もみじは、カエデ科カエデ属の落葉高木の総称です。季節に合わせて紅色や黄色へと移り変わる姿は美しく、庭木や鉢植え、盆栽などで観賞用として育てている人も多いと思います。ただ、小さいスペースで育てる場合には大きくなりすぎないように適度に剪定をする必要が出てきます。今回はもみじの剪定方法について詳しくご説明します。
もみじの剪定の時期と方法は?
もみじは「春から夏にかけて」と「秋から冬にかけて」の2つの時期に剪定を必要とします。それぞれ目的が違うので、気をつけてください。
春から夏にかけての剪定
梅雨が終わる頃から真夏に入るまでの7月上旬頃が夏の剪定時期に適しています。真夏に剪定をするともみじが弱ってしまいやすいので、7月末以降の剪定はおすすめできません。
この時期の剪定は、風通しをよくして、幹にしっかりと日光を当てることを目的とします。大きくばっさり切るのではなく、余計な枝をすいてあげるイメージです。
バッサリと剪定してしまうと、枝がかえって伸びやすくなってそちらに栄養が回り、樹勢を弱らせてしまうかもしれません。また、夏前は木全体が水をたくさん含んでいるので、切った場所から水分が滲んで切り口がふさがりにくくなります。
そのため、この時期は太い枝は切らず、徒長している枝や上へ伸びた枝、樹形を乱す枝、内側に伸びる枝などを細かく切り落としましょう。
秋から冬にかけての剪定
秋から冬にかけては、葉が落ちて休眠期に入ります。大きく形を整えたいときは、休眠期に剪定をしましょう。11月から2月頃が剪定時期の目安です。3月に入ると休眠から目覚めはじめるので、2月中に終えるようにしてくださいね。
また、もみじは葉が落ちた後に葉芽をつけるため、剪定が遅くなると葉芽まで落として生長が遅くなるので注意してください。
この時期の剪定は最終的な樹形を思い浮かべながら、そこから外れる太い枝を、ばっさりと切り落とします。そのほか、重なっている枝や徒長枝、上向きの枝、下向きの枝なども剪定します。
枝を剪定するときは、横に広がるイメージでY字になるように剪定すると、小さいサイズを維持したままで美しい樹形が作れますよ。
もみじの剪定の注意点は?
もみじはデリケートな植物で、枝先を切っていると次々にわき芽が生えてきます。そのままにしておくとたくさんの枝で生い茂り、樹形が悪くなりますよ。しかも、栄養が奪われて、風通しも悪くなるので、放置しておくと枯死する原因になることも。
そこで、剪定するときは、わき芽が出にくいように枝の根元から刈り込んでください。また、太い枝を切ったときは、癒合剤を塗って切り口を保護してあげると安心です。
もみじの盆栽の剪定はどうする?
盆栽のもみじを剪定するときは、思い描いた形にするために不要な枝を落とさなければなりません。ただ、前述したようにとてもデリケートな植物なので、剪定する時期は要注意です。
大きく形を整えるのが目的なので、庭植えや鉢植えと同じように、秋〜冬にかけての休眠期に剪定してください。
最初は無駄に伸びている徒長枝を元から切り落とします。樹形を乱す不要な枝、下に向かう枝や内側に向かう枝、上に向かう枝、他の枝と交差する枝を切ってください。三又以上にわかれている枝は、横に広げるように真ん中にある枝を落として二又にします。
剪定した後は薬剤を散布して病気や害虫を防ぐことを忘れずに。
もみじの剪定は時期が大切
もみじは古くから観葉植物として楽しまれてきました。庭木などであれば剪定をせずに自然な樹形を楽しむ方法もありますが、限られたスペースではどうしても手入れが必要になります。
少し手間はかかりますが、自分の好みにあわせて剪定するとより愛着も強まります。自分なりの剪定にチャレンジして、秋になって美しく変化する紅葉を楽しんでくださいね。
更新日: 2022年11月30日
初回公開日: 2015年08月08日