バーベナは、桜のような小花が集まって咲く姿から、「美女桜(ビジョザクラ)」という別名がつく花です。育てる手間がかからず、ガーデニング初心者でも育てやすいので園芸植物として人気があります。今回は、バーベナの育て方について、挿し木の増やし方や切り戻しによる剪定方法・時期などを紹介します。
バーベナの育て方のポイント!一年・宿根バーベナとは?
バーベナには「一年性タイプ」と「宿根性タイプ」の2種に大別することができます。いずれのタイプも日当たりと風通しがいい環境を好みますが、寒さや暑さへの耐性がそれぞれ違います。
一年性タイプ
寒さや暑さに弱いため、移動させやすい鉢植えで育てるのに向いています。春・秋はベランダに置き、夏と冬は適度に日の当たる室内で管理しましょう。
宿根性タイプ
寒さや暑さに強く、環境の変化に対応できる性質をもっています。鉢植えや庭植えの両方に適しています。日当たりと風通しのいい環境であれば、元気に育ってくれますよ。
バーベナの育て方!種まき、苗植えの時期と方法は?
種まき
発芽適温は15~20度で、3月中旬~4月下旬か、9月中旬~10月が種まきに適しています。自家採種した種をまくときは、発芽を抑制する物質や汚れを取り除くために、一晩ぬるま湯に浸けて、よく洗っておきましょう。
種まき用ポットやセルトレーなどの育苗箱に種が重ならないようにばらまき、薄く土をかけて、種が流されないようにそっと水を与えます。
3週間ほどで芽が出て、本葉が4枚ぐらいになったら、6〜9cmポットなどに一旦植えて(仮植え)根や本葉をもう少し大きく育ててください。十分に根をはり、葉が育ったら一回り大きな鉢や庭に植え替えます。
苗植え
苗は4~5月に出回ります。購入したもののタイプに合わせて、早めに鉢や庭に植え付けましょう。種から育てて大きくなった苗は、5~7月下旬に鉢や庭に植え付けます。
バーベナの育て方!土作り・水やり・肥料の与え方
土作り
バーベナは水はけの良い有機質が豊富な土を好みます。鉢植えの場合は市販の培養土か、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:川砂2の配合土を準備しましょう。庭植えの場合は、掘り起こした土に腐葉土を混ぜ込んで水はけをよくしておきます。
水やり
庭植えであれば、極端に土が乾いているとき以外、水やりの必要はありません。鉢植えの場合は、土が乾いたらたっぷり水を与えてください。土が乾燥するまでに水やりをして過湿状態が続くと、根が酸素不足になって根腐れを起こし、株が弱るので注意してください。
肥料の与え方
花を長く楽しむために、肥料をたっぷりと与えます。植え付けるときに、ゆっくりと効く緩効性の化学肥料を混ぜ込みます。
また、春と秋は1ヶ月に1回固形の肥料を株元から少し話した場所に置くか、1週間に1回液体肥料を与えます。ただし、夏に肥料を与えると、株が弱ってしまうので注意してください。
バーベナの剪定!切り戻しの時期と方法は?
一年性タイプ
花が咲き終わった後に種がつくと、栄養が種を作るために使われ、株が弱って開花期間が短くなります。枯れた花は、首元から切り落としましょう。種を採取したい場合は、そのまま付けておきましょう。また、枯れた葉をそのままにすると病害虫が発生しやすくなるので、定期的に取り除いてください。
宿根性タイプ
横にはって伸びる種類は、8月中旬~8月下旬頃に、半分くらいの長さに切り戻すと、見た目のバランスが整います。剪定をすると、切り戻してから7~10日ほどでわき芽が伸びて、株がさらに大きく育つので、好みの大きさに合わせて切り落とす量を調節してくださいね。
バーベナの育て方!植え替えの時期と方法は?
一年性のバーベナは、植え替えの必要がありません。ただ、宿根性タイプを鉢植えで育てているときは、5~7月中旬に一回り大きな鉢に植え替えてください。水はけ・水もちが悪くなった、株が混みあって鉢が根でいっぱいになった、鉢底から根が出てきた時などが植え替えの目安です。
バーベナの寄せ植えにおすすめの花は?時期や方法は?
バーベナの寄せ植えには、ペチュニアやスーパーアリッサムなどの花がおすすめです。開花期が夏の植物と合わせると、色鮮やかな寄せ植えを楽しむことができますよ。
春から夏にかけて、大きめの鉢やプランターを用意して寄せ植えをします。草丈が同じくらいのペチュニアを鉢の中心に据え、周りをバーベナで囲むと鮮やかな色合いの寄せ植えが作れます。
また、花のサイズが似ているスーパーアリッサムとの寄せ植えは、こんもりとかわいらしく仕上げることができ、
バーベナの増やし方!挿し木の時期と方法は?
一年性タイプは種で、宿根性タイプは挿し木で数を増やすことができます。種まきは、上述した時期と方法と同じです。
挿し木は、4~5月か9月に、茎を5~6cm切り取って挿し穂を作ります。30分ほど切り口を水に浸けた後、切り口にルートンなどの成長調整剤をまぶして、土に挿し込みます。
土は挿し木用培養土や赤玉土の単用を小鉢やポットに入れて用意しておきましょう。2週間ほどで根が出るので、十分に育ったら一回り大きな鉢や庭に植え替えてください。
バーベナの育て方で注意する病害虫は?
うどんこ病
高温多湿の環境で発生しやすい病気です。葉や茎がカビの糸で覆われると、光合成ができなくなり、弱って枯れてしまいます。また、放っておくと近くの植物にも感染が広がります。
症状が進むと株ごと処分しなければいけませんが、発生初期であれば薬剤で繁殖を抑制できます。早めに発見できるよう、よく葉や茎を観察しながら風通しの良い環境で育てましょう。
アブラムシ
5~9月に発生する害虫で、植物の汁を吸って栄養を奪い、弱らせます。確認したらすぐに殺虫剤で駆除してください。
バーベナの育て方は種類によって違う
バーベナは、一年性と宿根性で好みの環境や増やし方などが若干異なります。ただ、いずれのタイプであっても基本的には丈夫で育てやすいので、気負わずに育ててみてください。4~11月の長い間、赤や白など様々な色の花を咲かせてくれますよ。
更新日: 2022年03月16日
初回公開日: 2015年08月28日