ルッコラは、ピザやパスタの具材としてイタリア料理によく登場するハーブです。ロケットサラダという英名でも知られ、今では味噌汁やスープ、サラダの具として家庭料理に利用する方も多くいます。ごまのような香ばしい香りが特徴で、ピリッとした辛味がくせになりますよ。今回は、種まきからの栽培方法や収穫など、ルッコラの育て方についてご紹介します。
ルッコラの育て方のポイントは?
過去にアブラナ科の植物を育てていない土を使い、明るい日陰で育てるのがポイントです。アブラナ科の植物を連続して植えると、害虫の影響があったり、栄養が足りなかったりして連作障害が起こり、生育が悪くなってしまいます。
また、直射日光にあたって育つと茎葉が固くなってしまうので、食用にするなら午後から日陰になる場所に植え付けるのがベストです。
ルッコラの種まきや苗からの栽培方法と時期は?
種まき
3~7月か、9~11月が種まきの適期です。発芽率が高いので、種からでも簡単に育てられますよ。
鉢や地面に種が重ならないようにばらまいたら、薄く土を被せて植え付け完了です。発芽し、混みあってきたら間引くことを数回繰り返すと、株の生育がよくなりますよ。間引いた若い芽は、ベビーリーフとして味わってくださいね。
苗植え
苗は、3~7月か、9~10月に鉢植えや地植えにして育てることができます。鉢植えは、5~6号鉢に2~3株が植え付けの目安です。地植えやプランターは、株同士の間隔を15~20cm空けるようにしてください。
ルッコラの土作り・水やり・肥料の与え方
土作り
水はけのよい中性~アルカリ性の土を好みます。鉢植えやプランターは、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜ合わせた土か、ハーブ用培養土がおすすめです。地植えは、植え付ける2週間前に苦土石灰を、1週間前に堆肥や腐葉土を混ぜ込んだものを使ってください。
水やり
鉢植えやプランターは、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。地植えは、水やりをする必要はありません。乾燥した環境だと、葉っぱの苦味が強くなってしまうので注意してください。
肥料の与え方
草丈が5cmほど、本葉が4~5枚になった頃から、1週間に1回、薄めた肥料を与えると生育がよくなります。
ルッコラの栽培は水でもできる?
ルッコラは、根が元気な間なら、何度でも収穫できる植物です。水耕栽培を覚えてしまえば簡単に栽培できるようになりますよ。
1. スポンジに十字、もしくは横長に切込みを入れ、種をいれる
2. スポンジが乾燥しないように霧吹きで湿らせる
3. 発芽するまでの数日、黒いシートなどで遮光する
4. 双葉が出てきたら、ハイドロボールを入れた鉢に、切り分けたスポンジごと植えこむ
5. 鉢底から根を出した状態で、発泡スチロールなどに穴をあけた場所へ鉢を挿し込む
6. 半日陰の場所で、鉢底から出た根が吸水できるよう受け皿に水をためておく
7. 約3週間後「草丈が20cmほどになったら収穫する」作業を繰り返す
ルッコラの収穫の時期と方法は?間引きは必要?
発芽したら、混みあった部分を間引いてあげると、しっかりと葉が生長していきます。基本的に、2回ほど間引くと考えてください。
1回目のタイミングは、葉が2〜3枚になったとき。生長していないものや葉が傷んでいるものを間引き、株同士の間隔を空けていきます。
2回目のタイミングは、葉が4〜5枚になったとき。葉が重なり合って混み合ってきたら、1回目と同じように間引きしましょう。
そして、草丈が20~25cmほどになり、葉の長さが10〜15cmほどになったら、収穫の時期です。根元を抑えてハサミで株元から切るか、根ごと引き抜いていきましょう。また、外側の葉から摘み取るようにすると、収穫量を増やすことができますよ。
ルッコラの植え替えの時期と方法は?増やし方は?
収穫すると枯れてしまう一年草なので、植え替えの必要はありません。また、花が咲いた後につく種を採取して、種まきから再び育てることができます。種まきの時期と手順は、植え付け時と同じです。
ルッコラの栽培で注意する病害虫は?
アブラムシ
春から秋にかけて発生し、茎や葉っぱ、新芽に寄生し、栄養を吸い取って枯らしてしまう害虫です。大量に発生するので、薬剤を散布して早めに駆除していきましょう。少量ならガムテープなどで株から引きはがしてもかまいません。
アオムシ
蝶や蛾の幼虫で、葉っぱを食べて植物を枯らしてしまいます。特に春に発生しやすいので、心配な場合は秋に栽培を開始しましょう。見つけたら、割り箸やピンセットで直接取り除くか、殺虫剤を散布して駆除します。
ヨトウムシ
昼間は地中に潜み、夜になると植物の葉っぱや茎を食べてしまう害虫です。地中の浅いところに潜んでいるので、日中に株の回りを掘り起こすと、見つけることができますよ。見つけたらそのまま直接取り除くか、薬剤を散布して駆除してください。
ルッコラは栽培が簡単なハーブ
夏の強い日差しにさえ気をつければ、ルッコラは元気に育ってくれます。ただ、害虫によって葉っぱが食べられてしまうことも。毎日株の状態を観察することが、おいしいルッコラを収穫する近道です。たくさん収穫して、料理に活用してくださいね。
更新日: 2022年08月24日
初回公開日: 2015年10月30日