球根は不思議な形をしていますが、育て方は他の球根植物とかぶる部分が多くあります。作業を一通りこなすと、ほかの球根植物を育てるときにも、経験を生かすことができますよ。
更新日: 2021年12月15日
初回公開日: 2015年06月13日