数ある観葉植物のなかでも不動の人気を誇るポトス。流通が1番多い観葉植物だともいわれています。日陰でも丈夫によく生長するため「育てやすい!」と人気ですよ。また、数を増やすのも簡単で、1つ買えばどんどん増やして家中に飾って楽しめます。
そんなポトスの育て方について、水やりや肥料といった日々の手入れから、剪定といった1年間の流れをご紹介します。
ポトスはどんな観葉植物?育て方は簡単?
ポトスは、サトイモ科・ハブカズラ属に分類される植物です。特徴はツルを伸ばして生長する点で、ほかの植物でいうところの茎がこのツルにあたります。そのため、背が高くなるのではなく、横に広がって生長していく植物です。
品種改良も進み、さまざまな種類が販売されています。ライムグリーン色の葉が特徴の「ライム」、まだら模様が特徴の「マーブルクイーン」などが有名です。熱帯が原産なので、暑さや乾燥に強く、耐陰性といって光の少ないところでも育つ力があり、繁殖能力が高いといわれています。
ポトスは増やして楽しめる観葉植物!
ポトスを育てる楽しみの1つが「数を増やすこと」です。繁殖力が旺盛なので、「挿し木」や「株分け」という方法を使えば、初心者でも簡単に増やせますよ。そんな魅力的なポトスを育てるにはどんな準備が必要なのでしょうか?次で具体的に見ていきましょう。
ポトスの育て方!まずは何を準備する?
- ジョウロ、霧吹き
- 固形肥料、液体タイプの肥料
- ツルを切るためのハサミ(剪定バサミ)
- 小型のシャベル・スコップ
ポトスは多くの園芸店で販売されています。見てみると、その多くが鉢に植えられた状態で販売されていることに気づくはずです。なので、購入したらすぐに飾って楽しめますよ。ツルをもつ植物なので、支柱に巻きつけられて販売されていることもあるかもしれませんね。
合わせて、上記のグッズもそろえておくと栽培が楽になるので、ぜひ購入を検討してみてください。
ポトスの室内での育て方!どこに置いたらよい?
特徴でご紹介したとおり、ポトスには「耐陰性」という光をあまり浴びなくても枯れない性質があります。そのため、真っ暗な部屋でない限りはどこに置いてもかまいません。ただし、直射日光の当たる場所だけは避けてくださいね。葉が変色する可能性があります。
また、模様のついた品種は多少光に当てなければ、模様がうまく出ないので光を当てることがポイントです。部屋を移動させるなど工夫しましょう。比較的寒さにも強く、最低気温が5度あれば育ちます。屋内ならどこに置いても大丈夫そうですね。
ポトスの育て方!水やりや肥料のあげ方は?
ポトスは生長が早く、どんどんツルを伸ばしていきます。特に生長がいちじるしい春〜秋の季節は、水やりと肥料で生長を促してあげましょう。
水やりのタイミングと量は?
ポトスの水やりは、「土が乾燥して白っぽくなったらたっぷりあげる」が基本です。
生長が盛んな5月以降は、土の乾きも早くなるので週に2回程度土の乾き具合を見て水やりをし、反対に冬は水の吸収が悪いので、乾いてから数日あけて水やりをしてください。7~10日に1回くらいです。ツルを巻きつける支柱を使っている場合には支柱にも水をかけるように与えます。
あわせて、夏や冬には霧吹きで葉っぱに水を吹きかける「葉水(はみず)」をすると湿度が保たれ、乾燥を防ぎましょう。
肥料のタイミングと量は?
5~10月にかけては生長をサポートするため、2ヶ月に1回、緩効性化成肥料という固形の肥料をあげます。2週間に1回、液体タイプの肥料を水やりかわりに与えるのでもかまいません。一方、生育が緩やかになる冬は、肥料を控えるようにしてください。これを守ると枯れずに大きく生長してくれますよ。
ポトスの育て方!気をつける病害虫は?
植物を育てていれば、何か変化があらわれたら気になるものです。特に「元気がない…」「葉っぱに変な模様が…」などネガティブな変化があれば不安は募りますよね。ここでは、育てる中でかかりそうな病気や害虫などによるポトスの変化についてご紹介します。
害虫
ポトスは基本的に虫のつきにくい植物です。しかし、葉を乾燥させすぎると、「カイガラムシ」や「ハダニ」の被害にあい、葉が枯れてしまいます。葉水で定期的に葉っぱを湿らせ、これらの害虫からの被害を予防しましょう。
発生したときは、鉢ごと一度屋外へ持ち出し、上下から水圧の強いジェットホースで水をかけてキレイにし、専用の薬剤を散布して駆除しましょう。
病気
ホコリなどの汚れがたまると、衛生状態が悪くなって「炭そ病」にかかりやすくなります。水やりも兼ねて1ヶ月に1~2回の頻度で水浴びさせると、葉っぱをキレイに保ちましょう。汚れがひどいときは、その後にやわらかい布で葉っぱの表面をやさしく拭いてあげてください。
その他
害虫や病気以外にも、「日々の手入れ」が原因でポトスが枯れることがあります。たとえば、水のあげすぎによる「根腐れ」、直射日光の当てすぎによる「葉焼け」などが挙げられます。水やりの頻度を守ること、置き場所を意識することでこれらの問題は解消されます。水のあげすぎ、日の当てすぎなど「○○しすぎ」に注意して育てましょうね。
ポトスの育て方!剪定する必要はあるの?時期はいつ?
ポトスが生長して大きくなると、横に広がったり、全体的に茂っていたりして見栄えが悪くなります。こうなるとツルを切り落とす「剪定(せんてい)」が必要です。
5~7月に、間延びして見栄えの悪い茎や葉っぱを剪定します。切ったところからは2~3週間で新しい芽が伸びてくるので、大胆にカットして大丈夫です。また、「ツルが少ないな…」と感じたときも剪定をしましょう。切ったことによって、次の葉っぱの生長が促され、こんもりと茂ってきますよ。切ったツルや葉を使えば、数を増やすことができるので、ぜひ保管しておいて増やしましょう。
ポトスに限らずですが、サトイモ科植物は葉が下に垂れてくるとどんどんと葉を小さくしてツルごと枯らしてしまう事があります。それは植物の本能、といいますか陽の光を求めて上に伸びていくので、日の当たらない下に垂れる葉を無駄と感じて枯らしてしまうのです。
あまりに長く下に垂れ下がった枝は成長効率が悪くなりますので上に誘引するか、思い切って剪定してあげてください。切り取った枝は水を入れた花瓶などに挿しておくとそのまま根が伸びて楽しめるようになりますよ。
ポトスの植え替え方法!適した時期や土は?
生長するにともなって、剪定以外に「植え替え」という鉢や土を新しいものに取り替える作業があります。
剪定と同じように、5~7月頃が植え替えのタイミングで、「水の吸いが悪い」「根が鉢底から出てきた」などが植え替えのサインです。湿った日に作業すると、土にも余分な水分が入って、病気などの原因になることがあります。できるだけ、晴れた日の午前中に実施しましょう。
ポトスの植え替えに必要なグッズ
- ポトス
- 今よりも一回り大きな鉢
- 清潔なハサミ
- ピンセット
- 観葉植物用の培養土
- 鉢底ネット
- 鉢底石か軽石
- 割りばし
- 支柱(背丈が1m以上の場合)
- 麻ひも
- ゴム手袋や軍手
- ビニールシートか新聞紙
ポトスの植え替え手順
- 水やりを控えて土を乾燥させる
- 作業する場所にビニールシートを敷く
- 新しい鉢の底穴に鉢底ネット、鉢底石を順に敷く
- 土を鉢の1/3ほどまで入れる
- 鉢からポトスを引き抜く
- 植物の根についた土を、手でやさしく揉んで落とす
- 黒ずんでいる腐った根はハサミで切りおとす
- 新しい鉢の中心にポトスを置く
- 鉢の縁から下4cmのところまで土を入れる
- 支柱を立てて、ツルを巻きつけ、麻ひもで結ぶ
- 土の表面を割りばしでつつき、根の隙間まで土をなじませる
- 鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりをする
もし、今使っている鉢を使いまわしたい場合は、購入したときくらいまでツルを切り落とし、それに伴って根も切り落としましょう。根が吸う水分と葉が蒸発させる水分のバランスが取れて、今まで通りの大きさで育てることができます。
ポトスの育て方をマスターしよう
いつも身近に置いておける観葉植物は、生活に彩りと活気を与えてくれますね。手入れを繰り返すと、愛着もどんどんわいてくるものです。初めて観葉植物を育てる方は、まずはポトスから栽培してみてください。増やし方や飾り方などいろいろな楽しみ方を覚えてみてはいかがでしょうか。
更新日: 2021年05月12日
初回公開日: 2015年07月26日