植物を育てるために必要となる土。いろいろな種類があり、性質も様々です。そのため、育てる植物に合った土を選ぶことが、ガーデニングで大切なことの1つ。今回は、たくさんある土の中でも、黒土とはどんな土か、特徴や成分、水はけ、価格相場についてご紹介します。
黒土とは?特徴は?
黒土とは、黒色がかった火山灰土のことをいいます。赤玉土や鹿沼土などが採取される関東ローム層の表層部分から採取することができます。
見た目が黒いことと、軽くて柔らかく踏むとボコボコやボクボクと音がすることから、「黒ボク」「黒ボコ」とも呼ばれます。一般に畑用の土として親しまれ、有機物に富みふかふかなことから、根菜などを変形させずに育てられる特徴があります。
黒土の成分や水はけは?
黒土は、火山灰と枯れた植物が交じり合ってできています。やや酸性。保水力と保肥性には優れていますが、通気性と排水性が非常に悪く、栄養も不足していますため、単体で植物を育てることはむずかしいとされています。
また、リン酸を吸着する性質があり、肥料を与えても黒土がリン酸分を奪ってしまってしまうことがあります。そのため、リン酸を多く必要とする植物は、黒土に植え付けるのは不向きです。
黒土の使い方は?畑に足すの?
植木屋さんに、庭の土をお願いすると黒土を持ってきてくれることが多い土です。木の植え込みや畑で使われることが多い土です。特に野菜を育てるのに適しており、根を張りやすく、根菜類などは変形が少なくなります。
ただし、雨が多い場所などでは、土がなかなか乾かず、靴などが汚れることが多いので、庭木を植える場所、花壇、畑等の限られた場所に入れてもらうと良いでしょう。
水はけが悪いので、赤玉土や鹿沼土など水はけのよい土と一緒に混ぜて使うとよいですよ。黒土2:赤玉土3:堆肥3:腐葉土2の割合で混ぜ合わせるのがおすすめ。また、古い土5に対して、黒土2:堆肥3を混ぜると土が元気になり、今まで通り使うことができます。
市販されている黒土は、販売元などに産地や製造方法が違います。中には木の根っ子や雑草が混ざっているものもあるので、使う前に日光殺菌をした方が病気や害虫の心配が少なくすみます。
黒土を使うときの注意点は?
黒土は水もちがよい反面、水はけが悪い土とされています。また、通気性もよくありません。特に鉢植えで使うときに黒土が多いと根腐れを起こす原因となるので、腐葉土やパーライトを混ぜて水はけと通気性をよくしておきましょう。
黒土の値段の相場は?
価格は大袋(約10~20L)で200~600円と幅があります。高温で焼いて雑菌や雑草の種を排除したものが、ガーデニングで使う場合はおすすめです。
黒土を活用して植物の栽培を楽しもう
黒土は、水はけや通気性が悪い反面、水もちや肥料持ちのよい土です。メリット、デメリットを理解しておくと、他の土と混ぜ合わせるときに活用しやすくなります。
特に乾燥を嫌う植物や、根菜など柔らかい土で育てた方がよい植物には、黒土を使うのがおすすめです。基本の土の1つとして、手元に1袋置いておくとよいですよ。
更新日: 2021年04月13日
初回公開日: 2015年12月27日