寒さに負けず、美しい花を咲かせる寒椿。日本の冬を代表する花の1つですよね。丈夫で育てやすく、強く刈り込んで形を整えることができるので、生垣としてもよく利用されています。今回は、そんな寒椿の育て方について、剪定の時期と方法などをご紹介します。
寒椿(カンツバキ)の栽培のポイントは?
水はけのよい日向から半日陰を植え付け場所に選ぶことがポイントです。直射日光に当たると葉っぱが焼けて美しさが損なわれてしまうので注意してください。
寒椿(カンツバキ)の苗植えの時期と方法は?
6月の梅雨時が寒椿の苗の植え付けには適しています。ただ、3~6月か9~10月であれば植え付けてもよく根付きます。冬に苗を購入したときは、暖かくなるまで暖房のきいていない室内で管理し、適期になったら植え付けていくとよいですよ。
鉢植え
- 苗よりも1~2回り大きな鉢を準備する
- 赤玉土(中粒)1:鹿沼土(中粒)1の割合で混ぜた土に、腐葉土や桐生砂を混ぜ込んで水はけをよくしておく
- 鉢の底に鉢底石を敷、土を1/3ほど入れる
- 苗を鉢の中心に置き、周りに土を入れていく
- 割り箸などの棒でつつきながら根の間に土が入るようにする
- 苗が安定してぐらつかなくなったら完成
地植え
日当たりと水はけのよい場所を選びます。そして、苗よりも1~2周り大きな植え穴を掘ったら、腐葉土をたっぷりと混ぜて水はけをよくしておきましょう。生垣にするときは、株同士の間隔を30cmほど空けるとよいですよ。
寒椿(カンツバキ)の水やり、肥料の与え方
水やり
寒椿は、植え付けから2年ほどかけて根付いてきます。そのため、鉢植え、地植えともに、2年間は土の表面が乾いたら水やりをするようにしてください。花がひらくとたくさんの水を必要とするので、特にたっぷりと与えてください。地植えは、一度根付けば後は降雨のみで大丈夫です。
肥料の与え方
植え付けるとき、リン酸分の多く入った緩効性化成肥料を土に混ぜ込んでおきます。鉢植えであれば、小さじ1杯分くらいが適量です。そして、植え替えの後や1~2月頃に乾燥鶏糞や固形の油かすといった有機肥料を株元に少し施しましょう。
寒椿(カンツバキ)の剪定の時期と方法は?
花が咲き終わった3~4月に剪定をして樹形を整えていきます。強く剪定するときは、2~3月のうちに行ってもかまいません。頻度は2~3年に1回くらいで、内向きで混み合っている枝や細く弱い枝、上に伸びすぎた徒長枝を根本から切り落とします。
5月頃から花芽を付けはじめるので、それよりも前に剪定をしておくことが大切です。
寒椿(カンツバキ)の植え替えの時期と方法は?
根詰まりを起こすと花付きが悪くなるので、鉢植えは2~3年に1回、1回り大きな鉢に植え替えておきます。適期や手順は、植え付け時と同じです。
寒椿(カンツバキ)の育て方で注意する病害虫は?
寒椿は寒さに強く丈夫な花木ですが、山茶花と同じようにチャドクガの被害にあいやすくなっています。チャドクガは、特に幼虫の被害が深刻で、葉っぱを食べて株を弱らせるだけでなく、毛が皮膚に刺さると腫れやかゆみを引き起こしてしまいます。
4~6月と7~9月の年2回発生しやすいので、剪定で株の風通しをよくして予防しておきましょう。発生してしまったときは、ベニカX乳剤やスミソン乳剤、ベニカXスプレー、オルトランCなどの殺虫剤を使って駆除していきます。このとき、毛に触れないよう長袖や手袋など全身を守っておくと安心ですよ。
寒椿(カンツバキ)は育てやすい冬の花木
寒椿は丈夫で育てやすく、花木をはじめて栽培する人でも気楽に楽しめます。ピンクや赤など鮮やかな花色は、冬の庭やベランダを明るい雰囲気にしてくれますよ。
また、濃い緑色の葉っぱも美しいです。ただ、チャドクガだけがやっかいなので、剪定をきちんと行い、薬剤を散布して予防していきましょう。
更新日: 2020年03月29日
初回公開日: 2016年03月22日