ぷるんと丸い紫色の粒を連なって付けるブドウ。秋の果物として親しまれ、ジュースやケーキの具材、ゼリーなど色々なレシピに応用して楽しまれます。そんなブドウの栽培の中で、最も重要な作業が剪定です。真冬の時期に行うので、寒さに耐えながらの作業となってきます。できるだけ無理なく作業をしたいなら、事前にどういったことをするのか知っておくと安心ですね。今回は、そんなブドウの剪定の時期と方法についてご紹介します。
ブドウの剪定の時期は?
ブドウの剪定の適期は、1~2月です。この時期になると、葉っぱは全て枯れ落ち、枝の生長具合が見やすくなります。
真冬にあたり、株が大きければ大きいほど時間がかかるので、風邪を引かないよう防寒対策をきちんとしてから取り組むようにしてください。
ブドウの剪定の方法は?
1年目
植え付けるタイミングで、株の生長を促すために樹高を切り詰めてから植え付けていきます。鉢植えは株元から高さ30cmほどのところで幹を水平にカットします。
地植えなら、地上60cmあたりのところで同様に切り戻しましょう。切った後は、切り口に癒合剤を塗っておくと、病気にかかる心配が減りますよ。
2年目
鉢植えならあんどん仕立て、地植えならフェンスを利用しての垣根仕立てや、支柱を利用して一文字仕立てにして楽しみます。誘引していく過程の中で、生育が遅く弱いつるは剪定してしまいましょう。
3年目以降
3年目以降になると樹形は仕立てられているので、品種に応じた剪定をしていきます。巨峰やピオーネなど木の勢いが強い品種は、実を結んだ枝に4~8芽残して、先端を切り落とす「長梢剪定」を行っていきます。
このとき枝数が多いようなら、バランスを見て余分なものはつけ根から切り落としてしまってもかまいません。
一方、木の勢いが弱いデラウェアやマスカットベリーAは、全ての枝を2~3芽残して剪定する「短梢剪定」を行っていきます。
いずれの剪定であっても、切り落とす場所は芽のところです。また、剪定が終わったら切り口に癒合剤を塗って病気への感染を防ぎます。
ブドウの剪定で注意することは?
ブドウはつる性植物ですが、つるは固く枝のような感触をしています。そのため、太いところは小さな剪定バサミでは切れないこともしばしば。
いくつかの剪定バサミを準備しておくと、無理なく作業を進められますよ。
ブドウの剪定のポイントは?
ブドウは、品種によって剪定の方法を変えることがポイントです。このとき、通常の剪定は芽の上や枝の先端を切り落としていきますが、ブドウは芽のところで切る「犠牲芽剪定」を行っていきます。これによって、剪定で枝が枯れることを防ぎます。
ブドウの剪定は経験を積んでいくことが大切
ブドウの剪定は、感覚を掴むことがむずかしく、プロでもどの枝を切ろうかと長時間悩むほどです。特に、長梢剪定は残す枝の選び方が大切で、慣れていない人はプロに頼んだ方が木を弱らせる心配が少なくすみます。
まずは剪定に取り組みやすいデラウェアなど樹勢の弱い品種から育て、少しずつ栽培のコツを掴んでいけるとよいかもしれませんね。
更新日: 2021年08月04日
初回公開日: 2016年05月26日