いんげんは栽培期間が短く肥料もたくさん必要ない、初心者でも育てやすい野菜です。
ただ、収穫時期が短いぶん一気にたくさん採れるので、たくさんに株を育てると使いきるのはちょっと大変。保存方法を知っておけば、上手においしいいんげんを長く楽しめますよ。
今回はいんげんの冷凍保存について、茹で方やブランチングの方法などをご紹介します。
■ いんげんの3つの保存方法
1. いんげんを冷凍せずにそのまま保存
保存期間目安:約1週間
生のいんげんの場合、保存に適した温度は5度前後です。そのため、冬場は常温でも大丈夫。家庭菜園で栽培した株は、冷蔵庫の野菜室に保存するのがよいですよ。
傷んだいんげんを一緒にしておくと他のいんげんも傷んでしまうので、傷が付いているところや変色しているところは切り落とすか捨ててください。
洗って保存するときは、水気をしっかりふき取りましょう。
- 傷んでいるものを取り除く
- 汚れているときは水洗いする
- 乾燥を嫌うのでラップに包むか密封できる袋に入れる
- 冷蔵庫の野菜室で保存する
- 使うときは袋からそのまま取り出す
2. いんげんを茹でてから保存!茹で時間や保存期間は?
保存期間目安:約2〜5日間
ブランチングとは、野菜をおいしく冷蔵・冷凍する方法です。野菜は組織の8~9割が水分でできており弱いことから、そのまま冷凍しても細胞が壊れてしまい、味も落ちてしまいます。
また、冷凍したものを解凍すると酵素が作用して変色やにおいを引き起こします。
ただ、いんげんをはじめとしたマメ類やイモ類、カボチャなどいくつかの野菜は、湯通しをして冷ましてから冷凍することで、おいしさを保つことができます。
いんげんは、茹でることで「色を残し、臭みを取り、柔らかくして、味を染み込みやすくする」ことができます。生で食べるなら2〜3日、炒めたり煮たりするなら4〜5日で食べきりましょう。
- 水1Lに対して塩小さじ1杯を入れてお湯を沸かす
- 通常のいんげんは1分、サーベルインゲンなら2〜3分、厚みのあるいんげんなら4分ほど茹でる
- 湯から取り出したら氷水か水で冷やす
- 水で濡らしたキッチンペーパーを敷き、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存
- 使うときは冷蔵庫から取り出してそのまま使う
3. 冷凍保存
保存期間目安:約1ヶ月
いんげんを長期的に保存するなら冷凍保存がおすすめです。冷凍保存には、ブランチングしてから冷凍する方法と、下処理をしない2つの方法があります。
下処理をしないなら1番の「そのまま保存」と同じで、保存先を冷凍庫に。ブランチングをしてから冷凍する場合は、まずは「茹でて保存」と同じ方法で1分茹でます。
その後は氷水に付けてキッチンペーパーで水気を切った後、ジッパー付きのビニール袋に入れて1本1本取り出せるように冷凍しましょう。
ポイントは、いんげんを重ねず1列に並べて冷凍することです。金属トレイなどがあればそれを敷きましょう。急速冷凍が進み、味や栄養価が高いまま保存できますよ。
解凍するときは、サラダやおひたしなら冷蔵庫でゆっくり解凍、炒めものなら直接炒めて使ってください。
いんげんを茹でる、冷凍することで栄養価は減る?
いんげんを長期間保存することは、いんげん内の組織を破壊することにつながります。つまり、栄養素は減少するのです。
茹で時間が長いほど成分がお湯に溶け出したり、保存期間が長いほど、空気にふれて酸化したり、乾燥して栄養素がなくなるのです。
一番栄養価が高いのは、採れたてや調理後すぐに食べることです。なるべく栄養素や味を損なわないためには、レンジで加熱かブランチングをするのがおすすめ。
さっと茹でることで、成分組織の破壊が最小限で抑えられ、栄養価が失われにくい状態になります。
また、ブランチングをした後に冷凍保存すれば、腐敗や食中毒の原因になる菌類や微生物、酵素の分解作用が働きにくい環境になるため、長期間の保存が可能になります。
ただし、冷凍庫を開け閉めすることで、いんげんが溶けたり、凍ったりを繰り返すため永久に保存しておくことはむずかしいのです。
いんげんを上手に保存して料理に使おう
いんげんはカリウム、カルシウム、鉄、亜鉛などの含有量が多い野菜です。高血圧や骨粗しょう症の予防にも効果があるほか、食物繊維も豊富に含まれているため、便秘解消にも役立ちますよ。
採れたてを食べたり、上手に冷凍保存したりして、健康的な生活に役立ててくださいね。
更新日: 2018年05月29日
初回公開日: 2016年05月06日