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ピラカンサの育て方|品種ごとの剪定方法や、栽培のポイントは?

生垣や鉢植えとして栽培されることの多いピラカンサは、数種類をまとめてピラカンサと呼ばれる植物です。春に咲く白い花と、秋になる実の両方を楽しむことができます。今回はピラカンサの特徴や品種別での剪定方法などを紹介していきます。

ピラカンサとは?

ピラカンサ

ピラカンサとは、ヨーロッパ南部からアジア南西部にかけて自生している常緑低木で、バラ科トキワサンザシ属の種類の植物の総称です。

日本へは、明治時代半ば頃に渡来したそうです。秋になると、鮮やかな赤い実を実らせます。耐寒性もあるので、冬越ししやすいのも特徴です。

ピラカンサの育て方!土づくりのコツは?

ピラカンサは、水はけがよく日当たりのよい場所さえ確保できれば、どんな場所でも生長できる丈夫な植物です。土は、山野草用や草花用の培養土などを利用すると植えやすいでしょう。

植えつけの土の水はけよくするには、赤玉土(小粒)を少量混ぜると団粒構造が形成できます。赤玉土を使って土を作る場合は、赤玉土7:腐葉土3の割合で配合します。土が乾燥し過ぎないように注意しましょう。

ピラカンサの育て方!種まきの方法は?

ピラカンサは種まきをして育てていくこともできます。種は市販されていますが、街路樹などで植えられた樹から落ちた実を拾って種として利用することも可能です。種まきは、10月中旬から12月頃に、熟した果実から果肉部分を洗って取り除いたものを種としてまきます。

もし冬の間に発芽した場合は、寒風や霜が直接当たらないよう室内に置き、芽が徐々に大きくなり育ってくる苗を春に鉢上げします。冬の間室内に置く際は、暖房が当たらない場所を選びましょう。暖房が当たると土が乾き、せっかく伸びた芽がしおれてしまうこともあるので注意しましょう。

ピラカンサは寒さが和らぐ3月~4月ぐらいの間に新芽が伸び始めるので、その頃が植え付けに適しています。もしくは10月~11月頃に植え替えするとよいでしょう。

庭植えしている場合は、深さと幅が根鉢の2倍以上になるように植え穴を大きめに掘ります。植え穴を掘ったら、腐葉土や元肥を混ぜて株元が深植えにならないように植え付けます。

鉢植えの場合は、2年に1回を目安に植え替えします。植え替えの際は、ひと回り大きな鉢に植え替えするようにしますが、新しい鉢に植え付ける前に根を1/3ほど整理してから植え付けます。また新しい鉢に植え替える際には鉢の大きさとのバランスも考えながら枝も切り詰めます。

ピラカンサの育て方!日当たりや置き場所は?

ピラカンサ

ピラカンサは日当たりがよく、水はけのよい場所に置きましょう。真夏の直射日光にはできるだけ当たらないように、気をつけてくださいね。

ピラカンサの育て方!水やりのコツは?

庭植えでは特に必要ありませんが、乾燥しやすい夏の高温期においては、日中の暑い時間帯を避け、朝か夕方に水やりするのをおすすめします。

鉢植えで育てている場合は、枝の生長期にあたる春から秋にかけては特に水やりをしっかりと行いましょう。鉢底から水が染み出るまでたっぷりと与えます。

庭植えでは水やりはほとんど必要ありませんが、高温期で乾燥が早まる夏などは、枝葉の状態を見ながら朝もしくは夕方に1回水やりをしましょう。鉢植えの場合は庭植えよりさらに水切れしやすいので、晴天や高温が続く場合は、1日~2日おきなどこまめに水やりをしましょう。枝が伸びる春から秋までは水を切らさないように気を付けましょう。

ピラカンサの育て方!肥料の与え方は?

ピラカンサ

ピラカンサに肥料を与える時期ですが、庭植えの場合は、2月下旬〜3月上旬に粒状肥料を1㎡あたり150g程度、もしくは固形の油かすや、緩効性化成肥料を施します。

鉢植えの場合は、寒肥とは別に6月中旬〜上旬に用土1リットルあたり5gの粒状肥料を株元にばらまき、お礼肥として施します。

ピラカンサの育て方!注意すべき病害虫と対策法は?

ピラカンサ

ピラカンサで注意すべき病気については特にありません。害虫ではハマキムシが春と秋に発生することがありますので、虫がついている葉をみつけたらその枝ごと切り落とします。

ピラカンサの植え替え方法は?

庭や鉢植えで植え付けたピラカンサは、再度植え替えする場合は、2年に1回を目安に一回り大きな鉢に植えかえます。植え替え時期は、寒さが和らぎ、3月から4月の新芽が伸び始める時期です。

その際、根を⅓ほど整理し、鉢の大きさとのバランスも見ながら、枝も切り詰めます。

ピラカンサの増やし方は?

ピラカンサはさし木と種まきで増やすことができます。

挿木の場合

6月から7月頃におこないます。挿木には、その年に伸びて堅くなった枝を挿木用土などに挿して苗を増やします。挿木には挿木用用土の他、鹿沼土や赤玉土(小粒)を使うとよいでしょう。

種まき

種まきは、10月中旬から12月、熟した果実を採取し、果肉を洗って取り除いたものをまきます。冬の間に発芽した場合は、寒風が当たらない室内などに置き、春に鉢上げします。冬場、暖房などで土が乾燥しないように気をつけましょう。

ピラカンサの剪定の時期や方法は?

ピラカンサ 花

ピラカンサの花芽は11月頃に出てきます。剪定は6月下旬から9月頃までの開花後または、3月〜4月にかけてにおこないます。さかんに芽吹くので、生け垣にしたり株全体をよりコンパクトにまとめたい場合は、強剪定をし切り詰めます。また徒長枝もよくでるので、その場合は枝の基部から切除します。

また、ピラカンサの剪定については品種によって剪定は時期が少しずつ異なります。そこで、トキワサンザシとタチバナモドキについてみると、剪定時期の違いがあることがわかります。

トキワサンザシ

トキワサンザシの剪定は、上記でも述べましたが、開花後6月下旬〜9月の間におこなうのをおすすめします。しかし、この期間中でも8月以降は翌年の花芽を作り始めていることが多いので、剪定するのはなるべく8月までに済ませてしまう方がよいでしょう。

タチバナモドキ

タチバナモドキの剪定時期は3月〜4月ごろにおこなうのをおすすめします。タチバナモドキは開花後6月頃に次の新しい花芽をつけ始めるため、誤って切り落としてしまうのを防ぐためです。花を確実に咲かせるためにも、花芽が生えてくる前に剪定に取り掛かりましょう。

その他、ピラカンサは生け垣で仕立てることも可能です。生け垣に仕立てる場合は、12月〜2月頃に剪定することもできます。

冬場に剪定をおこなうと、11月頃に生えてきた花芽を誤って切り落としてしまうこともあります。確実に花を咲かせたい場合は、この時期の剪定を避けた方が無難です。

ピラカンサの育て方のポイント?

ここまでで、ピラカンサの育て方のポイントをまとめてみましょう。

1.植え付け場所や置き場所は、日当たりのよい場所を選ぶ。

2.剪定する際は、種類ごとに剪定に適した時期に合わせて剪定する

などです。次シーズンの花芽をうまく残すためにも剪定時期は間違えないようにしましょう。

ピラカンサを育ててみよう

ピラカンサ

丈夫で育てやすく、実も花も美しいピラカンサ。植え付け後放っておくと徒長枝が伸びやすく、樹形も乱れがちになるので育てる際は、誘引や剪定など定期的に管理しましょう。

更新日: 2021年12月01日

初回公開日: 2020年07月28日

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