桜は春を代表する花木で、古くから風情を感じさる存在として親しまれてきました。満開の時期を迎えると、木を覆うようにたくさんの花が咲き乱れます。その美しい姿は、思わず見とれてしまう方も多いのではないでしょうか?ただ、桜の香りを感じることはあまりありませんよね。
今回は、桜の花の香りや効能、葉の塩漬けの作り方、桜茶の入れ方についてご紹介します。
桜の花や葉っぱはどんな香り?良い匂いがする?
桜の香り付けがされたお菓子には、桜餅や道明寺などがありますよね。桜の香りが付けられた和菓子があります。ただ、においをかいでも、花からはにおいがしないことから、作られた香りなのではと思う方もいるのではないでしょうか。
実際、花や葉っぱにはクマリン、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、β-フェニルエチルアルコールといった香り成分が含まれています。ただ、主成分であるクマリンは、糖質と結合していると香りを放たないという特徴があります。
そのため、葉っぱや花を加工して、糖質とクマリンを分離させることで、甘く濃厚な香りを放つようになります。
桜の香りの効果・効能とは?
シャンプーやボディーソープ、ハンドクリーム、香水などのコスメにも使われる桜の香りは、上品でふんわりと優しい印象から、好む方がたくさんいます。また、バラ科であることから、抗菌作用や咳止めといったローズエッセンシャルオイルと近い効能があります。
ほかにもリラックス効果があることから、イライラの抑制やストレスを減退させる作用も。さらに、桜葉エキスにはシミの元となるメラニンの生成を抑え、美白や保湿、抗炎症といった肌荒れを防ぐ効果期待できます。
桜の花の塩漬け(桜漬け)!作り方は?
オオシマザクラや八重桜など、葉っぱの柔らかい品種は、塩漬けにして香りを楽しむことができます。できあがったら、桜餅などの和菓子や、甘鯛の桜蒸しなどの和食料理に活用してみてください。
桜の花の塩漬け
■ 準備するもの
● 軸ごと摘み取った桜(八重桜):200g
● 塩:50g
● 保存用の塩:適量
● 梅酢(白梅酢、または赤梅酢):大さじ4
● キッチンペーパー
● 重石
1. 枝から摘み取った桜の花を、よく水で洗う
2. ざるに上げた後、キッチンペーパーで水分を拭き取る
3. 桜と塩を混ぜ、タッパーに入れ、上から重石を乗せる
4. 1番漬け込んだら、花の水分を絞って取り除く
5. 梅酢を入れる
6. 再び重石を乗せ、3日ほど置く
7. キッチンペーパーに広げて2~3日陰干しする
8. 保存用のビンに入れて塩を加える
桜の葉の塩漬け(桜漬け)!作り方は?
桜の葉の塩漬け
1. きれいな葉っぱを数枚摘み取り、よく水で洗う
2. 水切りをして沸騰したお湯にくぐらせる
3. すぐに氷水で冷やす
4. 5~6枚ずつ束ね、水をきる
5. 葉っぱの表裏に塩をまぶしていく
6. タッパーなどの容器に葉を並べ、上から重石を乗せる
7. 2~3日して水分が出たら、水をきってサランラップに包んで冷蔵庫で保存する
桜茶の入れ方は?
塩漬けにした桜の花は、桜茶にして楽しむことができます。結納などのお祝いの席で振る舞われるほか、二日酔いを和らげる効果もあるといわれていますよ。
1. 桜の塩漬けを湯呑みに1房入れる
2. ぬるま湯を注ぎ、5分ほど塩抜きをする
3. 別の湯呑みに塩抜きした桜を入れ、お湯を注ぐ
4. 塩抜きに使ったぬるま湯の上澄みをスプーン1杯ほど加え、味を整える
桜の塩漬けを作ったり桜茶の入れ方を覚えて香りを楽しもう!
花や葉っぱを塩漬けにすることで、香りが生まれる桜。その香りをかぐと、春のおとずれを一層感じることができそうですね。また、塩漬けにした花は、桜茶だけでなく、ジャムや漬物などにもなります。紅茶に入れると、ほんのり甘い香りが加わって、違った味わいを楽しめますよ。
更新日: 2022年04月13日
初回公開日: 2015年11月22日