スイカといえば、直径20~30cmほどの大きなものをイメージしますよね。そのため、家庭菜園での栽培はむずかしいと感じるかもしれません。そんなときは、小玉スイカを栽培してみませんか?手のひらサイズなので、限られたスペースでも収穫して楽しめますよ。今回は、小玉スイカの育て方について、栽培のポイントや収穫時期などをご紹介します。
小玉スイカの栽培のポイントは?
小玉スイカは、苗の浅植えや誘引、果実が大きくなるタイミングので肥料が栽培のポイントです。スイカは、地表近くに根を張り、深く植え付けると生育が悪くなるので注意してください。
また、限られたスペースのときは、上に向かってつるを誘引する空中栽培にするとよいですよ。実が大きくなりはじめると、急速に肥大化していくので、そのタイミングで肥料がきれないよう追肥するか、事前に土に混ぜ込んでおきましょう。
小玉スイカの種まきの時期と方法は?
3~4月が種まきの適期です。畑やプランターに直接種をまいて育てることもできますが、一度育苗ポットで苗を育ててから植え直すと、生育が揃いやすくなるので収穫や栽培の手間が減ります。
- 3号の育苗ポットに赤玉土(小粒)など種まき用の土を入れる
- 中央に指で深さ1cmほどの植え穴を空け、2~3粒種をまく
- 種に土を被せ、たっぷりと水を与える
- 土が乾かないよう水やりをして温かい場所で管理する
- 発芽したら、土が乾いたら水を与えるようにする
- 本葉が4~5枚になったら、鉢や地面に植え替える
小玉スイカの苗植え!プランターや地植えの時期と方法は?
種から育てた苗か、市販の苗を4~5月頃に植え付けていきます。また、市販されているものなら、耐病性のある接木苗を選ぶことも大切なポイントです。また、接ぎ目が土に埋まらないよう注意してください。
鉢・プランター
10号鉢に1株、90cmプランターに2株くらいが植え付けの目安。土はすでに肥料が配合されている市販の野菜用培養土を使うのがおすすめです。容器の縁下2~3cmのところまで土を入れたら、スコップを使って苗がすっぽりと入る植え穴を掘り、浅く植え付けていきます。最後にたっぷりと水を与えれば植え付け完了です。
地植え
植え付ける2週間前から土作りをはじめていきます。最終的には、幅90~150cmの畝を作ります。まずは、苦土石灰を1㎡あたり100g(コップ1杯)くらいを土に混ぜあわせ、よく耕して1週間寝かせます。その後、堆肥2kgと50~100gの化成肥料を土に加えて混ぜあわせ、幅90cm~150cm、高さ15~20cmほどの畝を立てます。
株同士の間隔が90~250cmくらい空くように植え穴を掘って植えていきます。寒さが苦手なので、畝の表面はビニールでマルチングしておくと安心です。また、植え付けた後にホットキャップで保温してあげるのもよいですよ。
小玉スイカの水やり、肥料の与え方
水やり
苗植えから2週間くらいの間は、水やりをたっぷりして乾燥しないようにします。その後、地植えならよほど乾燥しないかぎり、水やりをする必要はありません。鉢・プランター植えの場合、土の表面が乾いたら水やりをしてください。
肥料の与え方
植え付け時に十分な肥料が施されていれば、追加の肥料はさほど必要ありません。植え付け時に、土にたっぷりと牛糞堆肥を混ぜ込んでおきましょう。その後は、株の生育を見ながら小玉スイカの実が付いたタイミングと、実がこぶし大くらいになったときに、それぞれ野菜用の化成肥料を株の脇に施していきます。
小玉スイカの剪定!誘引と支柱立て、摘心の時期と方法は?
誘引と支柱立て
小玉スイカはつるをどんどん伸ばして生長するので、植え付けと同時に支柱を用意してつるを誘引していきます。鉢やプランターで栽培するときは特にスペースが限られるので、空中栽培ができるよう支柱を組むことが大切です。
園芸用のオベリスクやあんどん支柱を活用すると簡単ですよ。つるが伸びてきたら、麻ひもなどでゆるく支柱に結びつけていきます。
摘心
摘心をしてわき芽を増やすことで、小玉スイカの収穫量を増やすことができます。まず親づるが5節くらいに育ったタイミングで、つるの先端を摘み取って子づるを生やします。そして、生えてきた芽の中から3~4本生育のよいものを選んで、他を摘みとっていきます。
摘果
つる1本に対して実は1個だけを育てます。複数の実が育ち始めたら、実が1個になるよう他の実は摘果してください。
小玉スイカの収穫の時期と方法は?人工授粉が必要?
人工授粉
小玉スイカは自然に受粉しますが、人工授粉をしたほうが結実の確率は高まります。雌花に、その日に花開いた雄花を摘みとって花粉をつけるか、綿棒で雄花の花粉をとって雌花にこすりつけましょう。雌花と雄花の違いは、花の付け根が膨らんでいるかどうかです。雌花だけ小さなスイカのような膨らみがあるので間違えないよう気をつけてくださいね。
収穫
花を咲かせてから30~40日ほどたった頃、小玉スイカは収穫の適期を迎えます。実に付いている巻きひげが枯れていて、実を叩いたときに低い音がすれば収穫していきます。
小玉スイカの栽培中に注意する病気や害虫は?
アブラムシが葉っぱや新芽に付くことがあります。少量しか付いていなければ、粘着テープなどでペタペタと株から引き剥がしてください。たくさん発生してしまったら、野菜用の殺虫剤を使ってもかまいません。
小玉スイカは育て方が簡単で気軽に楽しめる
小玉スイカは、大玉スイカに比べて省スペースでも栽培できるスイカです。また、育てやすいことから、家庭菜園などでチャレンジする夏の果物にピッタリ。
手のひらにおさまるほどしかないと思うかもしれませんが、皮のすぐ近くまで赤い実があるので、食べられる部分は思っているよりも多いんですよ。みずみずしい小玉スイカの果実を、ぜひ夏に堪能してみてくださいね。
更新日: 2021年04月28日
初回公開日: 2016年06月01日