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大豆(ダイズ)の栽培|育て方のコツ、収穫の時期や方法は?

栄養価が高いのに、カロリーが低い健康食材である大豆。納豆や豆腐の原料になることから、古くから日本人の食生活には欠かせない存在になっていますよね。

実は、未熟な状態で収穫したものが「枝豆」で、丈夫で育てやすい家庭菜園おすすめの野菜なんですよ。今回は、そんな大豆の栽培について、育て方のポイントや苗植え、種まきの方法などをご紹介します。

大豆の栽培!種まきや苗植えの時期と方法は?

大豆(ダイズ)の栽培には、種を畑やプランターに直接まいて育てる方法と、苗まで育苗ポットで育てて畑に植え替える2通りの方法があります。

ただ、カラスや鳩などに発芽した大豆はエサとして狙われやすいので、家庭菜園なら育苗ポットで苗を育ててから植え付ける方が安心です。また、種まきからだと手間がかかるので、市販の苗を使ってもかまいません。

種まき

5〜7月上旬頃に種をまき、10〜12月頃に収穫します。発芽には15〜25度の気温が必要なので、十分暖かくなってから種をまきましょう。

以下は育苗ポットで苗まで育てる方法ですが、植え替えをしないでプランターや畑でずっと育てるときは、種同士の間隔が20~25cm空くようにし、1ヶ所に2~3粒種をまいてください。

  1. 直径9cm(3号)の育苗ポットに赤玉土小粒など種まき用の土を入れる
  2. 指の第一関節ぐらいまでが埋まるよう、2粒ほど種を土に押しこむ
  3. 土が乾かないよう水やりをして管理する
  4. 7~10日ほどで発芽し、本葉が1~2枚ほど生えた頃にプランターや地面に植え替える

苗植え

種まきから育てた苗、または園芸店やホームセンターに市販されている苗を購入してポットよりも大きな鉢かプランターを用意します。種まきよりも早く収穫できるので、早く収穫したい方や園芸が初めての方は、苗から栽培するのがおすすめですよ。

苗は葉が2枚程度で、葉が枯れていない、茎が太くて葉色が濃く、病害虫の被害を受けていないものを選ぶようにしましょう。

  1. 深さ20cm以上の植木鉢かプランターへ2/3ほど土を入れる
  2. 苗を植える穴を掘り、苗同士の間隔を20〜30cm空けて植える
  3. 苗の株元へ土を2〜3cmほど寄せ、水をたっぷり与える
  4. サヤが乾燥してパキパキと割れるようになったら収穫する

大豆の栽培!土作り、水やり、肥料の時期と方法は?

土作り

水はけがよく、弱アルカリ性の土でよく育ちます。大豆などのマメ科の植物は、連作障害を起こしやすいので、同じ土や畑で栽培するには1〜2年ほど期間をおく必要があります。

鉢やプランターは、市販の野菜用培養土を使うのがおすすめです。地植えは、植え付けの3〜4週間前に苦土石灰を1㎡あたりコップ1杯(100~150g)ほど混ぜて、寝かせましょう。

1〜2週間後、完熟牛糞堆肥と緩効性化成肥料を混ぜ込んでさらに1〜2週間寝かせておきます。水はけが悪いときは川砂を適度に混ぜてみてください。

水やり

枝豆は根を浅く張るため、狭い範囲の水しか吸収できないため、土の底が湿っていても、根の張っている地表近くはすぐに乾燥してしまいます。

そのくせ乾燥に弱いため、地表の土が乾燥したら、すぐに水をたっぷり与えてください。特に開花期から結実期には、乾燥が続かないように毎日観察しましょう。

乾燥していると花が早く落ちて実が付かず、大きく育たなくなります。

肥料

大豆などのマメ科の植物は、空気中の窒素を取り込んでくれる根粒菌と共存しているので、肥料は少なめでも栽培できます。むしろ、肥料が多いと生育不良を起こしてしまうので注意してください。

植え付けのときに、堆肥や緩効性肥料を混ぜ込み、花が咲いたら固形の肥料を施したら、その後は2週間に1度薄い液肥を与えるくらいで十分です。

大豆は摘心が必要?収穫の量を増やすコツは?

大豆に実をたくさん付けさせるためには摘心が必要です。本葉が4枚ほど出た頃、主茎の先端を切り取ります。また、大豆を上手に栽培するときは、「土寄せ」が必要です。

根を浅く張り、苗が倒れやすいため、本葉が1枚出たときと本葉が3枚出たときに株元へ土を寄せて苗を安定させます。

大豆を栽培したら収穫!時期と方法は?

10月下旬〜11月頃が収穫の時期です。葉っぱが落ちて、茎が茶色くなり、サヤを振って中の大豆がカラカラと音をたてるくらい乾燥させたら収穫の目安。

葉が黄色くなってくると枯れたかと思ってしまいますが、サヤの中の大豆はまだ育っているので水やりを忘れないようにしてください。

切った大豆の枝は2週間ぐらい日陰で干しておきます。その後、サヤの中の大豆を取り出して食べます。枝豆として食べたい場合は、葉の緑が濃くなる頃、サヤが膨らんできたら収穫してください。

大豆の育て方は保存も大切

収穫されたばかりの豆はまだ乾燥が十分にできていないので、通気性のよい袋に入れて常温で保存します。

梅雨時期から夏にかけては、乾燥剤を入れた蓋のできるビンなどに入れて常温で保存するとよいですよ。虫が付かないよう完全に密閉することがポイントです。

大豆の栽培で注意する病気や害虫は?

大豆は、モザイク病や白絹病、カメムシ、シンクイムシに注意が必要です。

モザイク病はアブラムシなどの害虫によって誘発される可能性があるので、アブラムシが寄ってこないよう防虫ネットを張ったり、過湿状態にならないよう土作りに注意してください。

アブラムシがたくさん発生したときは、殺虫剤を散布して退治しましょう。

白絹病は、連作した土地で発生しやすいので、同じマメ科の植物を一度でも育てたことのある土は、数年ほど期間を空けて使うようにしましょう。

カメムシやシンクイムシを見つけたら薬剤を散布して早めに駆除します。病害虫の被害にあった部分は元に戻らないうえ、2次被害を引き起こすかもしれないので、早めに切り取って処分してくださいね。

大豆の育て方のポイントは?

大豆を上手に育てるポイントは、土作りと、苗が倒れないように土寄せをすることです。

大豆などマメ科の植物は、肥料成分である窒素を空気中から取り込む働きをもつ根粒菌と共存しているため、肥料が少ない土地でもよく育ちます。

ただ、土の水はけが悪く過湿な状態が続いたり、土の耕しが不十分だったりすると根をしっかり張れず、生長が止まってしまいます。

水はけがよくなるよう川砂を混ぜ込み、地植えなら種まきや苗植えの前に数回ほど耕すようにして事前の土作りを進めていきましょう。

ふわふわな土でたくさんの日光と水を吸収させてあげれば、大きくておいしい大豆へと生長してくれますよ。

大豆を栽培してみよう

大豆は、プランターでも育てられる家庭菜園におすすめな野菜です。少ない肥料でも育ち、収穫後には色々な料理に使えるのがうれしいところ。

自分で育てた大豆で自家製の豆腐を作ってみるのも楽しそうですね。また、未熟な枝豆の状態で収穫してみると、気分を変わり、違う味わいを堪能できますよ。

更新日: 2019年12月07日

初回公開日: 2016年06月03日

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