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【イワヒバ(岩松)の育て方と増やし方】花言葉や種類は?

イワヒバは、和風の庭に似合う青々とした葉を茂らせるシダ植物です。一定の大きさにしか生長しないという特徴から、盆栽やロックガーデンで楽しんでいる方が多いですよ。また長寿であることも魅力。今回は、そんなイワヒバの育て方と増やし方、花言葉や種類についてご紹介します。

イワヒバ(岩松)とは?どんな植物?

イワヒバとは、日本からロシアや東アジアにかけて分布するシダ植物です。日本では本州~九州の岩場に自生しています。一般の園芸店ではあまり見かけませんが、古典園芸植物として、江戸時代から栽培されてきました。

根や担根体が絡みあった仮幹を20cmほど伸ばします。そして、先端が放射状に枝分かれして、羽のような葉っぱを広げます。この葉っぱは、一定の大きさになると生長が止まります。葉のように見える部分が実際は枝なんですよ。

もともと乾燥した岩場で、日光と水の少ない環境に自生していることから、乾燥すると葉を内側に巻き込む性質がります。そして、水分が十分に補給されると数時間~数日枝を広げます。この習性が、復活草と呼ばれる理由です。

イワヒバ(岩松)の学名・原産国・英語

学名
Selaginella tamariscina
科・属名
イワヒバ科・イワヒバ属
英名
Selaginella
原産地
日本~東南アジア、ロシアなど
開花期
花の色
別名
復活草(フッカツソウ)
苔松(コケマツ)
巻柏(マキガシワ)

イワヒバ(岩松)の花言葉とは?

『稔り』『負けない心』『長寿』

イワヒバは、乾燥すると葉っぱを内側に丸めて新芽を守る性質があります。このことから、「稔り」「負けない心」という花言葉が付けられました。「長寿」は、一度植えると長い期間生き続けることに由来します。

イワヒバ(岩松)の種類や品種

江戸時代から品種改良が盛んに行われ、200以上の品種があるとされています。今でも、毎年数種類の品種が生み出されていますよ。葉っぱの形や大きさは、品種によって様々で、中には紐状の葉を付けるものや、斑の入るものも。自分好みのものを見つけてみてくださいね。以下に、いくつかのよく栽培されている品種をご紹介します。

金華山(きんかざん)

常緑で、イワヒバの中でも特に人気のあるものの1つです。春に生える濃い緑色の強い新芽へ、初夏にかけて徐々に白黄色の斑が入ります。そして秋になると全体が赤く紅葉します。

紫金欄(しきんらん)

株が立ち上がる品種で、大きな葉っぱを横に広げます。新芽の頃から葉っぱに金色の斑が入り、夏になると葉の中心部が紫色に変化することから、名付けられました。秋になると赤みが増し、四季ごとの変化を楽しめますよ。

御所錦(ごしょにしき)

葉の先端が徐々にオレンジに色づく中型の品種です。夏が近づくに連れてオレンジ色の葉に白のぼかしが入り、錦のような見た目になります。

飛竜

千のような葉っぱを横に広げて生長する品種です。紅葉もし、育てやすいことで知られます。

イワヒバの育て方!苗植えの時期と方法は?

5~7月が適期で、鉢植えにするか庭の石に植え付けるのが一般的です。鉢植えは、株よりも1回り大きな浅い鉢に土を敷き詰め、株を置いて間にさらに土を詰めていきます。岩に植え付けるときは、ピッケルなどで穴を開け、中に土を詰めてから植え付けます。

イワヒバ(岩松)の育て方!土作り、水やり、肥料の与え方は?

土作り

水はけと水もちのバランスがよい土を好みます。鹿沼土単体か、2~3割日向土や桐生砂などを加えたものがおすすめです。

水やり

乾燥に強いことから、特に水やりの必要はありません。晴れの日が続いたときにだけ、鉢底から流れるくらい葉っぱの上から水をかけるとよいですよ。

肥料の与え方

肥料は必要ありません。むしろ株がまだ若いときに与えてしまうと、枯れてしまいます。”]

イワヒバ(岩松)の育て方!冬越しの方法は?

休眠期の冬は、生育しません。そのため、雨や霜、直射日光の当たらない軒下などに移動させ、乾燥させていきましょう。一旦は枯れたような見た目になりますが、春になって植え替えをし、水を与えると復活しますよ。

イワヒバ(岩松)の植え替えの時期と方法は?

毎年5~7月に植え替えをします。植え替えによって新しい根が生え、株を大きく生長させることができます。

イワヒバ(岩松)の増やし方!挿し木の時期と方法は?

5~6月に枝を5cmほど切り取り、鹿沼土に挿します。すると、1ヶ月ほどで新しい芽が出てきます。株が十分に生長したら、好みの場所に植え替えてください。

イワヒバ(岩松)の栽培で注意する病気や害虫は?

ベト病

高温多湿の環境になると発生しやすい病気で、葉っぱが茶色く変色して枯れてしまいます。他の株にも伝染するので、病気にかかった葉っぱは切り落とし、薬剤を散布して拡大を防ぎます。乾燥気味に育てることで予防できます。

ヨトウムシ

幼虫が葉っぱを食害する害虫です。昼間に虫の姿が見られないのに、株が弱っているようなら被害を疑ってください。定期的に薬剤を散布することで、予防・駆除することができますよ。

イワヒバ(岩松)の育て方のポイントは?

株に当たる日の量を調節することがポイントです。好む日差しの量は、品種や株の大きさによって違うので、植え付ける前に確認しておきましょう。70%ほど寒冷紗で遮光するか、午前中だけ日の当たる半日陰で管理するのが基本になります。

イワヒバ(岩松)は生命力の強いシダ植物

イワヒバは、日光と水の管理だけ間違えなければ、育てやすいシダ植物です。生長がゆっくりで、長寿なことから、大きくなっていく姿をじっくり楽しむことができますよ。特に岩に植え付けると、和の雰囲気が感じられます。生命力も強いので、盆栽ビギナーの方にもおすすめです。

更新日: 2018年08月28日

初回公開日: 2016年01月19日

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