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モウセンゴケ(ドロセラ)の花言葉と育て方|種類や植え替えの方法は?

モウセンゴケは、名前に「コケ」とついていますが、虫を捕らえて栄養にする食中植物の仲間です。世界中にたくさんの種類が自生しており、日本でも見ることができます。葉っぱにいくつもの毛が生えており、独特の形がおもしろいですよ。今回は、そんなモウセンゴケの花言葉や種類、植え替えの方法など育て方についてご紹介します。

モウセンゴケ(ドロセラ)の花言葉とは?

『詐欺』『不誠実』『無神経』『物思い』『セレナーデ』『あなたに捧げる恋の歌』

「詐欺」「不誠実」「無神経」といったネガティブな花言葉は、虫を甘い香りだまして食べるモウセンゴケの習性に由来します。

モウセンゴケ(ドロセラ)の学名・原産国・英語

学名
Drosera rotundifolia
科・属名
モウセンゴケ科・モウセンゴケ属
英名
Drosera
Sundew
原産地
北半球
開花期
3~8月 ※種類や品種によって異なる
花の色
白、ピンク、黄、赤
別名
マルバモウセンゴケ

モウセンゴケ(ドロセラ)とは?どんな花を咲かせる?

モウセンゴケ 花

モウセンゴケは、モウセンゴケ科・モウセンゴケ属に分類される多年草の食虫植物です。栄養の少ない湿地に生えていますが、コケと違い種によって増えていきます。北半球の広い範囲に分布し、日本では北海道から九州で見ることができます。ただ、自生しているものの数は少なく、各都道府県のレッドリストで絶滅危惧種に指定されています。

地際から茎を伸ばしてロゼッタ状に広がり、草丈は0.05~1mに生長します。葉っぱの表面には粘液を出す約200本もの毛があり、甘い香りを放って虫を引き寄せます。そして、粘液に捕らえられた虫を葉っぱが絡めとり、徐々に消化され、栄養となります。食虫植物というと怖いイメージですが、6月以降、6~30cmほどの茎にたくさんのつぼみをつけ、5枚の花びらをもつ直径1cmほどの白い花を数輪咲かせますよ。

名前の由来

葉っぱの毛が赤く色づくと、一面に毛氈(フェルト)を敷き詰めたように見えることから名付けられました。

モウセンゴケ(ドロセラ)の種類や品種は?

モウセンゴケ

モウセンゴケの仲間は北半球の広範囲に約200種が分布し、日本でも数種類見ることができます。球根性や小型種など生態も様々。常緑のものもあれば、落葉するものもあります。

大きく分けると、「寒地性」「温帯性」「熱帯性」の3つのグループに分かれていますが、日本に流通しているもののほとんどは、温帯性もしくは熱帯性のものです。下記に、日本でもよく見かける種類や品種をいくつかご紹介します。

コモウセンゴケ

見た目はモウセンゴケによく似ていますが、やや小ぶりでピンクの花を咲かせます。近畿地方の岩場を中心に自生し、よく似たものにトウカイモウセンゴケがあります。

イシモチソウ

動きが俊敏で粘液の粘着力が強く、石を持ち上げるともいわれるイシモチソウ。日本に自生する中では唯一の球根性で、モウセンゴケと同じ白色の花を咲かせます。

アフリカナガバモウセンゴケ

南アフリカのケープ地方が原産の種類です。長い葉っぱにびっしりと毛をつけるので、見た目に迫力があります。温室栽培向きで、世界各地の植物園などで栽培されています。

ツルギバモウセンゴケ

広く普及しているオーストラリア原産の大型種です。細長い昆布のような葉っぱをつけ、先端が紅色か白色の小さな花をたくさんつけます。

ナガエモウセンゴケ

ヨーロッパ、北アメリカに自生する落葉性のモウセンゴケです。日本の一部温帯地域でも野生化したものが生えています。葉っぱのつけ根が細長く、白い花を咲かせます。

ドイツモウセンゴケ

海外ではポピュラーな種類で、日本でも手に入りやすくなっています。くさび形の葉っぱを放射線状に伸ばし、30cmくらいの茎の先端にピンク色の花をつけます。

モウセンゴケ(ドロセラ)の育て方のポイントは?

湿度が高く、日当たりのよい場所で育てることがポイントです。モウセンゴケは、虫を捕食するために葉っぱを大きく動かし、たくさんのエネルギーを必要とします。そのため、光合成に必要な日光は欠かせません。

モウセンゴケ(ドロセラ)の種まき、苗植えの時期と方法は?

モウセンゴケ

種まき

12~4月に、実から採取した種をまいて育てていきます。さやを割って種を取り出し、湿らせた赤玉土(小粒)や水苔にばらまきます。後は、土が乾かないよう水やりをして管理すれば、簡単に発芽しますよ。十分に株が育ったら、鉢や地面に植え替えてください。

苗植え

2~4月頃が植え付けの適期で、鉢植えか地植えにして育てていきます。苗が小さいうちは、いずれの場合も土が乾かないように注意しましょう。

鉢植えは、苗よりも少し大きい深めのプラ鉢や駄温鉢、盆鉢が適しています。直射日光に当たると葉っぱが焼けてしまうので、植え付けたら軒下など明るい日陰で管理してください。地植えは、日当たりがよく、湿度の高い場所に植え付けます。寒さに強い種類が多いので、冬に防寒しなくても霜や雪で枯れる心配はありません。

モウセンゴケ(ドロセラ)の土作り、水やり、肥料の与え方は?

モウセンゴケ

土作り

水もちがよく、肥料分の少ない酸性の土を好みます。鉢植えは、ピートモス6:バーミキュライト2:パーライト2か、鹿沼土(小粒)1:赤玉土(小粒)1:酸度未調整ピートモス1の配合で混ぜた土を使います。水苔単用に植え付けてもかまいません。

地植えは、痩せていて、水もちのよい場所であれば、土壌を改良する必要はありません。植え付ける前にピートモスや川砂を土に混ぜ込み、肥料分を減らすとよいですよ。

水やり

株がまだ若いときは、土が乾かないように注意します。鉢植えは、受け皿に水を溜めて土に給水する腰水をして、湿った状態を保ちます。ただ、長い間放っておくと水が腐ってしまうので、ときどき取り替えてください。地植えは、土が乾く前に水やりをしてください。

肥料の与え方

もともと栄養の乏しい場所に自生していることから、特に肥料を与える必要はありません。栄養が多いと、葉っぱが小さくなってしまうことがあるようです。

モウセンゴケ(ドロセラ)の剪定の時期と方法は?

モウセンゴケ

たくさんの花を咲かせますが、その分株は弱ってしまいます。種をとるとき以外は、全体の2/3ほどの花が咲いたら茎ごと切り取ってしまいましょう。

モウセンゴケ(ドロセラ)の植え替えの時期と方法は?

特に水苔は傷みやすいので、1~2年に1回、2~4月に1回り大きな鉢に植え替えをします。手順は、植え付け時と同じです。

モウセンゴケ(ドロセラ)の増やし方!株分けや葉挿しの時期と方法は?

モウセンゴケ 葉っぱ

モウセンゴケは、種まき、株分け、葉挿しで数を増やすことができます。種まきは、上述した方法の通りです。株分けは3~5月、葉挿しは4~6月が適期です。

株分け

鉢や地面から取り出した株を、茎葉が均等につくよう2~3株に分けていきます。後は、それぞれ植え付け時と同じ手順で鉢や地面に植え付ければ完了です。

葉挿し

1. 葉っぱを5~10cmほどの長さに切る
2. 鉢に赤玉土(小粒)や水苔など肥料分のない土を入れる
3. 毛のある面を上にして、土の上に葉っぱを置く
4. 鉢をラップなどで密閉し、腰水で給水させながら明るい日陰で管理する
5. 葉っぱから新芽が出たら、ラップをとって通常通り管理する

モウセンゴケ(ドロセラ)の栽培で注意する病気や害虫は?

アブラムシ

風通しの悪い場所だと大量に発生する害虫で、排泄物はすす病を誘発する恐れがあります。モウセンゴケは湿気に強いので、薬剤をまいて駆除するよりも、水で洗い流した方が効率的ですよ。鉢植えであればバケツに水を溜め、鉢ごと沈めておくとアブラムシが浮いてきます。

ハダニ

乾燥した環境で発生する害虫です。被害を受けないためには、乾燥させないことが大切。土だけでなく地上部も乾きすぎないよう、霧吹きで株周りに水を吹きかけるなどして湿度を保ちましょう。発生したら、アブラムシのとき同様鉢ごと水で洗い流します。

モウセンゴケ(ドロセラ)は栽培しやすい食虫植物

モウセンゴケ

モウセンゴケにとって、光合成が十分にできる環境なら、捕食活動はそれほど重要ではありません。食虫植物というとあえて虫を与えたくなるものですが、モウセンゴケにとって虫はサプリメントのようなもの。生育しやすい環境を整えてあげたら、後は手間がかからず、栽培しやすいですよ。

更新日: 2022年04月20日

初回公開日: 2016年01月15日

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