夏の風物詩として、古くから日本のガーデニングに取り入れられている朝顔。どんどんつるを伸ばして生長し、色とりどりのラッパ型の花を咲かせてくれます。つぼみがつくと、もう開花は目の前。でも、なぜか花が咲かないことがあるんです。今回は、朝顔のつぼみが咲かない原因と対策についてご紹介します。
そもそも朝顔の花はいつ咲くの?つぼみはいつ付く?

朝顔の花は、6~9月に開花ピークを迎えます。朝顔のつぼみは、花が咲く3〜5日前頃から肥大してき、種まき後から数えて70~80日ほどで花を咲かせるといわれています。
ただし、朝顔は暗くなってから約9時間後に花を咲かせるため、朝3~4時頃に花が開き、昼にはしおれてしまうことも多いです。花が咲き終わった時間帯に観察しても、花が咲かないのは当然。観察する時間帯にも気を配りましょう。
ちなみに、日没時間は時期によって変化しますよね。そのため、秋になるにつれて開花の時間帯が早まり、10月頃には真夜中に花が開くということもあるそうですよ。
【朝顔の花が咲かない原因】つぼみがつかない、葉っぱばかりになるのはなぜ?

そんな朝顔の花が咲かない、つぼみがつかない原因として最も多くあげられるのが、日照時間の調整がうまくいっていないことと、肥料が多すぎることです。
原因1:明るい時間が長すぎる
朝顔は短日植物であるため、日中の明るい時間(日照時間)が短くなり、夜間の暗い時間が長くなることが開花のきっかけになるという性質をもちます。
つまり、朝顔は夜間に周囲をしっかり暗くしておくことが大切なのです。家の中の灯りが屋外にもれている場合、これを朝顔が「まだ昼が長い」と勘違いし、花を咲かせるための準備が進みません。
花を楽しみたい場合は、夜間に朝顔の周辺がしっかりと暗くなるよう、ダンボールなどで光を遮ったり、夜の間だけ暗い場所に移すなどしましょう。
原因2:肥料の量が多すぎる
朝顔の花をたくさん咲かせようと肥料を与えすぎると、逆効果になる場合があります。
特に窒素成分(N)が多いと、葉やつるばかりが伸びて、花芽がなかなかつきません。ただし、リン酸成分(P)が不足しても、花芽の形成がうまくいかないため、肥料の種類にも注意する必要があります。
朝顔へは、窒素が控えめでリン酸がしっかり入った肥料を、控えな量を与えるのが効果的です。
原因3:水やり加減がわるい
朝顔はつるを伸ばすためにたくさんの水を必要とします。そのため、生育期には1日2回水やりをしていきます。
水が足りていないとつるを伸ばすことができず、しだいに枯れていってしまいます。ただ、水を与えすぎて土が常に湿っていては根腐れを起こしてしまいます。
原因4:摘心をしていない
摘心とは、つるの先を摘み取って成長を止めて脇芽を増やす作業です。朝顔の本葉が7~10枚ほどに生えてきたら、敵芯を行いましょう。こうすることでつるが増え、花芽の数も多くなりやすくなります。
これ摘心をしないと、ひとつのつるにだけ養分が集中し、花芽がつく数が少なくなることがあります。
原因5:まだ開花時期ではない
朝顔にはたくさんの種類があり、見た目や開花時期も違います。
例えば、日本朝顔は7月頃に最盛期を迎えるのに対して、西洋アサガオは9~11月、琉球アサガオは6~11月に花を咲かせます。
植え付ける前に、朝顔の種類を確認しておくことが大切です。
朝顔のつぼみを咲かせるコツは?

肥料や水やりは適量を守り、きちんと摘心をすることが、朝顔のきれいな花を咲かせるコツです。
肥料は、窒素・リン酸・カリウムの三要素が等分か、花の生長を促すリン酸が多めの液体肥料を、1週間に1〜2回くらい水代わりに与えるとよいですよ。
水やりは、気温が低い朝と夕方の2回、土の表面が乾燥していたらたっぷりと。地植えは、自然に任せてもかまいませんが、土がひび割れるほど乾燥しているときは、水やりをします。
摘心は、5~8月の間定期的に行うとつるがたくさん生え、株のボリュームが増します。本葉が5~8枚になったら1回、その後新しく生えた子つるの本葉が5~8枚になったら1回は最低限行ってください。
朝顔の花が咲かない原因はいつも同じ。

朝顔は見た目の可憐さに反して、生育旺盛な一年草です。ただ、夜間の明るさや肥料の量などちょっと手入れの方法を間違うと、きれいに花を咲かせないこともあります。
朝顔の花が咲かない原因は、これらであることがほとんど。さほどむずかしい作業は発生しないので、適切な環境で育ててあげましょう。そうすれば、朝顔はたくさんの元気な花を咲かせてくれますよ。