赤や白、ピンクなど鮮やかな花を咲かせるアンスリウムは、南国ムードを漂わせる人気の観葉植物の1つです。一度花が咲くと長く楽しめる事と、育てる手間がかからないのも魅力ですよね。今回はそんなアンスリウムの育て方をまとめました。
アンスリウムとは?
アンスリウムはサトイモ科の観葉植物で、光沢のある鮮やかな色の花が特徴です。熱帯アメリカから西インド諸島が原産で、日本へは明治時代中期にもたらされました。
学名は、ギリシア語で花を意味する「anthosaura(アンサス)」と尾を意味する「oura(オウラ)」が語源となっており、その花姿を表しています。
花びらのように見えている部分は、カラーやモンステラなどのサトイモ科の植物に見られる「仏炎苞(ぶつえんほう)」という苞が大きく変化したものです。実際の花は中心にある尾のように突き出した部分(肉穂花序)に密生しています。
アンスリウムの育て方!苗の植え付け時期と方法は?
アンスリウムは、苗を鉢植えにして育てるのが一般的です。結実した実から採れる種を蒔いて育てる事も可能ですが、採取後すぐに植え付けないと発芽率が極端に低下することから、あまり行われません。
また、日本の冬の寒さに耐える事ができず土も普段、使用する培養土などで植え付けると根腐れを起こしやすいことから、庭植えには適しません。
植え付け手順
苗は、5~7月の湿度が高い時期に、一回り大きな鉢に植え付けていきます。水はけと水もちが良い土壌を好むので、用土は鹿沼土と粒状のパーライト、ピートモスを同じ割合で混ぜた配合土か、ヤシ殻チップ、水ゴケなどを準備してください。
市販のアンスリウム用土を使っても構いません。ポットから株を取り出したら、根鉢を半分ほど崩し、根を下の方から1/3カットします。そして鉢底石を3cmほど敷いた鉢に用土を入れ、苗を植えていきます。最後に鉢底から流れ出るくらい、たっぷりと水を与えれば植え付け完了です。
アンスリウムの育て方!水やり、肥料の与え方、日常管理の方法は?
水やり
アンスリウムは、熱帯の植物なので温度が高く、やや湿気の多い環境を好みます。そのため水切れに注意し土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。
トレーに溜まった水は土が乾きにくくなり、根が呼吸出来なくなり根腐れの原因となるので必ず捨ててください。空気中の湿度を高めるために時々、霧吹きでは水を与えると効果的です。
冬は生育が衰えるので、水やりの回数を少なくします。ただし、暖房を使用していると、乾燥しすぎるので霧吹きで葉水をして管理してくださいね。
肥料の与え方
肥料は、5月中旬以降の生育期には、月に1回薄めた液体肥料を施すか、緩効性の置き肥を1~2回施すだけで十分です。冬の休眠期に肥料を与えると、根腐れを起こすので注意してください。
アンスリウムの日常管理!花がら摘みの方法は?
よく花を咲かせるために花色があせてしまったら、花茎を根元から切り取ります。この花がら摘みを行うことで次の花の生長が促されます。
アンスリウムの植え替えの時期や方法は?
アンスリウムは根が鉢に張ってしまうと根腐れを起こして枯れてしまうので2~3年に1回、一回り大きな鉢に植え替えます。時期は5~7月で、植え替えの方法は植え付け時の手順と同様です。同じときに仕立て直しを行うと株も増やせていいですよ。
アンスリウムの増やし方!仕立て直しと株分けの時期、方法は?
仕立直し
株が大きくなって草姿が乱れてきたら仕立て直しを行います。この時に子株が育っているようであれば、株分けで増やします。5月中旬~7月上旬が仕立て直しの適期です。
親株の地上部に出ている根を、できるだけ多くつけて切り戻し、鉢に挿していきます。この時、親株の根は葉の付け根が埋まらない程度に浅植えにしましょう。元の株はそのままにしておけば子株が成長してまた楽しめます。
とり木
伸びてしまった茎に水ゴケを巻いて縛ってください。そして、その水ゴケに水を与える事で根が生えてくるので、ある程度発根したら取り木した箇所のすぐ下で茎を切って、新しい株を植え替えてください。
株分け
掘り上げた株から土をきれいに取り除き、絡み合った根を丁寧に分けて、ナイフなどを使って適当な大きさに株を分けてください。1株を2~3株程度に分けるのがおすすめです。
アンスリウムの栽培で注意する病気や害虫は?
アンスリウムは、ハダニやアブラムシが発生することがあります。どちらの害虫も株の栄養を吸汁して弱らせてしまうので見つけ次第取り除いていきましょう。また、春から夏の時期は霧吹きで葉水をすれば予防になります。
根腐れは、過湿の状態で起こりやすいので、土壌は乾燥してから水を与え、受け皿に溜まった水は必ず捨てるようにしましょう。
アンスリウムの育て方のポイントは?
アンスリウムは熱帯地方の植物ですが、そのイメージと反して直射日光に弱く葉焼けを起こしてしまうことがあります。戸外の半日陰か、レースのカーテン越しに日光が当たる場所で育てるのが理想です。あまり薄暗い場所で育てると花が咲かなくなるので注意してください。
また、寒さに弱く10度以上の気温がないと越冬できないので暖かい場所で育てるようにしてください。
アンスリウムの花は長い期間楽しめる!
アンスリウムは南国ムードを演出してくれる赤や白などの花を5月から10月までの長い間楽しむことができます。また常緑性で、緑色の葉っぱは1年中鑑賞することができますよ。ぜひ、アンスリウムの花をお部屋に飾ってみてくださいね。
更新日: 2020年10月29日
初回公開日: 2015年08月03日