ニゲラは、観賞用として栽培されるだけでなく、種をスパイスとして楽しむこともできる植物です。インドや中東では、料理やパンの味付けに使われます。噛むとピリッとした辛みがあり、クミンのような強い香りがしてきますよ。今回は、そんなニゲラの花言葉やハーブの効能についてご紹介します。
ニゲラ(クロタネソウ)の花言葉は?
『深い愛』『困惑』「当惑』『不屈の精神』『ひそかな喜び』『夢の中の恋』『夢の中で会いましょう』
ニゲラの英名は「Love in a mist(霧の中の恋)」。これにちなんで、「困惑」や「夢の中の恋」など、夢と関連した花言葉が多く付けられています。
ニゲラ(クロタネソウ)の学名・原産国・英語
- 学名
- Nigella
- 科・属名
- キンポウゲ科・クロタネソウ属
- 英名
- Love in a mist
Devil in a bush
- 原産地
- 南ヨーロッパ、中東、南西アジア
- 開花期
- 4~7月
- 花の色
- 青、紫、白、ピンク、複色
- 別名
- クロタネソウ
ワイルドフェンネル
フウセンポピー
ブラッククミン
ニゲラ(クロタネソウ)とは?どんな花や実をつける植物?
ニゲラとは、クロタネソウ属に分類される一年草の総称です。江戸時代末期に日本に渡来し、ガーデニングやアレンジメント、ドライフラワーに利用されます。
草丈は30~100cmほどで、太い茎から糸のように細い葉っぱをたくさん生やして生長します。その茎の先に、中心が盛り上がり、周りに5枚の花びらを付けた3~5cmほどの花を咲かせます。花びらのように見えるのは葉っぱが変化した萼で、実際の花びらは退化して目立たなくなっています。
名前の由来
細いワイヤーのような葉の中に花を付ける姿が幻想的なニゲラ。学名の「Nigella」は、ラテン語の「Niger(黒)」が語源で、種が黒いことにちなんで付けられました。和名の「クロタネソウ」も、種の黒さが由来です。
英語の「Love in a mist(霧の中の恋)」は、糸状の葉っぱが霧のように花を包む姿から。「Devil in a bush(茂みの中の悪魔)」は、果実の先端に角のような突起があることにちなみます。
ニゲラ(クロタネソウ)のハーブとしての効能は?種に毒があるの?
ニゲラの品種の1つ、ニゲラ・サティバ(ニオイクロタネソウ)は、薬草として有名なハーブです。ニゲラ・サティバの種は、ブラックシードと呼ばれ、古代エジプトのツタンカーメン王の埋葬室からも発見されるほど古くから食用や薬用として栽培されてきました。
特に、中東やインドではスパイスとしてポピーシードと並んでカレーやナンなどの料理に利用されます。乾燥させたものを砕くと、オレガノやクミンに似た強い香りを放ち、ほのかに辛みが特徴です。
この種には、母乳の分泌を促進する効果があるとされています。また、鎮痛作用や抗菌、食欲増進、消化促進など体にうれしい効果がたくさんあります。
ただ、ニゲラ・サティバ以外の品種の種にはアルカロイド系の毒が含まれており、摂取すると中毒症状を起こす恐れがあるので注意してください。
ニゲラ(クロタネソウ)の種類や品種は?
クロタネソウ属にはおよそ16種が存在します。花色は白や青、紫で、中には八重咲きの品種もあって様々。以下によく育てられている種類や品種をいくつかご紹介します。
ニゲラ・ダマスケス(クロタネソウ)
観賞用のニゲラとして最も普及している品種で、単にニゲラというと本種を指します。多くの園芸品種の繁殖親となっており、5枚の花びらを付けます。
ニゲラ・サティバ(ニオイクロタネソウ)
種がハーブとしての利用されるニゲラの種類です。西洋社会では古くから死以外のあらゆる病を治す万能薬として知られ、中東やインドを中心にスパイスとして利用されます。
ニゲラ・ペルシャンジュエル
八重咲きの園芸品種で、様々な花色の種子が混ざって販売されています。寒さに強く、こぼれ種でよく増えることから、ガーデニングに広く利用されています。
ニゲラ・ブルーイスタンブール
通常のニゲラの花が咲き終わった後に開花しはじめます。咲きはじめは薄い青色をしていた花びらが、徐々に濃い紫色へと変化する様子が面白い品種です。草丈が100cmほどと高いことも特徴です。
ニゲラ・グリーンマジック
突然変異によって誕生した、花の咲かない品種です。中心には、ぷっくりとふくらんだ種子が付きます。切り花にしても花持ちがよく、徐々に実をふくらませる姿がかわいらしいですよ。
ニゲラ(クロタネソウ)の花は強くて丈夫
パステルカラーのかわいらしい花を咲かせるニゲラ。カモミールやコスモスのような葉っぱからは、繊細な印象を受けます。また、切り花として楽しんだ後、実がぷくっと風船のようにふくらんだ姿は、ドライフラワーにするとユニークです。様々な表情を楽しめるニゲラを、ぜひ育ててみてください。
更新日: 2022年02月16日
初回公開日: 2016年01月08日