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家庭菜園の土作りと肥料|畑とプランターの土作りの順番や時期は?

庭やプランターで植物を育てると、生長過程を楽しんだり、野菜や果実を収穫できたりすることが家庭菜園の醍醐味ですよね。ホームセンターで苗や種などを買えて気軽にはじめられることから、近年家庭菜園を楽しむ人が増えてきています。ただ、どんな土や肥料を準備しなければよいのかは、はじめての方にはわかりづらいもの。そこで今回は、初心者でも簡単な家庭菜園の土作りと肥料についてご紹介します。

家庭菜園にとって、理想の土作りとは?

堆肥 土作り 腐葉土  土

植物は、土の中に根をはわせることで体を支え、水分や養分を吸収して生長します。そのため、根が生えやすく、それぞれの野菜や果物に合った土で育てることが大切です。

条件さえきちんとそろっていれば、病気や害虫の被害にもあいにくくなり、収穫まで無理なく菜園が楽しめますよ。まずは、育てたい野菜の好む条件を確認しましょう。

また、野菜は土の粒と粒の間にある酸素を根から取り込み、呼吸をしています。つまり、土がある程度粒状でないと、空気が入っていかず、酸素不足になってしまうのです。

そのため、十分に耕して土の中に空気を送り込むとともに、腐葉土などを混ぜて土を粒状にしておくことも必要です。

家庭菜園の土作りに必要な肥料とは?

肥料 タイミング 化成肥料

土とともに野菜の生育を助けるのが肥料です。肥料には動物の糞や枯れ葉などを元にして作られる「有機肥料」と、化学的に作られた「化成肥料(化学肥料)」の2種に分けることができます。

これらの肥料には、以下3つの成分を主体に、生育をよくする成分がたくさん含まれています。

1. 葉の生長を促す「窒素」
2. 花や果実の生長を促進する「リン酸」
3. 根や茎を丈夫にする「カリウム」

どのタイミングで、どんな成分を必要としているのかは、野菜ごとに異なります。また、過剰に与えてしまうことで生育不良をおこしてしまう恐れも。植え付け時や生育途中など、適切な時期に必要な分だけ肥料を与えることが、家庭菜園での野菜作りでは大切です。

さらに、草花と違って家庭菜園で育てる野菜は食べることを目的としているので、有害な物質が含まれていない肥料を使うこともポイントになってきます。

家庭菜園の土作り!プランターでの順番は?

野菜の大きさや根を伸ばす深さに応じてプランターを選びます。そして、自分でブレンドした土を使って育てていきましょう。自分でブレンドするのが不安な方は、市販の野菜用培養土を使うのも1つの方法です。

野菜ごとに好む土の配合は違います。赤玉土(小粒)と黒土、完熟堆肥か腐葉土を1:1や2:1ほどで混ぜ合わせた土を基本ブレンドとして利用しましょう。

これらを手でよく混ぜ合わせ、軽く握ってすぐに崩れるようなら完成です。鉢底石や寒冷紗をプランターの底に敷き、土を入れてから苗を植え付けます。

プランターの縁ぎりぎりまで土を入れると、水やりのときに浮かんだ土が外に溢れてしまうので、縁から下5cmほどは土を入れないようにすると安心です。

家庭菜園の土作り!畑、庭での順番は?

野菜を植え付ける前に、土をフカフカに耕しておくことがポイントです。固く締まった土では根を十分に伸ばせず、水や栄養、酸素を取り込むことができません。

以下に基本的な手順をご紹介します。

1. 雑草や小石を取り除く。根っこや茎葉があれば、それらも取り除く
2. 堆肥や腐葉土と土を混ぜながら、深さ20~30cmほど土を掘り返すように鍬で耕す
3. 土を軽く握り、すぐに崩れるようなら肥料を混ぜ込む

家庭菜園の土作りに石灰は必要?

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土は、酸性~中性~アルカリ性と異なる性質をもちます。ただ、日本では酸性の雨が降ることから、手を加えていない土地の土は、ほとんどが酸性に傾いています。

野菜によって適した酸度は違いますが、多くはアルカリ性の土を好むとされています。そのため、土に「石灰」と呼ばれるカルシウムを施し、あらかじめ中性~アルカリ性に傾けておくのがポイントです。

一般には反応の強い消石灰や生石灰は使わず、穏やかな苦土石灰を使います。1㎡あたり100~120gの石灰を加えるのが目安です。

注意が必要なのが、石灰は肥料の窒素成分と反応してアンモニアガスを発生させてしまいます。

そのため、先に石灰を混ぜて1〜2週間ほど寝かし、ある程度土になじんでから、肥料を混ぜ込んでいくと安心です。

家庭菜園の土作りの豆知識!粘土質の土を改善するには?

土作り 粘土質 耕す

粘土質の土は、土の粒が崩れて酸素や水の入りこむ隙間がなく、根をはりにくいことから、家庭菜園の土には向きません。

その反面、肥料もちや水もちはよいので、その性質をうまく活かしながら土の質を改善していきましょう。

1. 土を20~30cmほどの深さに掘り起こす
2. 地面が見えなくなるくらいたくさんの腐葉土や堆肥、川砂を被せる
3. 混ぜ合わせながらさらに土を耕す
4. まだ水はけが悪そうなら、高さ5~10cmほど土を盛って畝を作る
5. 植物を植え付けた後、湿気を逃がさないためにワラを株元に被せる

家庭菜園の土作りの時期は?

出来合いの土を使わず、畑や庭の土を掘り起こして土作りをする場合、土作りの時期は、野菜を植えるタイミングから逆算して考えましょう。家庭菜園の野菜は、一年中種まきか苗植えができますが、種まきか苗植えをする1ヶ月前に土作りを開始するのが目安です。

1ヶ月前に小石や根っこ、茎葉を取り除き、耕しておきます。このときに苦土石灰を混ぜて2週間ほど置いておきます。2週間後に堆肥などの有機肥料を混ぜてフカフカの土にしておきましょう。

家庭菜園の土に雑草が生えたら?

雑草が伸びてくると、育てている野菜に日があたらず生育が悪くなるほか、湿度が上がって病気や害虫を発生させる原因になります。そんなときは、黒いマルチフィルムを土にはっておくと、雑草の発生を抑えることができます。

雑草を完全になくすことはむずかしいですが、ただ闇雲に処理をするよりも効率的で、除草剤など食用に使いたくない薬剤や農薬の使用を防ぐことができます。

家庭菜園は土作りが大切

子供 家庭菜園 植え付け 土作り

家庭菜園でもっとも大切な土作り。フカフカに耕し、きちんと肥料を施した土なら、野菜はどんどん根を伸ばし、元気に育ってくれますよ。

最初はコツがつかめずむずかしいと感じるかもしれませんが、一度マスターしてしまえばどんな野菜を育てるときも応用できます。気楽な気持ちで、土作りをはじめてみてくださいね。

更新日: 2023年05月02日

初回公開日: 2016年01月08日

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