スパティフィラムは、真っ白な花びらを咲かせる姿が美しく、『上品な淑女』『清らかな心』というすてきな花言葉をもっています。細い茎からは繊細そうな印象を受けますが、育てやすく、プレゼントにも喜ばれます。今回は、植え替えの時期と方法など、スパティフィラムの育て方をご紹介します。
スパティフィラムの育て方のポイントは?
直射日光を当てず、明るい日陰で育てるのがポイントです。強い日差しに当たると、葉が焼けて変色し、枯れてしまいます。しかし、日陰に置くのもNG。ある程度日光に当たらないと、花が咲かなくなってしまいます。
スパティフィラムの種まきや苗植えの時期と方法は?
種まき
種は市販されていないため、採取したものすぐに土へまきます。
1. 育苗箱などそこの浅い容器に、赤玉土(小粒)と水苔を混ぜあわせた土を入れる
2. 重ならないよう、種をばらまく
3. 薄く土を被せ、土が乾かないように水やりをしながら日陰で管理する
4. 約1ヶ月後に発芽し、株がある程度大きくなったら鉢植えにする
苗植え
5~7月に、苗よりも1回り大きい鉢に植え付けます。10度までの寒さにしか耐えられないことから、日本では地植えに向きません。寒い地域で地植えにした場合は、株を10月に掘り上げて室内で管理します。
スパティフィラムの土作り・水やり・肥料の与え方は?
土作り
水はけと水もちのバランスがよい土を好みます。赤玉土(小粒)7:腐葉土3か、赤玉土(小粒)8:腐葉土1:川砂1の割合で混ぜた土がおすすめです。1割ほど堆肥を加えてもかまいません。地植えは、植え付ける前に地面を耕し、腐葉土を混ぜ込んで水はけをよくしておきます。
水やり
生育期にはたくさんの水を必要とします。5~9月は、土の表面が乾ききる前に、たっぷりと水やりをし、葉にも水を吹きかけましょう。気温が20度を下回ってきたら、水の量を徐々に減らしていき、冬は土の表面が乾いてから水を与えます。
肥料の与え方
5~9月の間は、2ヶ月に1回ゆっくりと効く緩効性の化成肥料を施すか、10~15日に1回液体肥料を与えます。窒素が多く配合されたものを与えると、葉はよく茂りますが、花が咲かなくなってしまうので、肥料の成分には注意してください。
スパティフィラムの日常の手入れは?
花が緑色になってきたら、終わりを迎える日が近いサインです。そのままにしておくと、種がつき、株の栄養が足りなくなってしまいます。種を採取しないのであれば、早めに花首から茎を切り落としましょう。
スパティフィラムの植え替えの時期と方法は?
生育がよく、鉢の中はすぐに根でいっぱいになってしまいます。根詰まりを起こすと枯れてしまうので、鉢植えは1~2年に1回、1回り大きな鉢に植え替えましょう。5~8月が適期で、手順は植え付け時と同様です。
スパティフィラムの増やし方!株分けの時期と方法は?
5~8月に株分けをして数を増やすことができます。植え替えと同時に行うと効率的ですよ。
1. 株を鉢から抜き、根についた土を手で落とす
2. 傷んだ根をハサミで取り除く
3. 株を手やナイフを使って、2~3つに分けていく
4. それぞれの株を、植え付け時と同様の土を入れた鉢に植え替える
5. 新芽が出るまで日陰で管理する
6. 新芽が生えたら、明るい日陰に移す
スパティフィラムの育て方で注意する病害虫は?
カイガラムシ
茎や葉に寄生し、栄養を吸って弱らせる害虫です。殻に覆われている成虫は薬剤が効きにくいので、幼虫の段階で薬剤を散布して駆除しましょう。成虫は、歯ブラシなどで株からこすり落としましょう。
ハダニ
葉の裏側に寄生されると、擦り切れたような白い斑点が葉の表面にいくつも現れます。発見し次第、薬剤を散布して駆除しましょう。水が苦手なので、葉の表裏に水を吹きかけると予防できます。
スパティフィラムの育て方は簡単
スパティフィラムは、丈夫で難しい手入れを必要としない観葉植物です。日陰でもよく育つことから、室内でも安心です。生育期の水やりと、根の状態に気を配りながら、育ててみてください。
更新日: 2022年08月31日
初回公開日: 2015年10月05日