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コンポスト・コンポスターとは?作り方、使い方、価格、注意点まとめ

コンポストと聞くと、「生ゴミや庭の枯れ木などを集めて土にすること」と思われてわれている方も多いのではないでしょうか。

ただ、実際にはどういう仕組で何が行われているのかなど、知らないことがたくさんありますよね。そこで今回は、そんなコンポストとは何か、作り方や使い方、価格や注意点などについてご紹介します。

コンポストとは?コンポスターとの違いは?

コンポスト

コンポストとは、枯れ葉や家庭からでた生ごみなどの有機物を、微生物や菌の力で分解発酵させてできた「堆肥(たいひ)」のことです。そして、コンポストを作る容器のことを「コンポスター」と言います。

しかし、日本では「コンポストを買う」「コンポストで堆肥を作る」など、堆肥そのものと、堆肥を作る道具の2つの意味が混合して使われています。

そこで、本文では堆肥を「コンポスト」、堆肥を作るグッズを「コンポスター」として紹介します。

コンポストの作り方やコンポスターの使い方は?

コンポストの作り方は簡単です。まずは、コンポスターとなる容器と、原料になる米ぬかやピートモス、くん炭を用意します。

あとは、用意した原料をコンポスターに入れ、ときどきかき混ぜてできあがるのを待つだけです。

また、コンポスターには、庭穴を掘って穴を覆うように覆いかぶせる「鐘の形状タイプ」と、手動で回転する「回転式密閉タイプ」の2種類があるのでそれぞれの使い方をご紹介します。

■ 鐘の形状タイプ

コンポスト コンポスター
  1. コンポスターで隠せるだけの穴を庭に掘る
  2. コンポスターをかぶせる
  3. コンポスターのフタをあけて生ゴミや落ち葉などを入れる
  4. 生ゴミの後に土を被せる
  5. 3〜4を繰り返して放置する
  6. 最後に放置してから1~2ヶ月ほど寝かせて完成

■回転式密閉タイプ

コンポスター 堆肥 肥料

回転式の場合は、原料を簡単にかき混ぜられるメリットがあります。鐘の形状タイプとは違い、庭に穴を掘る必要はなく、コンポスターの中に生ゴミと土を入れるだけです。

家の外に置いて、生ゴミと土を追加する度にかき混ぜてコンポスト化を促進させましょう。

良質なコンポストを作るコツは?コンポスターの上手な使い方は?

コンポスト

コンポスターは使い方を間違えると、悪臭のトラブルになったり、不完全なコンポストを作りあげてしまいます。

そこで設置型の「鐘の形状タイプ」を例に、良質なコンポストを作るコツをご説明します。

1. 日当たり、水はけのよい場所を選んで設置する

コンポスターは地中に10cmほど容器を埋めるのがポイント。強風で動く可能性があるので、掘った穴の土を、コンポスターの周りに集めて固めておきましょう。

2. 生ゴミや原料は「新鮮なうちに」「細かく切って」「水切りしてから」入れる

コンポストは簡単にいうと、「微生物が原料を細かく分解する」ことで作られます。つまり、最初から細かく切ったり分解されているほど、コンポスト化されるまでの時間が短くなります。

また、新鮮なうちに、水を切っておくことで悪臭を防止できます。

3. 原料には土を被せる

生ゴミなどの原料を入れた後は、必ず土を被せましょう。土には、微生物を多く含み、水分を吸収し、悪臭を防ぎ、コンポスト化を進めてくれる効果があります。

4. 中身をかき混ぜる

定期的に中身をかき混ぜるのは、土の中に新鮮な空気を含ませる意味があります。新鮮な空気があることで微生物の活動がが活性化するのです。

5. 満タンになったら保温して放置する

コンポスターの中身が満タンになったら、あとはコンポスターを取り外して、土やビニールなどを被せて保温・放置します。微生物の活動が活発になると土の中の温度が上昇するので、保温できるよう被せ物をしてください。

コンポストは虫がよってくる?悪臭や虫のトラブルの原因は?

コンポストを作るうえで注意したいのは、「微生物が分解できないもの」をいれないこと。悪臭とコンポスト化が遅れの原因になります。次に入れてはいけないものと、入れてよいものの例をご紹介します。

■ 入れてはダメなもの

肉、骨、貝殻、調理された食品(特にドレッシングや油たっぷりのもの)、竹の子の皮、石炭や木炭の灰、犬猫や人の糞尿、そして病気におかされた植物

■ 入れてよいもの

黒土、落ち葉、病気にかかっていない刈り取った草花、乾燥させた芝や雑草、野菜くず、卵の殻、茶葉、コーヒーかす(少量のみ)、牛・豚・鳥のフン

コンポストやコンポスターの価格は?通販の相場は?

コンポスト(堆肥)の相場は、10〜15Lあたり1,000円ほどです。設置型のコンポスターは、100〜200Lで3,000〜1万円ほど、回転式のコンポスターは少し値がはって同じ容量で1~3万円ほどです。

どちらも、ホームセンターや通販で購入できます。また、自治体によってはコンポスターの購入を申請すると補助金を出してくれる場合があるので、お住いの役所に確認してみてください。

コンポスターを購入するなら、発酵促進剤やコンポスト用の菌床もを購入しておくと便利なのでおすすめです。

コンポストで楽しいガーデニングライフを

コンポスト作りに慣れると、ガーデニング用の土を手作りできるだけではなく、生ゴミを分別して捨てる手間が省けます。

また、自分で作った土が手元にあると、ガーデニングや植物の育成にも一層気持ちが入りますよね。まだコンポスト作りをしたことがない方で庭にスペースのある方は、ぜひこれを機にコンポスト作りへチャレンジしてみてくださいね。

参考文献: 農林水産省 健康な土づくり技術マニュアル

更新日: 2021年09月15日

初回公開日: 2015年05月31日

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