スモークツリーは、ヨーロッパから中国に広く分布している雌雄異株の落葉樹です。初夏に咲く糸のように伸びた花姿が、まるで煙のように見えることから「スモークツリー」と名付けられました。この煙る様子が、フラワーアレンジやブーケ作りではよいアクセントとなり人気があります。今回は、そんなスモークツリーの花言葉や種類・品種についてご紹介します。
スモークツリー(煙の木)の花言葉は?
『賑やかな家庭』『煙に巻く』『賢明』『はかない青春』
「煙に巻く」は、花が咲くと木から煙が上がったように見えることからつけられました。「はかない青春」は、煙がすぐに消えてなくなるさまを、短い青春に例えたことに由来しています。
スモークツリー(煙の木)の学名・原産国・英語
- 学名
- Cotinus coggygria
- 科・属名
- ウルシ科・コティヌス属(ハグマノキ属)
- 英名
- smoke tree
- 原産地
- ヨーロッパ、中国
- 開花期
- 5~8月
- 花の色
- 淡緑、赤紫、ピンク
- 別名
- 白熊木(ハグマノキ)
煙の木(ケムリノキ)
霞の木(カスミノキ)
スモークツリー(煙の木)とは?どんな植物?
スモークツリーは、英名を「smoke tree」、和名を「煙の木」というように、国を問わず「煙」をイメージしている名称がついている樹木です。南ヨーロッパから、ヒマラヤ、中国と広い範囲に分布し、樹高は3~5mほどに生長します。
初夏から真夏にかけて、雌の木は長さ20cmほどの花穂をつけます。直径3mmほどの目立たない花を咲かせた後、残った軸の部分が羽毛のようになり、煙が立ち上っているような姿になります。これは、種が遠くに飛ぶように進化したもので、雄株の花には見られません。そのため、園芸では雌株がよく植えられています。
スモークツリー(煙の木)の開花時期は?どんな花を咲かせる?
スモークツリーの開花は初夏の5~6月頃ですが、花自体はとても小さくあまり目立ちません。花よりも、その後のモクモクとする軸や色付いた葉の色を主に楽しむ花木です。
スモークツリー(煙の木)に触るとかぶれる?
肌の弱い方が植え付けにスモークツリーへ直接触れると、「ウルシオール」という物質に反応してかぶれることがあります。ウルシ科の植物が多く含む物質で、スモークツリーの所属するコティヌス属やウルシ属の植物などがそうです。
肌が敏感な方は、植え付けや剪定など、直接触れる機会には、念のため手袋などで肌を保護しておくと安心ですよ。
スモークツリー(煙の木)の種類は?
ラブリーローズ
花つきがよく、樹形が美しい品種です。淡いピンク色の花がかわいらしく、切り花やドライフラワーとして利用されるほか、シンボルツリーにもぴったりですよ。耐寒性・耐暑性があり、育てやすいとされています。
ロイヤルパープル
花よりも葉の鑑賞価値が高い品種です。赤紫色の葉が特徴で、ヨーロッパでは庭木の定番となっています。
グレース
穂も葉も楽しめる品種です。ロイヤルパープルに比べて葉色は淡く、穂は濃い赤色をしています。
丈夫で生育が早く、すぐに大きな木へと生長するので、庭の広いスペースに植えてください。
ピンクファー
新しい品種で、若木の頃から花をつけます。淡いピンクの花を咲かせ、花後に綿毛のようなフワフワとした穂をつけます。緑の葉とピンクの花柄のコントラストが美しい品種です。
ヤングレディ
若いうちから花つきがよく、たくさんの花を咲かせます。コンパクトな木を穂が覆い、まるで木全体が煙に包まれたようになりますよ。晩秋には葉も銅色に色付き、紅葉を楽しむこともできます。
スモークツリー(煙の木)はユニークな花木
穂が木を覆うような姿や紅葉が楽しめるスモークツリー。特に綿毛のような軸がかわいらしく、見頃の時期になると、庭がやさしい雰囲気になりそうですね。落葉樹なので、葉っぱが落ちる時期の手入れは少し大変ですが、それ以外は育てやすく、初心者にもおすすめです。すぐに大きくなるので、育てがいがありますよ。
更新日: 2022年08月31日
初回公開日: 2015年12月26日